見出し画像

外国人にワクワク楽しく働いてもらう為に (7) 生理的欲求 ④「支援担当者による支援」

このnoteでは、外国人労働者の受け入れを検討されている中小企業の皆様が、外国人労働者に働きがいを感じてもらいながら生き生き働いてもらえるような環境を作る為のお手伝いをさせて頂いています。

前回は、外国人労働者を受け入れる企業側での具体的な対策の全体像の内、生理的欲求のその③として「食」  について説明させて頂きました。

今回は、生理的欲求のその④として外国人労働者の来日時の生活設営に関わる「支援担当者による支援」についてご説明します。

外国人労働者への支援に関する法制上のルール

技能実習・特定技能の両制度における支援ルールは法律で以下の通り規定されています。技能実習であれば監理団体、特定技能では登録支援機関に一部を委託することも可能ですが、今後長期にわたって働いてもらう仲間を迎える以上、やはり受け入れる御社の内部でしっかりと外国人労働者の来日時からの生活設営支援を行いつつ寄り添う姿勢を貫くことが信頼関係醸成の為には非常に重要だと考えます。

表1 技能実習制度での支援に関するルール(抜粋)
表2 特定技能制度での支援ルール(抜粋)

最初の段階での生活ルールに関するオリエンテーションの重要性

外国人労働者の人口が200万人を超え、地方都市でも外国人が急激に増えつつある中で、地域の近隣住民と外国人労働者との間でトラブルも多く発生しています。それらトラブルに関する日本人住民のコメントを見ると、「外国人はゴミ出しのマナーがなっていない」とか、「夜遅くまで路上でたむろして大声でしゃべっていてうるさい、怖い」等、日本人の生活上のマナーやルールを知らないことで近隣住民から疎まれて嫌われてしまうようなケースが少なくないようです。

そうしたルールを知らないことによって生じる軋轢を未然に防ぐべく、支援担当者になられた方におかれては是非最初の一カ月程度は集中的に外国人労働者に寄り添って頂き、どのようにゴミ出しするのか、どこでしゃべっていると迷惑になるのか、逆にどこなら迷惑にならないのか等々日本での生活上のルールやマナーについて細かく指導してあげることをお願いしたいと思います。出入国在留管理庁が「生活・就労ガイドブック」という説明書を多言語で準備して公開しています。この12章に生活編がありますのでこうしたものも利用しつつその土地でのルールに合わせて説明してあげられたら分かりやすいと思います。

更に、上述の関連法令で、技能実習制度と特定技能制度のいずれにも日本人との交流に関する支援が含まれているのは非常に重要です。外国人労働者と近隣住民が直接知り合えるような交流の機会を設けてあげることで、「ああこの外人さん達はxx工業さんの工場で働くようになった人達ね」といった具合に認知してもらえれば、挨拶をかわせるようになり不必要な対立も防げる最初の端緒になると思います。マナーの悪い怖い外人達みたいな認知をされてしまって一旦嫌われてしまうと、それを挽回することは非常に難しくなりますので最初が肝心です!

支援することで得られる信頼関係で誤解を防ぎ離職防止を

外国人労働者の皆さんは、来日当初電車の乗り方も分かりませんし、何がどこに売っているのかも分かりません。私も海外で働きだした際には、まずスーパーマーケットに行ってみて、どんな食材・調理道具・生活雑貨が買えるのか、日本食みたいなものがないか等調べて一喜一憂したものです。そうしたことを来日したばかりの日本語にも自信のない若者が独力で調べるには非常に時間も掛かりますので、そうした部分で細かく要望を聞いてあげて、百円ショップ・メルカリやアマゾンなどフルに活用しつつできるかぎり誠心誠意サポートしてあげることで、人間同士信頼関係も生まれますし、会社へのロイヤリティーも醸成できると思います。

そうしたことを切っ掛けとして、何かあったら相談してもらえるような関係を構築できれば、長期的に仕事上の疑問や不安なことも相談してもらえるようになり、誤解が積み重なって突然失踪するとか転職されてしまうような事態を防止できると信じます。私も、外地で現地の社員同士のパワハラの相談に乗って、その後のフォローをしっかり行ったことで信頼を得て、その優秀な社員を失わずに済んだ経験がありますので、相談できる関係作りは国籍関係なく離職防止に一定の効果があることは間違いありません。

外国人労働者受け入れに当たって、何か一つでも皆さんの参考になる点があれば望外の幸せです。もしご質問等あれば遠慮なくお問い合わせ下さい。

変更履歴

初版公開 2024年11月30日

いいなと思ったら応援しよう!