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外国人にワクワク楽しく働いてもらう為に (8) 安全欲求 ①「競争力があり適法な給与」
このnoteでは、外国人労働者の受け入れを検討されている中小企業の皆様が、外国人労働者に働きがいを感じてもらいながら生き生き働いてもらえるような環境を作る為のお手伝いをさせて頂いています。
安全欲求について
これまでマズローの5段階説の中の第一段階の欲求である生理的欲求についてご説明してきました。
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今回からはマズローの5段階説の中で第二段階の欲求である安全欲求についてご説明します。この階層は、身の危険を感じるような状況から脱したいという欲求です。就労環境で言えば、心身共に健康、かつ経済的にも安定した環境で、安心して働きたいという欲求に当たると思います。
遠く外国から来た外国人労働者の立場で考えると、何かあった際に誰に助けを求めればいいのかもわからず、言葉も不自由だとしたら安全な日本であっても不安に感じるでしょう。また、母国で渡航準備や語学の勉強の為に借金をして来日している場合に、その返済に足る十分な給与が得られなかったり、将来的に希望する仕事に就けるようなキャリアプランも見通せない場合には、やはり安心して働けるとは言えないはずです。
逆に言えば、受入企業としてこの部分をしっかり支援できれば、外国人労働者が安心して仕事に集中でき、直ぐにより有利な企業への転職や失踪について考え始めるようなことは避けられるものと信じます。
その①競争力があり適法な給与
安全欲求のその①として給与についてご説明します。
外国人労働者への給与に関する法制上のルール
まず、技能実習・特定技能の両制度における報酬に関するルールは以下の通り規定されています。
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双方に共通して規定されているように、外国人労働者に対する報酬は日本人と同等以上でなければなりません。これは、労働基準法で国籍による差別的取り扱いが禁止されていることによるもので、当然外国人であることを理由に給与や昇進の上限を決めることは認められません。時々「外国人労働者を雇用することでコスト削減したい」というコメントをお聞きすることがありますが、監理団体や登録支援機関に支払う支援料なども含めて考えると、外国人雇用をコスト削減の為に行うというのは後々のトラブルの元になる可能性が高い考え方だと思いますのでお勧めできません。コスト削減を目的とするのではなく、日本人の採用がなかなか出来ない中でも企業努力次第で安定的な採用が可能になる手段としてお考え頂くべきかと考えます。
給与水準の設定
日本人と同等以上の報酬を支払う必要がある訳ですから、給与水準については、これまでの日本人従業員の皆さんの給与水準の決め方に準ずることになろうかと思います。ただ、外国人労働者は本国で日本での就職先を選び種々手続きを経た上で来日する訳ですから、外国人労働者を採用しようとしている他の受入企業が提示する条件と比較されることは避けられません。ですので、常に求人情報サイト等で同業種・同地域の企業の求人情報等から市場での給与や福利厚生の水準を考慮して調整し続ける必要があります。
給与明細を見せ合うのが普通
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