ニッカちゃんと俺。

「ニッカニッカニ〜♫私は由緒正しきニッカウイスキーのレア酒、フロム・ザ・バレルだニッカ！よろしくニッカ♪」

初めて会ったその子の名前はニッカちゃん。なかなかお店では出会う事が出来ない貴重なウイスキーだ。ウイスキーとは思えない可愛いらしいその見た目はサマンサタバサのバッグの中に入っていても違和感が全く無い。むしろその若さでサマンサタバサ持っている栄のガールズに違和感を持ってしまう。イーストボーイではダメなのか？

「ニッカちゃん、君小さいけど度数はいくつなの？」

「51%だニッカ♫」

なんと、可愛い見た目とは裏腹に51%という腹黒女子だった。こんなのお酒をあまり知らないウェイウェイ系男子が飲んだら数時間後に地下鉄の階段でうずくまっているやつだ。

それでは覚悟を決めてハイボールで頂こう。
鼻を近づけるとウッディで心地よい香りに包まれる。やはり他のウイスキーとは一味違うようだ。さぞかしお味も華やかなんだろうと想像を膨らませながら一口テイスティング。

「オラァ！！！！！！」

突然みぞおちをぶん殴られたような衝撃。何という力強さッ！！
アイドルを目指している女子高生に話しかけたと思ったら空条承太郎だったくらいの衝撃だ。一口飲むたびに「オラァ！！」と聞こえてくる。

これが51%の世界、、3杯飲んだくらいから動けなくなってきた。ザ・ワールドまでも襲いかかってきた。

しかし、51%の力強さだけじゃない。濃厚な香りと奥にある深み、甘み、松任谷由実が五感を刺激してくる。

美味すぎる。流石ハイボールに合うウイスキーランキングで上位のお酒だ。ありがとう、ニッカちゃん。

「そうやって貴方はすぐ他の女にいくのね。」

い、伊佐美ちゃんッ！！！！

〜