天国のキッス
私が初めて買ったレコードは、松田聖子さんの「天国のキッス」だ。
まだCDの時代じゃなかったため、レコードで話を進めさせていただきたい。
小学生だった私が聖子ちゃんの大ファンになったのは「青い珊瑚礁」の時。クラス中の女子が皆聖子ちゃんファンだった。
毎週必ず「ザ・ベストテン」を見て、新曲が出れば必死に歌詞はもちろんのこと踊りの振付をマネして覚えた。まだテレビ録画もなかったから、番組内の1回1回がとても貴重であった。
小学校高学年になると、テレビ番組だけでなく、普段も聖子ちゃんの歌を聴きたくなりレコードを買ってほしいと親に頼んだ。
「お小遣いで買いなさい」と言われ、貯金箱からお金を出して買いに行った。
それが、「天国のキッス」だ。
嬉しくて嬉しくて、キズがついたら大変だからとレコードを聴かずに宝物のように飾っていたが、何のために買ったのだと言われ、それもそうだと大切に聴いた。聖子ちゃんのように振付をして踊りながら…。
「天国のキッス」が主題歌である映画「プルメリアの伝説」も聖子ちゃんファンの友達3人と見に行った。私達にとって、保護者付き添い無しの映画デビューだった。
私の初めてがたくさん詰まった「天国のキッス」のレコードは、今も大切にとってある。