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【詩】来訪

遠方より、来客あり
前夜、突然の前触れを受けて
あたふたと心をめぐらせた
散らかし放題の部屋を片付け
掃除機をかけて、ゴミ出しして
部屋をざっと洗い流した

4年ぶりに会うMくんは
変わらず、屈託のない笑顔で
穏やかすぎる僕らの部屋に
ソーダの滴を注ぎ込んだ
出張途上の道すがら
疲れた顔も見せることなく
昔と変わらぬ君の目を
僕たちは、みつめていた
波間に浮かぶ小舟に揺れて
風の行方を眺めていた
日常を語り合い
近況をたずね合う
他愛ない対話の渚に
涼風が打ち寄せていた

時間は短すぎたけど
しがらみの浜辺をはなれ
精一杯の帆を開く
三人三様の有難うが
再会を期す道しるべだ
潮が引いた今もなお
部屋は幸せ色に満ちている
今日は日曜日
いい日和だ


©2022 Hiroshi Kasumi


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加澄ひろし|走る詩人
お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。