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【詩】紋黄蝶

黄色い蝶々が、さまよっている
花から花へ、枝から枝へ
おどりながら、はばたきながら
風に揺られて、風にのって
黄色い蝶々が、ながれていく
どこで生まれ、どこで育ち
どこにむかって、生きていくのか

ひととき、ほんのひととき
目のまえを、たのしませて
ふと、目をはなすと
どこかへ、行ってしまった

まなざしに、問いかける
刹那を生きる、はかない命
どこへ、行ってしまったのか
淡い姿を、追いかけて
あてもなく、さがしてしまう

陽にてらされ、雨にぬれて
強い風に、さらわれても
命の限りを、知ることなく

蟷螂に出会い、燕に狙われ
蜘蛛の罠に、とらえられても
命の限りに、苦しむことなく

気がつけば、また
黄色い蝶々が、とんでいる
さまよいながら、はばたきながら
みつけられない、行き先を
あてもなく、さがしている


©2022 Hiroshi Kasumi

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加澄ひろし|走る詩人
お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。