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【詩】通り雨

道は、雨に濡れている
光る路面に、轍が撥ねて
しぶきに、虹がみえている
雨は、すべて洗い流して
真昼の火照りを、拭っていった
吐き出された、埃の色も
撒き散らされた、騒ぎの音も
透けた被膜に、包み込んで

もう、雨はあがった
薄陽が、雲の裂け目にこぼれて
熱い視線で、灼こうとする

雲が、風に運ばれていく
濡れそぼり、沈黙していた蠢きが
放たれて、陽を浴びようと

待ち侘びていた、蒼穹のかがやき
喉を干す、真夏のはしり
道は、白く、乾きはじめた

©2023  Hiroshi Kasumi

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加澄ひろし|走る詩人
お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。