子供のやり取りに勝手にキュンとした話
本日の登場人物
ぬん(男の子。中学生。)
のん(女の子。中学生。)
ぬん「誕生日プレゼントなにがいい??」
のん「お菓子が欲しい。」
こんな会話から数日。
『ピロン♪ピロン♪』
のんのスマホがメッセージを知らせる。
ぬん『チョコレート買ってきたよ。』
写真つきのメッセージ。
ぬん『これから作るね。』
のん『うん。楽しみにしてる。』
数時間後。
ぬん『チョコ、なかなか固まらない。』
のん『そうなの?』
ぬん『生チョコは明日渡すね。』
のん『分かった。』
ぬん『チョコパイは今日渡す。何時位に会える??』
のん『今、親と買い物来てるから終わったら連絡する。』
ぬん『了解。』
1時間後。
のん『終わった。どこ行けばいい??』
ぬん『じゃ、○○で。』
のん『分かった。』
のん『着いたよ。』
ぬん『今、□□あたり。』
のん『分かった。』
ぬん『今、□□あたり。そろそろ着くよ。』
のん『分かった。どこにいればいい??』
ぬん『買うものあるから中で待ってて。』
のん『分かった。』
のん「なんか緊張する~。」
そう言ってのんは車を降りた。
5分後。
のんは紙袋を手に車に戻ってきた。
のん「ポテチ買ってもらった。一緒に買ってきた。」
そう言うとのんは、紙袋から買ってもらってポテチとアルミホイルにくるまれたチョコパイを出してみせた。
アルミホイルの包みは6個入っていた。
のん「包みがアルミホイルって。でも、並べ方にはこだわったのかな。キレイに並んでるよ。」
そう言ってアルミホイルを開けると後部座席でチョコパイを一つ食べた。
三角の形をしたチョコレートを包んだパイは頂点を中心に4個で四角になる様に綺麗に並んでいた。
のん「うん。美味しい。餃子の皮にチョコくるんだんだって。でも、チョコが1つ足りなくて砂糖くるんだって。怖いんだけど…。」
のんは次のアルミホイルを開けながら仲間外れを探す。
のん「あ、あった。こいつだな。」
のんは恐る恐る食べる。
のん「甘過ぎてダメだ。こいつは少しずつじゃないと。焼き鳥と食べるわ。」
そう言ってアルミホイルに戻した。
後部座席に居るのんの表情は見えなかったが、嬉しそうにしている様子は分かった。
明日も会えるんだね。
そう言葉をかけると
のん「めんどくさい。引きこもっていたい。」
と、答えた。
が、その後…
のん「帰ったらシフォンケーキ焼こう。前よりもっと膨らまないかなぁ…。」
と、小さい声で呟いたのは聞かなかった事にしよう。
私はこういう話が大好きなのです。
小さな恋の始まりか、片思いなのか…。
どちらにしてもきゅんとしました。
「のん」が我が子ですが、「のん」には想いを寄せてる人がいるので「ぬん」は片思いです。
同じ部活の子ですがもう3年位片思いらしいです。
「のん」が好きな人の事も知っています。
それでも想い続けてくれる「ぬん」は男前だと私が勝手に思っているのでした。
この後焼いたシフォンケーキは今までにない位に膨らみました。
そして衝撃事実が…。
「(ぬんには)え?あげないよ?」
話題の進みは早いものです。
私が勝手に「ぬん」にあげるシフォンケーキだと思っていただけの話でした。