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出会えて良かった文芸書10選

私は30代のワーキングウーマンです。
昔から読書好きで、読書量は今までで2800冊程。
読んだ本の中で、”あの時出会えて良かった”
特にそう思える文芸書を思い返して選んでみました。
自分の中での整理も兼ねてまとめています。


1.悪童日記

3部作になっています。女性の亡命作家の本になります。
1部目が「悪童日記」。2部目が「ふたりの証拠」。3部目が「第三の嘘」。今まで読んだ本の中で1番文章の力を感じた作品です。ぞわっとします。
私は一旦はまれば夢中で読めました。
人名等、固有名詞がいっさい登場しません。語り手は双子の兄弟の「ぼくら」です。「ぼくら」が目にした「事実」のみを日記に記していく。
是非2部までは読んでみてください。3部も物凄いことをしているのですが、難解です。私はついていくのが大変でした。

2.営業ものがたり

漫画エッセイになります。色味が激しく、人を選ぶ絵柄です。
私は文教地区で生まれ育ち、あまりルール外の生き方を知らずに生きてきました。その点で西原理恵子さんの本には衝撃を受けました。
この本の中に入っている「うつくしいのはら」という短編を読んで泣いてしまいました。数ページの短いお話です。この話だけ他の話のテイストと随分違うんです。不意打ちです。私はこの話の為だけにこの本を買って良かったと思えました。

3.罪と罰

よくおすすめで出てくる本ですね。難しい本だと思われがちですが、内容はエンタメ色が強くて面白いです。難しいのは人の名前が分かりにくい事ですかね。扱っているテーマはデスノートと似ています。
アマゾンプライムだと1巻を無料で読めます。(23/12/26現在)。
人生で何回か思い返していろんな発見がある本です。私は最後の終わり方が好きです。

4.残像に口紅を

ブラックさとSFなら筒井康隆さんを。
文章から文字が一文字ずつ消えていく。主人公がこの小説自体を書いていて、文字が減っていくのも自覚して書いているという設定の、実験的な小説です。
20年程前に発刊してますが、tiktokで話題になったそうですね。
読み始めると止まらないので時間がある時に読むことをおすすめします。

5.文学部唯野教授

こちらも筒井さん。ドタバタブラック。
主人公の教授の文学についての講義内容もわかりやすく、文章の勉強にもなる一石二鳥の本。note書く人や、何か文章を書く人は参考になるんじゃないかと思います。

6.檸檬

物語の爽快さと檸檬の爽快さがたまらない。
作者の繊細な感性が素晴らしく、読後感が最高でした。

7.シッダールタ

ヘッセが書いたシッダールタ。
西洋の人が仏教の事を書いていて面白い。
シッダールタが主人公の物語になっています。ヘッセの中でも比較的読みやすい方だと思います。

8.お伽草子

kindle、Audibleで無料で読めます。(23/12/26現在)
太宰治の中で一番読みやすい小説です。
おとぎ話を再解釈したお話になっています。
内容は「瘤取り爺さん」「浦島太郎」「カチカチ山」「舌切り雀」。
太宰治のセンスが光る一冊になっています。

9.女生徒

kindle、Audibleで無料で読めます。(23/12/26現在)
こちらも太宰治。書いている内容は何てことはない日常の1日の記録。(日記?)
女生徒の独白の形になってます。
本当にこれを男性が書いたのか?という程、心情を含めて隅々まで女性らしい文章になってます。
これを書けるならモテていたことも頷けます。。。女性心理がわかるのでしょうね。自分宛ての女性読者ファンの日記を読み、その子のことを想像して書いた話とのこと。

10.快楽主義の哲学

澁澤さんはサド作品の翻訳家として猥褻罪に問われたことで有名です。澁澤さんは裁判を「勝敗は問題にせず、一つのお祭り騒ぎとして、なるべくおもしろくやる」との方針を立てて受けていました。その人が書いた快楽主義の哲学。
内容としては、博愛を否定しています。読んでいると極論だよと思いながらもウィットに富んだ文章で何か惹かれてしまう魅力がある。読みごたえがあります。
違う価値観で人生を考えてみたい人におすすめ。視野が広がる本です。


以上、出会えて良かった文芸書10選でした。
みなさんもよい読書ライフをお過ごし下さい。



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