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短編ホラー

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短編ホラー集
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【短編ホラー】残したものには※※がつく

お盆に父の実家に帰った甥と迎え火をする叔父。

 盆だからね、迎え火だよ。そのためにお前も帰ってきたんだろ。律儀だね、別に社会人になって一人暮らしする前はそんなに来なかったろ、盆はどこも混むからね。特に地方は。ここに来るまでも結構車居ただろう。だから俺はこの時期遠出しないんだ。実家住みの特権だね。毎年ちゃんとやってるけどね、兄さんはなかなか帰ってこないよな、ま、気持ちは分かるよ。俺だって東京出てた

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【短編ホラー】夢の話、残る痕

【短編ホラー】夢の話、残る痕

いつも怪我をしている叔父に、原因を尋ねる甥。

 夢でさあ……うん?そう、夢の話。

 なんでいきなりって、関係あるからに決まってるだろ。お前が聞いてきたんじゃない、その痣と眼帯どうしたんですかって、ずけずけと……。いや、怒っちゃないよ。なんにも疚しいことなんかないし。聞かれたから答えてやろうと思って話してんのに遮るんだもん。……だから夢なんだよ、原因が。まあ、端的に言えばさ、こういう体質なんだよ

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【短編ホラー】平年比+※※℃

【短編ホラー】平年比+※※℃

涼しげ怪異。

 振りほどこうにもいつまでも触れてくるような熱気が全身にまとわりつく。逃げる余地のない汗が重力に負けて、項を、背中を伝う。用事があったとはいえ、丁度脳天を焼かれるような時間に外に出るものではなかったと心底後悔した。そもそも急ぎの用事ではない。それなら雨でもなんでも、少なくとも今日のように日差しの強くない日にすれば良かったと己の無計画さにうんざりする。

 これ以上ブロック塀の続く道

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【短編ホラー】そしてあの人も居なくなる

【短編ホラー】そしてあの人も居なくなる

 怖い話ですか。夏だからって安直すぎません?まあ、飲み会抜けて喫煙所に逃げ込んで暇ったらそうですけどね。

 仕事できない上司の何遍聞いたか分かんない自慢話よりかマシですね、俺のが面白いかったら別ですけど。良いですよ、丁度いいのがあるんで。煙草二本分くらいにはなると思います。

 カセット聞いてたら音が変になったり録音してないはずの怖めな音声が流れる、みたいな話って結構あるじゃないですか。CDでも

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【短編ホラー】とっておきをあなたに

【短編ホラー】とっておきをあなたに

「この学生寮にさ、代々伝わる怪談があるんだよ」

 前期の試験が終わり、祝杯だと先輩の部屋でオール飲みとしけこんだ夜、苦学生向けのボロい学生寮の一室で、アルコールで頬を赤らめた先輩が、僅かな沈黙の後にそう言った。

 怪談なんぞ話す雰囲気でもなかったと思っていた俺が反応に困っていると、テレビに向かって横に座っていた先輩は安酒の缶にまたひとつ口をつけるとこちらに向き直り、いつからあるのか分んないんだ

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【短編ホラー】因縁には諸説アリ

【短編ホラー】因縁には諸説アリ

 心霊スポット行って馬鹿騒ぎした挙句、見るからに触っちゃいけないものを壊した馬鹿が居たんだよ。まあ、誰のものかわかんない家に入ってる時点でダメなんだけどさ。

 そう……あの廃屋。山ん中の。山って言ったって大層な標高があるわけでもないけどね。ちょっと坂がキツいってくらい。あと木がたくさん生えてる。森だね。

 あそこさ、昔から——俺が大学生の頃だから、もう十年以上前だ。その頃から誰も住んでなかった

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