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今日は、文章の構成について、音楽に例えて解説してみる。

もっと賢い方や、もっとやり込んでる方からすると、(なんかそんなんじゃないよなぁ)ってかんじもあるかもしれないけど、文章の世界でよく言われる「構成力」について、軽く解説してみる。

テレビをつけると、カラオケ番組の中で、

Aメロ
Bメロ
サビ
サビ
Aメロ
Bメロ
サビ

ってかんじのが画面の端っこに表示されてるのを見かけたことがある方も多いかと思う。実は、文章にも、当然のように、これがある。

文章に、ポップな音楽で言うところのAメロにあたる部分や、Bメロにあたる部分の段落があるのが、実はプロの文章の特徴の一つだったりもする。
アマチュアの文章は、もっと自由なので、そんなこと考えずに書いてるものだったりするから、AメロもBメロもへったくれもないけど、プロの構成力があると言われる方の文章には、AメロとBメロとサビ部分を意識しつつ、うまく読者が心惹かれるように配置されてるわけね。
構成力の正体的なもの。

なので、Aメロ部分やBメロ部分の気分がいくらダウナー気味でも、反対にアッパー気味でも、実はそこの部分は、そこまで重要でもなく(物語の運びとしては大切なんやけど)、一番言いたいサビの部分を盛り上げるための部分なわけ。

もちろん、サビだけの構成の楽曲があるように、サビだけの文章も存在する。
サビだけの文章は、キャッチコピーやX(旧Twitter)によくある文章構成ね。
Xのような超短文だと、一番言いたいことであるサビだけしか盛り込めないんで、必然的にサビしかない文章になる。

だから、世の中には、サビしかない文章のリフレインというのも当然のように存在できるわけで、

サビ
サビ
サビ
サビ
サビ
……

というふうな構成の文体に仕上げることも出来なくもないが、これやると、けっこうくどくなるんよなぁ。
ってこともあって、長文になればなるほど、どうしてもAメロ部分やBメロ部分やCメロ部分が増えてしまうし、イントロにあたる部分やギターリフにあたる部分も取り付けておきたくなるわけ。
文章を読み込むことを楽しく思える方からすると、「そのギターリフが良いんだよ〜」と感じるんじゃなかろうかと思うんですが、文章の読解に慣れていない方やそこまで複雑な文章を見抜けない方からすると、ギターリフやイントロにあたる表現技法が入ってる文章となると、正直、どこがサビでどこがギターリフなんだかイマイチつかみにくくなってしまい、読み間違いをしやすい文体となってしまう。

この対策としては、結局、文体の構成を

サビ
Aメロ
Bメロ
サビ
サビ
Aメロ
Bメロ
サビ
サビ

というふうに、いきなりサビから入る文章にしてしまうしかないわけ。
それが一昔前に流行った文体の、タイトルで内容を説明するネタバレタイトルや、冒頭の時点で本文の内容がネタバレしているような構成の文章になる。

みんながみんな、最後まで読み進めてもらえないかもしれない前提の書き方でもあるけどね。

あと、意外とよくある文章構成としては、
Aメロ
Aメロ
Aメロ
Bメロ
Bメロ
Bメロ
サビ

という構成の文章もあるにはある。これ、一見読みやすいように見えて、読者からすると、なかなかのトラップ。
なぜなら、作者が一番言いたいテーマは一番最後に書いてある構成だから。

途中で読むことを脱落したり、最初の方のAメロの部分に共感しちゃって、早合点しだすような読者からすると、かなり誤読されやすい構成の文章となる。

一番最後まで、よく読み込むと、(あ……こいつ……読者裏切りやがったな……。)的な構成なわけ……。もちろん娯楽なので、別に裏切っててもいいし、意外性を出して楽します系統の文章構成なんやけどね。
みんながみんな、意外性に気づけるわけでもなく、意外性を楽しめるわけでもないよってこと……。

サビが一番最後にちょこんと乗っかってる構成の楽曲で有名どころというと、ブルーハーツの「情熱の薔薇」かなと思う。

いうてブルーハーツなので、聞いてても寄り添ってくれてるかんじすごいけど、情熱の薔薇自体は、一番有名で一番聴かせたい部分は、一番最後の部分という構成。
なので、その最後のサビをきくために、冒頭からずっと引っ張っていくというイメージの文章は、いくら短めの数千文字の文章であっても、そこそこ難しめの構成だったりもする。書く方はとにかく、読む方の読解としてはね。

最初の語りで、聴くのをやめたり、そういう楽曲なんだなぁと思ってしまうと、最後の最後で、一番言いたいことを見逃してしまうわけね。

サビの部分を真ん中に持っていって、そこにつながるようにAメロとBメロをつなげたり、AメロとBメロをひたすら交互に繰り返して七転八倒感を出してみたりする文章構成もあるけど、ここまで文章構成が多様だと、読む方がサビっぽい重要なポイントをつかみきれなくて、読み間違いするのも当たり前だとも思うわけね。

だから、Xが流行ったり、TikTokが流行ったりしたんやわ。
なぜなら、どちらも短すぎて、サビしかないから。

で、これは二人以上の登場人物がいること前提なのだけども、サビしかない文章の羅列を二人以上の人間が投げ合うことで、サビしかない文体特有のくどさや単語の抜け落ち感を軽くする手法もあって、それがチャットの文体なわけね。LINE的な文章の正体がコレ。

まーLINEでも、Aメロっぽいチャット文、Bメロっぽいチャット文を投げとくこともできるし、実際はよく行われてるんやけども、それやると人によっては(早く本題言えや……。)ってなりやすい。最後まで話きいてくれなくて、会話が終わったりね……。

というのもあるので、特に一期一会になりやすいSNSのDMのやり取りとかだと、いきなりサビ同士をぶつけがち。

ま、そもそもアマチュアというか、ほとんどの人は、そこまで構成にこだわってなくて、テキトーに言うてるだけやねんけどね。

こういうnoteみたいな場所だと、たまにがっつり構成しちゃってる系の長文note記事がゴロゴロあるように見えたりするものだから、ガックリ来てしまいがちかもしれないけど、実際のところは、ダラダラなんも考えずに書いててもよかったりする。
読む方も、どう読まれても自由ともいう。

ただ、noteの記事構成を考えるときに参考になればえっかーぐらいの話ってことで。
ほな。

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