相棒が隣にいてくれるからなんか行ける気がする 〜ドラマ「あぶない刑事」〜
今回は、ドラマ「あぶない刑事」第20話『奪還』より、物事を1人で背負いかみがちなタカとそうはさせないユージのやりとりが見られるワンシーンについて語ります。
シーンの説明
○ 九州のヤクザと横浜のヤクザ "銀星会" 間で麻薬の取引があり
○ 九州のヤクザは麻薬を渡し
○ 銀星会は金を渡す約束だった
○ 九州のヤクザは麻薬を横浜へ運搬(トラック)
○ 運搬の途中、"謎の人物" が麻薬を横取りして逃走
○ 銀星会は、 "謎の人物"は以前組織と関わりのあった "尾崎" という男であると推測
○ 尾崎は現在行方不明なので
○ 尾崎の娘 "エリカ"(高校生)を人質にし、尾崎を誘き寄せることを計画する銀星会
○ タカとユージ目標は
○ ①エリカの保護
○ ②麻薬の押収
○ ③銀星会逮捕
○ 2人はまずはエリカがいる場所へ向かう
○ 銀星会より先にエリカを確保するために
その車中(レパード)での2人の会話です。
該当シーン
【レパードの車中】
ラジオから流れる洋楽が爆音でかかっているので、タカもユージも音楽に乗って怒鳴りながら会話してるのが好きです。あ? 聞こえねぇって〜な感じ。
ユージはご機嫌にハンドルをさばいてます。
助手席ではタカが何やらひとりで考え事ごと。
ちなみにタカは助手席にいる時、だいたい窓枠に左の肘を乗っけてて、だらっとした感じでシートにおさまってるんですけど、それがすごくサマになっててかっこいいっていつも思います。
それにしても、「タカは運転をしない」設定は本当に神だな。
【タカの思惑】
タカは、この事件は自分だけで担当しようと思ってます。
もしくは、ユージが「俺はやらない」と言うなら、ユージの意思を尊重するつもりでいる。
理由は、ひとつはタカが「銀星会担当だから」、もうひとつは「相棒の身を案じてるから」。
〈銀星会担当だから〉
タカは銀星会壊滅が刑事としての目標です。ある意味では生きがい、もはや推しというくらい、銀星会には並々ならぬ思いがあります。だから銀星会が相手なら自分だけがガッツリ向き合いたいわけなのです。
〈相棒の身を案じて〉
銀星会はタカが大嫌い。いなくなってほしい。これまでだって何かと接触してきて、隙あらば組長逮捕からの組織壊滅を狙ってくる。なので、彼らにとってタカは最も煙たい刑事です。恨んでます。
そんなタカとの確執ありまくりの銀星会は、ことタカが相手だとものすごく本気を出してきます。現場はかなり物騒になる。どさくさに紛れて、タカを亡き者にしようという下心がありありです。
そんな危険な場所に相棒を道連れにするなんてできないよな、とタカは思っています。
【ユージの思惑】
「俺ひとりでやったっていいんだぜ」と、さりげなくお前は降りていいんだぞと言ってくるタカですが、真面目に取り合わないユージにうふふとなりますね、ここは。
多分ユージ、タカがこう言ってくることを予想していたんだろうなぁと思います。
長い間相棒やってるので、お互いの性格なんてとっくに把握してる2人です。
ユージは、もちろんタカが「ひとりで背負い込みがち」なのを百も承知だろうし、きっと今までも何度もこういうやりとりをやってきたんだろうなと。
タカがなんと言おうと、どんな時でも、「俺はタカと一緒にいく」スタンスのユージがかっこいいです。
【笑うタカ】
ユージがタカの性格を知り尽くしているのと同じように、タカもまたユージのことを知り尽くしているわけで。
何を言っても「お前といく」と軽いノリで答えるユージの頑固さに、ふふって笑ってしまうタカ。ダンディをつかまえて申し訳ないけど、タカが可愛い。
お前には負けるよという気持ちと、一緒に来てくれるって言ってくれて嬉しいという気持ちが入り混じってのタカの「ふふ」はこちらがにっこりします。
あと、ユージがタカの相棒でよかった、とも。
頼りになる人より、頼ってもいい人がいる方がずっと心強いですからね。
バディな2人の何気ない会話のやり取りが好きです。2人の関係性を垣間見ることができるから。
こうしている間も、映画や現実世界、さまざまな場所や状況で、さまざまなバディたちが2人で大事な話や普通の話、笑える話なんかをしているのだろうなぁとちょっと思いを馳せてみます。