
心療内科医が教える本当の休み方(鈴木裕介 著)
読む目的
心身を本当に休められる休み方を学ぶ。
はじめに
その人の個性や、その時の心身の状態などによって、本当の意味で心や身体を癒せる休み方は異なる。
PART1 疲れたけれど休めない人へ
休養とは、疲労を回復し、健康を取り戻すという目的のために、一定の時間を使って行われる行為。
人が上手く休むための3つのプロセス。
休みが必要な状態だと自覚すること。
休むことができる環境を確保すること。
自分の状態にとって適切な休養活動を選択すること。
私たちが上手に休めない理由は、ストレスに気付きにくいため。
日常的に起こる様々な身体の病状が「精神的ダメージのサイン」であると気付くことが大切。
ポジティブな変化であっても体調を崩す理由となる。変化とはすべからくストレスである。
日常の些細なストレスは一つ一つのダメージが小さく、自分でも気付かないうちに蓄積してしまう。
人は、あらゆる他者のニーズから一定の距離を置いてはじめて、自分のニーズに関心を向けられる。
自分のニーズを満たすことに時間やエネルギーを使って初めて、本当の意味で心身を休め、疲れや心の傷を癒すことができる。
本当の休みを取るとは、自らの身体のニーズを把握し、それに応えることで自分自身との繋がりを取り戻し、心身が安全・安心を感じられる状態にすること。
PART2 あなたの心と身体を癒すカギは「自然なゆらぎ」と「自律神経」にある
自然で健全なものには、ゆらぎがある。
ストレス環境下で合わないことをずっとやり続けて我慢できるのは、生理学的にはせいぜい3カ月くらい。
ストレスがかかっているのに、体が上手く抵抗しているうちはストレス反応を自覚できない。
自分に合った本当の休みを取り、自律神経のバランスを良好に保つことで、適度なストレス状態を保てる。
自律神経のモードは3段階に分かれているといわれる。
交感神経優位な状態:炎のモード。アッパー系。怒りやパニック。
腹側迷走神経(副交感神経)優位な状態:リラックスモード。
背側迷走神経(副交感神経)優位な状態:氷のモード。ダウナー系。フリーズ状態。
炎か氷、どちらかのモードに行ったきり戻ってこれないことが問題。
腹側迷走神経優位な状態に心身を導くことが、本当の意味で回復につながる休み方。
PART3 人は「安全」と「安心」を感じると、癒やされ、回復していく
背側迷走神経の大きな機能は「不動化」「凍り付き」で、感情を感じにくくなったり、注意力が低下したり、気力が失われたりする。
腹側迷走神経はコミュニケーションのための神経系で、根本的な役目は安心であるという感覚を作ること。
同じストレスを受けても、炎のモードに入りやすい人と氷のモードに入りやすい人がいる。また、同じ人でも体調や状況によってどちらのモードに入るか変わってくる。
心身を本当に休ませるためのチェックポイント。
ストレスを受けた時、自分が炎のモード・氷のモードのどちらに入りやすいか?
自分の心身が、今どのモードにあるか?
思うように動けないのは、自律神経の調整不全によって背側迷走神経系が優位(氷のモード)になっている可能性がある。
氷のモードは、危機をやり過ごして自らの身を守り、エネルギーを節約し、回復に向かうために必要なプロセス。決して悪いことではない。
氷のモードに入りかけている時には、体が求めていることに身を委ねるようにする。
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