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【上から目線の和暦と西暦】

明治、大正、昭和、平成、令和
いわずと知れた日本の元号である。

明治以前は慶応、元治、文久、万延、安政、嘉永、弘化、天保、文政、文化と遡ることができる。

今年は令和5年である。
この元号と当該年の数字の組み合わせを和暦という。

いっぽう今年は2023年でもある。
これを西暦という。

どちらも通常は同じ年をあらわしている。

和暦は日本国内のみで使用されている。

こうした国独自の年表記は古くは隣国である中国や、東南アジアでも使用されていたらしい。

西暦はごく簡単に言えばイエス・キリストの誕生した年を基準にしているという。

いずれもみんな大好きWikipediaからの知見である。

では、なぜ私が和暦と西暦をここで取り上げたかというと、日本人って何だかんだ言いながら和暦が好きなんだなぁと感じたからである。

私はぼっちである。

なのでいくらでも動画を視聴する時間がある。羨まないでほしい。することがないからである。

そこで最近目につくのが和暦をつかったコマーシャルである。InstagramでもYouTubeでも TikTokでもほぼ同じ作りをしていると感じている。

そこでは、例えば昭和ロマンや平成レトロという言葉で当該時期を持ち上げてみたと思ったら、反対に昭和的で古いとか、もう平成じゃないし、など昭和や平成を貶めて今は令和の時代です、などと、和暦の「差別化」が行われている。

もちろんいずれもクリエイター自身は他者とは違いますよと自分の立場を明確にしたうえで自身の方法論や良いと思う商品を声高に喧伝している。

これらは私にとってはすべてコマーシャルである。

いっぽう企業では西暦表記に統一した方が良いといった動きがあったと記憶している。むかし勤めていた会社も社内文書は西暦に統一しますとお触れがでていた。

たしかに西暦と和暦が混在している社内文書は整理の際に間違いが起きる可能性が高いのだろう。実際、前の会社ではかなり間違われておりかつ混在していた。また、西暦表記なら、例えばこの通知は何年前のだろうかといった計算もしやすいといったこともあるのだろう。

だが、和暦みたいに今は昭和のような古い時代ではなく今は令和です、といった「差別化」は聞いたことがない。むしろあまり意味がないように思われる。単なる4桁からなる数字をもってしては「差別化」にはならない。明確に出来るのは1940年代や2010年代といった機械的な区分け、区分である。

こういうわけで私は日本人ってひと昔まえに西暦じゃないとグローバル化の波に乗り遅れるなんて言っていたのに、今じゃ、今は令和ですなんて和暦を基準に時代感を醸し出して人びとは同じ様なコマーシャルを大量生産しているんだなぁ、それにつられて人びとは「いいね」をしてるんだなぁ、戦後の日本って本当に3Sで骨抜きにされたんだなぁ、でも何だかんだ言って日本人って和暦が好きなんだなぁ、と俯瞰しているのであった。


…っていうお話。

🍙余談。冒頭で明治以前の元号を文政、文化まで載せたのには理由があります。地域にもよりますが古い除籍謄本には古くて天保生まれ(天保世代)や文政生まれの先祖が載っている場合があります。それこそ令和の現代ではいらぬ知見かも知れません。ただ、日本が世界に誇れる部分でもあります。否が応でも私たち令和に生きる人すべて過去の親と繫っています。世界の人も動植物もまったく同じです。私はそう思います。


[投稿にあたりfeaturecompassさんのイラストを使用させていただきました。ありがとうございます。]

20231122





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