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【相談】具体例あり!実践的なラブストーリーの書き方を教えて!

ごきげんよう!
今回は「キャラ性と恋愛がうまくかみ合わない・つかめない」お悩みから「好きになるきっかけ」「イチャラブに向けたプロットづくり」について語りました。

この2要素をしっかりおさえておくと、かなり!いい感じに困らず恋愛ものが書けますヨ❣

どう回答しようか悩んだので、いつもおnote運営を手伝ってくれるお友達にも「あなたならどうする?」と訊き、参考にしたお記事です。


■好きになったきっかけがつかめません

ごきげんよう。わたくしは一次創作小説書きなのですけれど、BL・GL小説の描き方に悩んでいます。
ノンケ×非ノンケ・攻め視点・攻めからの告白の流れが好きなせいで「なんで惚れたのか」が書けずに手が止まってしまいますの。大体攻めには異性の恋人がいたことがあり、そんな子が同性を好きになって今までのようにサラッと恋心を受け入れると思えません。身近な人に「うんうん、それって恋だね〜いいじゃん」と言わせれば済む話ではあるのですが、その場面に持っていくまでの心境の変化なんてないのでは?と冷静になってしまいます。心がときめきながらも不自然にならない、違和感のない場面作りはどうしたらよいのでしょう.......

※他にも複数「好きになったきっかけが書けない」おたよりをいただきました

ノンケ×非ノンケ!
今まで恋愛対象じゃなかったけど、でも好き!告白! それってキュンキュンですワ~~!!♡

広い話題ですので、今回は性的指向に限らず、「好きになったきっかけ」について考えてみますネ!

◎リアル好感は、何気ないきっかけ+地味な積み重ね

迷ったらおリアルに助けを求めましょう。実際の「好きになったきっかけ」体験談を集めてみるのがいいと思います!

こちらはニアミスですがハチャメチャに参考になりますネ!
ざっと、ランダムに取らせていただくだけでも……

・ちゃん付け
・ワードセンスがいい/かわいい
・胸が当たる
・「○○さん肌綺麗だよね」
・見ず知らずなのに絆創膏を買って渡してくれた
・いいにおい
・コーヒーが苦くて飲めない

など。

あとは、「夢に出てきた」「笑顔がかわいい」とか。
基本は、「自分のために何かしてくれた」OR「魅力的な姿、言動」。

……そう!好きになるきっかけについては、劇的なことって、別におこらなくてもいいんです!
まずはきっかけとして「気になる」「印象的」という恋の種があって、そこから長い時間をかけて接することで、種から芽吹いて花になる感じ。

お友達とも話したけど、「地味だけど、リアルは日々の(時間・好感の)積み重ねだよね」って。

◎ハリウッド式デーハー好感は、生命の危機をサバイブ

逆に、派手派手にするならハリウッド映画的に「極限状況を一緒にサバイブさせる」ですね。
町が滅んでゾンビが闊歩する世界を、共にサバイブしたら恋に落ちて……当たり前。(フィクションの中では)

とにかく、二人で強く信頼しあわないと生き残れない、命の危機に放りこむのです!!
雪山を身を寄せ合ってサバイブ!燃え盛る洋館から相手の手を引っ張って連れ出してサバイブ!敵に囲まれた状態で相手をかばってサバイブ!タイマー迫る爆弾をなんとかしてサバイブ!

コレがいちばん強いと思っているハリウッド脳なわたくしですが、でもそうそう命に危機に迫られない世界観はありますよね。現代日本の平和な町とか。というわけで……

◎いつでもどこでも使える!「救われ」トリガー好感

もうひとおTips!
平和な世界観であっても、「救われた」はかなり効きます。

救われ例
・学校でハブられて辛かったとき、隣町の子が公園で一緒に遊んでくれた。
・消しゴムがなくて困ってたら、自分のを割って渡してくれた。
・大事なチケットをなくして困ってたら、一緒に2時間探してくれた。
・〇〇がコンプレックスだったけど、「かっこいいじゃん」と言ってもらえた。
・恋人のDVに悩んでたら「別れろ」と言って、その後色々かばってくれた

ハリウッド式サバイブ恋愛とは違い、これは、助けた方は覚えてないくらいのささやかなことでもいいです。救われた側が好きになるパターンですネ。

覚えてるくらいの出来事なら、助けた側が気になっちゃうのもアリアリです。

科学事典さまより。
参考書籍は結構軟派な感じですが……

救われトリガーとして、たとえばオモコロお嬢様から例をお借りして、「絆創膏を買ってもらった」場合。

もうちょっとで危うく恋するところだった話集より

練習として、これで救われトリガーのプロットを勝手に作ってみましょう。

【救われトリガーのラブストーリーのプロット練習
・主人公は「誰からも大事にされてない」と思っている
・その証拠に、家族や友達からも軽視されているような言動を見せる→大学で指を怪我するも心配されない。「ですよね、慣れてるし。はは……。大学って保健室あったっけ?」
・バイト中、傷が割れて出血してしまう。どうしよう……!
・見ず知らずのサラリーマンが、ティッシュと絆創膏をその場で買って渡してくれる
・思わぬ優しさがしみて涙。救われる。不意に生きてていいんだって思う
・それからサラリーマンが気になってしまう。(あっ今日も来てくれた。何の仕事だろう?)(いつも一人分のお弁当買ってくから、一人暮らしなんだろうな)(いつも唐揚げ買ってくな。野菜も食べてほしい)
・もらった絆創膏の箱をお守りにする主人公
・ある日、傘を忘れていったリーマンを追いかける主人公(退勤直後)
・「あのっ!傘忘れてます!」「ああ、君はファミマの……!」
・そんなとき、二人は一緒にトラックに轢かれてしまう!転生ですワ~~~!!!!絆創膏がなんか傷を治す万能アイテムになってチートチート!!!!

……実在の方で勝手に妄想の羽を広げるの、まずかったらごめんなさい!トラックで轢いてごめんなさい!

最後は、なんかアクセルを踏める衝撃展開だったらなんでもいいです。女性向けで今ありそうなのは、う~ん……「推しの配信者だった」とか?

このびっくらポンでどう驚かせるかでジャンルが変わりますね。

・憧れのアイドルや配信者、もしくはイカレストーカーだった
・お隣さん/趣味の合う人/幼馴染だった
・妖怪/霊/忍者/特殊部隊に襲われる
・人が死んでて犯人を探す
・スポーツ/サークルのメンバーになるようお願いされる
・仮面ラ〇ダーだった

よくある恋愛ものは平和な世界観が多いので、書きやすいおすすめはこの「救われ」トリガー!

相談お嬢様のノンケ×非ノンケも、「何気ない言動で救われた」ができそうですネ。
……なんか妄想しちゃった。

たとえばノンケ攻めがこういうコンプレックスを持ってたとします。
「親にお前は跡継ぎなんだって言われ続けて、実家の病院継がなきゃって思って育ったんだけど、でも俺やっぱギターがやりたくて……。勉強できる弟に全部押し付けて、逃げてきたんだ。自分ばっか好きなことやってさ、最悪だよ」
「でもさ、それが攻めの生まれたまんまの姿なわけだろ。ならいいじゃん。医者やってる自分とギター弾いてる自分、自然に息ができるのがどっちかって話。自分を殺しながら立派なことしても、苦しいだけだぜ」
「そりゃギターの方が好きだよ。でも弟はさ……俺のこと恨んでるかも」
「そんなん本人に訊いてみないと分かんねーだろ!? ほらスマホ出せ! 今訊くんだよ! はい電話!」
「おい待って待って、バカ、勝手に……!」
→弟は恨んでなかったと分かり、攻めは受けに感謝する。大好きなギターにもっと打ち込めるようになる

ちなみにコレ、「自分を殺しながら……」がすらすら出てくる非ノンケ受けも、なにか悩んだ過去がありそうですね。

ハリウッド式デーハー好感は、「命をかけて守る」献身や「爆発により崩落する建物の中、ヘリに飛び込んで脱出」みたいな派手さがいるので、書ける状況はかなり限られます。
それくらいやって、「誰かの特別」になるやり方です。

その点「救われ」トリガーは、たとえ言ったことを覚えていない何気ない一言であっても、「あのときあの場所であのタイミングで、この人じゃないとできなかった言動」によって、「特別な人」になれるのでおすすめです!

「君じゃなきゃダメなんだ」が恋愛物語のサビなので!
――それがどうしてなのかを双方証明していくのがラブストーリー。
byお友達

◎ひとめぼれやエチエチ欲は?

※「売りたい」方向けの話です。ご趣味は好きなものを書いてくださいネ!

運命的な一目惚れならOK!
ただ、「見た目だけ」とか性欲・下心はちょっと扱いが難しいですネ。

というのも、女性向けでは「誰でもよかった、体目当て」の恋≒見境のない性欲のようにマイナスに受け取られるおそれがあります。

たとえばTL・乙女方面だと、人気があるのは、やはり熱烈に「君じゃなきゃダメなんだ」を叫べる方なので……!むしろそれが強すぎて「執着」「溺愛」までいくのが、トレンドのようです。

もちろん「相手の好きなところは?」と訊かれて「顔」と即答するカプに萌え萌えする方も多いし、いちがいには言えませんが!

あとは「セフレだったけど後から好きになる」パターンも人気があるし、なんでしょう……。最初は性欲→後から「特別」なら強いですネ!

要は最終的に「特別」があればいい感じかしらん?
誰でもいい→浮気するのって……市場では基本見ないカモ……。

もちろん、「市場では少ない」だけで、こういう要素が好き!ならごめんなさいね。誰かの好きを貶すつもりはありません。

ちなみに男性向けのえちえち話は、傾向違くて面白いです!
特に官能小説は、ヒロインの見た目がどれほど美しいか性的に魅力的か、なが~い尺を割いて記述してあるんですよネ。
「彼女は俺が落としたハンカチを拾ってくれて……」とかまず見ないです。

もちろん、幼馴染とかラブラブ夫婦はまた毛色が違いますけども。
目指すジャンルによって「好き」の書き方って全然違うので、何か目的があるならいろいろ読んで傾向を探ってみてくださいネ!

◎「好きになったきっかけの謎」で話が作れる

ちなみにわたくしならどうするかだと、「どうして好きになったの?」で一作書いちゃいます。

「俺のどこが好きでつきあってんの?」
「え、え~……照れるなあ」
「十秒以内に言え。じゅう、きゅう……」

カワイ~~~!!萌え!萌え!キュン!
あたし その一言だけで 一晩でSS寺建てられちゃうよ…

お友達の意見が面白かったので、そのまま書きますネ!

告白OR「なんで好きになったの?」というシチュをつくる。

たとえばこの二人
・遊び人受けの奔放さが気になる攻め
・遊んでて危ない目に合う受け(ナンパした子の彼氏に殴られた)

受けの頬の痣を見て怒り、夜の街で遊ぶのはやめろと叱る攻め。
受け「なんでうざいこと言うの。今までずっと、ナンパの話とか笑って聞いてたのに」
攻め「お前が心配だからだよ!!」(あ、俺受けのことが好きなんだ……)

気持ちには
①「好きになる」
②「それを自覚する」
の2段階があり、②好きを自覚した瞬間のほうが書きやすい

た、たしかに~~~~!!!!
じわじわ水面下の積み重ねで好きになっていった場合、コップの水があふれるように「好きを自覚した瞬間」を書くのが可能ですネ!

というわけで、好きになるきっかけの書き方としては3パターン!

①地味リアル積み重ね
(きっかけの種→時間をかけて芽吹く→ある日好きを自覚)
②デーハー命がけサバイブで特別になる
③「救い救われ」トリガーで特別になる

◎「好き」を認めがたい場合は

相談お嬢様のいうように、「今までの性的趣向とは異なる相手」や、たとえば「社会的に恋するのを許されない相手(身分差・年齢差)」は……燃えますネ!

そう、葛藤があるからこそ燃え上がる恋!
悩んでらっしゃるところすみません。物語としてたいへんおいしゅうございますワ……ッ!!

定期購読マガジン②の「性格タイプに合った行動トリガー」で書きましたが……合理的なビジネスマンタイプの方~!ココ商機ですよ~~!!

二人の間に障害がある。「それでも好きだ!!」 なんて、ナンボあってもえですからネ。萌え萌えキュンキュン。

これもまた、ためらう100の理由をひょいと飛び越えるほどの「唯一無二で特別な相手」だからこそ、「それでも好き」になれるのではないでしょうか。
なので、②③が書きやすいけど①だって、小さな種をきっかけにして、共に時間を過ごすうちにどんどん「特別」になっていくわけだから、問題ナッシング。

①②③どれでもいい感じに書けるので、ぜひ書きたい方向のラブストーリーを書いてみてくださいネ!

■そのキャラのままイチャラブあまあまを書くには

平素よりお世話になっております。
主に小説(二次創作)を書いている者です。
同人誌の作り方から小説の書き方まで、幅広い&濃い&有益な記事を公開してくださりありがとうございます。内容はもちろん語り口も素敵な記事が多く、非常に楽しく拝読しております。

以下、質問と経緯です。このオジョ箱にて質問すべきではない/受け付けていない/趣旨に合わない等々、ご返信しかねる内容でございましたら、以下のメッセージは破棄していただきたく存じます。

======
質問:全年齢向けの恋愛モノの小説(二次創作)で、キャラクターの大幅な破綻を防ぎつつ、イチャイチャラブラブ甘々なお話を書く方法やコツはございますか。もしも心掛けているあるいは既にご存知の方法があれば是非ご教示いただきたく存じます。
経緯:
・恋愛モノの小説(二次創作)を書くと、どうしても糖度が低めになってしまいます。全年齢向けで描写可能な範囲で、もっと甘々な話を書きたいと考えています。
・大前提として、R-18を書きたくない/R-18を貶めたい/R-18を嫌悪している等々の、R-18に対するマイナスな感情は一切ございません。私個人が、甘々なお話(全年齢向け)を書くのが苦手というだけです。
・私個人の小説の書き方は、おおまかに述べると「キャラクターについて深掘りする→このキャラならこうするかも?というネタをいくつか考える→執筆」という流れです。この方法ならキャラクターの発言・行動を原作準拠でシミュレートできるため、ある一定の範囲までなら書きやすいと感じています(二次創作は捏造かつ個人の幻覚なのにキャラの破綻とかいまさら?と問われたら返す言葉もございませんが……)。
・上記の方法のデメリットは、ある一定の範囲を超えた発言・行動を書こうとすると、執筆中にキャラの在り方に迷いが生じ、結果として糖度が控えめになることです。(例:原作にはないカップリングの恋愛描写を書こうとすると悩む、など)
======

長々と失礼いたしました。
まだまだ寒い日が続きますが、どうぞご自愛くださいませ。

とても嬉しい感想までありがとうございます!
ご配慮まで、しごできお嬢様の気配を感じますワ……!

な、なるほど~~!!!!共感を多く集めそうなお悩みですネ!
わかるわかるわかります!!やり過ぎたらキャラ崩壊になるのわかります!!!!お二次のお嬢様は、みんなその敵と戦っています!!!!そもそも原作で書かれていないシチュなことが99割ですものネ!

この、エビデンスを積み上げていくボトムアップ型キャラ解釈のお嬢様の作品はきっと、「ありそう」度が高くて魅力的だと思います。

これはネ~~……正直、これがいちばん気持ちいいなら、このままでいいと思いますヨ。
「曲げられない」方が無理やり「曲げる」方にいってもお辛いので。
今のままできっと十分魅力的です!興味が薄いのであれば、無理する必要はまったくありません!

特にわたくし、後述するゴリゴリのトップダウンから発想するタイプで、むしろ「しなさそうなことをどうやってさせるか」の証明パズルを楽しんでいた真逆人間なので……!
別の、できれば同じタイプの方にも聞いてみてくださいネ。ぜひぜひ!

他の人に訊いたら他の答えが返ってくるだろうけど、わたくしたちの主観では、基本「曲げる覚悟」と捉えております。
(公式範囲・公式カプでない)二次創作は……「曲げ」!!だって色眼鏡かけてるから!!どうあがいてもレンズに色ついてるから!!
そのレンズの屈折率が同じ相手同士なら見れるし、違えば見れない。

はじめは相談の主題からは脇道にそれつつ、「曲げ方」について語っていきますネ。
※R18か全年齢かはあんまり関係ないと思うので、そこには触れません。

◎ギャグ漫画脳だと誇張はアリアリ

わたくし4コマ漫画を描いていた期間もあるので、結構4コマ・コメディ脳なんですよネ。
ボトムアップ型で、キャパシティを広げたい二次作家さんにおすすめなのは、公式4コマスピンオフでしょうか?

これも公式です。公式なのに、おそろしいほどの「崩し」「曲げ」があったりします。でも大好き!

ハイキュー部、ほんと~に面白くて!実力のある方がずっと連載してらっしゃいますヨ!

「工業高校だから人間そっくりのアンドロイドを作って練習する」みたいに、現代日本の原作ではありえない、当たり前にリアリティラインの壁を越えていくネタがあって……!
もちろん常にキャラ崩壊の危機とは戦ってらっしゃるでしょうが、公式です。

元のキャラクター性が「強い」と、少々の崩しもへっちゃらなことが多いです。
スピンオフや二次でよくあるのが、方向性を保ったままの誇張ですね。
(もちろん一次でもあります。時間と共にデフォルメが強くなるとか)

【誇張の例】
・5人相手に勝利したキャラ→50人をボコボコにしてもぴんぴんしてる
・がめついキャラ→お金のためなら結構なんでもする
・お化けが苦手なキャラ→お化けが嫌すぎて霊能者に500万はらう
・実家が金持ちキャラ→実家の広さが東京ドーム
・お兄ちゃんが好きな妹→ブラコン

もちろん「誇張は……嫌だ!」という方もいらっしゃるでしょうが、コメディ時空や4コマだと結構許されます。お笑いって誇張が何割なので。

また基本シリアスな小説でも、いきなり笑える誇張をぶち込むことで、「あそこでは笑うのに結末では泣いちゃって……」という評価が得られます。
もちろん一長一短の使いようですが、ずっと同じ味より、一作で複数の味がしたり緩急があったりした方が、わたくし個人としては好みです。

恋愛方面に誇張を活かすなら、「うっかり者→恋煩いで1日50回ミスをする」とか「頭がいい→デートプランを徹夜で100通り考える」とかでくすりとした笑いを狙えますネ!

◎恋愛のギャップは萌え萌えキュン

恋愛はそもそも「異常事態」であり、「いつもと違う」ことになるのもまた楽しさ。
ギャップもまたポピュラーな萌えですヨ!

「なのに」のギャップで作る萌え
・飄々としてる遊び人キャラなのに、本命相手には焦ってかっこ悪くなる
・クールキャラなのに、ラインの返信を気にして1分おきにスマホ見ちゃう
・おしゃべりなのに、緊張して黙り込んじゃう

ここで、本人に「自分らしくない」と言わせるのもポイントですネ!

作者としても、「”通常このキャラは当然こうするのだ”とは思ってないんですよ、恋愛というステータス異常による、普段とは異なる行動なんですよ」という読者への目配せにもなります。

これは、原作にエビデンスがあったら言うことなし。なかったら、「そういうこともあるかも」と思わせたら勝ちです!
キャラにもよりますが、人間にポピュラーな事象はたいてい起こしてOKです。

・顔が赤くなる、心拍数、呼吸が多くなる
・落ち着かなくなる、声が大きく/小さくなる、おしゃべりに/無口になる
・目を合わせられなくなる/たくさん見ちゃう
・少しのことにも過剰反応する/逆に固まる
・積極的になる/消極的になる/避ける/あたりが強くなる
・ため息をつく/上の空になる/いつでも目で探す

ここらへんはええでしょう!誰も文句言わないでしょう!

逆に、極端な行動になると、当然キャラ性との相性は出てきますネ。
すべては匙加減と、書き手と読み手の相性でもあります。
尖っている自覚がある場合、感受性の相性がいい方に向けてのみ書く、というのも一つの手です。

"恋愛を書くというのは、お互いが大好きでおかしくなっちゃった二人が、「こうなるかもしれませんよね」という仮説の提示に過ぎない"

お友達より

◎延長線をちょうどよく曲げていいとこどりしよう

「原作の方向そのままの延長」は、「原作の続きを勝手に書く」状態ですよね。
おホームズなら、オリジナル事件を起こす方向。たとえばおバスケなら、オリジナル試合をやる方向。当然原作にない恋愛もありません。

非公式CPなら当然、「原作の延長線の延長」とは異なる角度になるけど、基本的に違いは「CP方面に行く」ということだけ。これが「キャラらしさ」の積み上げで作る帰納法・ボトムアップ方式。

たとえば積み上げボトムアップだと、「綾波系クールキャラが泣きながらしがみつく」とかは基本ないでしょう。

それでもなお、「曲げる」「させる」と決めたならそれがゴールになります。
こちらは演繹法・トップダウン方式。目的地から逆算して原作の方に線を伸ばしていく方向。

程度によるけど、それぞれメリットデメリットが裏表の存在です。

・キャラ崩壊しにくいボトムアップは、それゆえに言動の許容範囲が狭い
・キャラ崩壊しやすいトップダウンは、それゆえにいろんな言動をさせられる

とくに、トップダウンの角度がエグすぎると、「ええっ!?そんなことするかなあ!?」という衝撃が先にきてしまうので、ちょっと難しいですネ。

どっちだ!?どっちを選べばいいんだ!?
…………そんなときは、いいとこどりしちゃいましょう!

最初はボトムアップ、だんだんとロジックの階段を1段ずつ上って、読者も気づかないうちにトップダウンの目的地まで運んじゃいましょ~~~~!!

「毎日1センチずつバス停を動かせばいつか自分の家の前に来る」というたとえがとても好きで……!基本コレをやっていきます。

まずは原作・元のキャラベースで初めて、ひとつひとつ、

・こういう原因を受けて、結果、このキャラの心境が変化します
・こういうことがあったので、このキャラはこの言動をします
・こういう成長をしたので、こんな行動までできるようになります

を証明していくのです!証明問題です!!途中に大胆過ぎる飛躍がなければ納得させられます。
……とはいえその「納得感」は個人の主観なので、全員を「納得」はほぼ不可能と思ってた方が、気はラクです。同じような思考・感受性の仲間に向けて書くのがいいですネ。
証明プロットの具体例はこの後出しますネ。

ちなみにわたくしが「長編完結ができるようになった」中級の頃に書いていたお話は、結構大きめに飛躍していました。
「この二人は半年戦いの中で過ごしたので、書いてないけど2章と3章の間に"ただの仲間"から"かけがえのない存在"になりましたよ~」みたいに。時間をすべての言い訳にするスタイル。

……多分公募とかじゃ厳しいのかな~とは思います。
ただ、たとえば「A×Bです」というラベルをつけて出すような場所だと、AとBがくっつくのは当然なので、そこに「え?なんで?」という野暮なツッコミは発生しません。
だから、ご趣味だったらあまり気にしてなくても大丈夫ですヨ!楽しさ優先で、本当に書きたいところまで最短距離でサクサク駆け抜けても、ガンガンスキップしても、誰も責めません。

ちなみに、前提条件を大胆に変える証明問題もありますネ。オメガバースとか。
この場合も、設定は違えどキャラ性は保つようにスタート→一段ずつ階段を上がって目的地を目指します。

◎定番イチャラブを目指すなら

さて、やっとイチャラブ駅までたどり着きました!

定番イチャラブってお約束でOKOK!ナンボあっても気持ちええですからネ!思考実験としても、一通り「お約束」をやらせてみてもいいんじゃないかと思います。

素直にあまあまにいかないなら、オススメは3通りですネ。

・無理やり状況だけセッティングして放り込む
・これが起きたら仕方ないよね
・結論だけ提示

・無理やり状況だけセッティングして放り込む

まずは形から!
「手をつなぐ」「遊園地デート」「パフェあ~ん」です!
…………させるのです!!

とはいえ、素直にやらない二人なんですよネ。なら無理やりでOKです!
「そうせざるを得ない」状況にしちゃいましょう。それだけでニヤニヤしながら読めるから!

罰ゲームや変装でカップルのフリ、というのがポピュラーですネ。
両者嫌がっててもいいからさせましょう!やらせたら案外発見があるかもしれません。そういうギャグで終わってもいいです。

R18で過激になると「セ部屋」にもなりますネ。

とにかく状況だけゴール優先トップダウン、でもキャラは嫌がってるから解釈積み上げボトムアップ……という、これもいいとこどりです。

1回やらせたらハードルが下がって、二人きりの時もふざけて「あーん♡」してくれるカモ!

・これが起きたら仕方ないよね【非日常には非日常】

たとえば、綾波系の無表情クールキャラに、「泣きながらしがみつく」をさせたい場合。
これはいきなり「泣け!」っていってもそうはならんですよネ。

さっきのいいとこどりグラフのように、一段ずつ証明の階段を上って、ゴールまでいきましょう。

・告白されて、特に断る理由も思いつかずに流されるようにつきあう
・カップルとして過ごす穏やかな日々。自我・情緒のよくわからないクール受けは、攻めに色々とつくしてもらう。デートの場所を決めて誘うのも、何食べようか提案するのも、いつも攻めから。それが当たり前だった。
・ある日攻めが事故にあったと連絡。駆け付ける。「家族じゃないと会わせられない」と言われて「家族です」と嘘を吐く。病室には、記憶喪失で足を怪我した攻めが!
・恋人と言い出せず、ルームシェアしているいとこだと嘘をついたまま世話をする。
・しばらく車いすの攻めに付き添いながら、色々不器用にやる受け。りんごを苦労して剥きながら、「これはいつも攻めがやってくれた」という発見ばかりする。
・気分転換に、前行ったデートコースに攻めを連れていく受け。ぼーっとしてても植物園の入場券などは得られず、やってもらったばかりだったと気付く。
・無邪気にいとこだと思い込んでる攻めに、また抱きしめてもらいたい受け。記憶がなくても大事な人だけど、それでも過去の攻めへの恋しさが募る。
・記憶喪失もののあるあるをこなしつつ不安も描きつつ、最後らへんで大きなイベントがあり、とうとう攻めが記憶を思い出す。
・ここで号泣しながらしがみつく受け。愛情も感謝も深まっており、何より嬉しい

……すいません!最後でイベント投げ出しちゃったんですけど、こんな感じ。

「情緒がない」から「ある」に至るまで、感情の階段を作りました。

告白されたから言われるがままに付き合った
→幸せな日々で無自覚の恋愛感情が育つ
→記憶喪失で、たっぷり受け取っていた愛の供給が途絶える
→失ってから愛の大きさが分かる、求める、恋しい
→最後に愛を取り戻し号泣

記憶喪失ってあるある王道なだけ、感情を揺さぶれる強力なカードなんですよネ。疑似的な喪失。

ただやっぱり!こうでもしないとわんわん泣いてくれないので!

綾波系クールキャラにとっての日常は、無表情の無感動。非日常である「泣きながらしがみつく」をやるには、どうあがいたって、非常事態にぶち込むしかないのです。
平穏な日常の延長線上にはないゴールを目指すなら、非日常に「状況を曲げる」ということも必要ですネ。

この後は、記憶を取り戻した攻めがあま~~~~~く甘やかしてあげる、大いちゃいちゃができます!!クゥ~~♡

というわけで、大甘々いちゃいちゃは、その前に悲劇・障害があれば「正当なご褒美」となります。

「別れ(かけ)る」「生命の危機」「記憶喪失」「交際できない理由」などがあるあるでしょうか。
ストレスやドキドキハラハラを先払いした分、その先の報酬である大いちゃいちゃを求める読者の気持ちって、スゴイので!
感情を揺さぶるラブストーリーには「リカバリできる悲劇・障害」を挟むのがオススメです!

・結論だけ提示

最後はコレ!
ご趣味なら…………結論だけでOK牧場!!

実はこのグラフの、最後だけ見せてもいいんです。ご趣味なら!

ご趣味は特に見たい幻覚を見るものですからね。
書きたいものを書く!結構じゃあないですか。

「ベタ甘を書くなら、それに至るまでの長編を書かねばならない」とはわたくし全然思いません。
もし自分の中の納得を重視するなら、さっきの綾波大号泣階段みたいに、脳内でそれに至る流れが説明ができていればOKOKです!

もしくは、「まず結論を書く」で手を動かすと、それに向かっていく途中式が、後から生まれるかもしれません。
理由なんか後付けでもええんです!
書きたいが先!そのほかは後!

……誇張から始まるこの章のトピックは特に意見が別れるところでしょうけれど、ご趣味なら唯一解なんてないので、都度迷って考えて、自分が気持ちいい・楽しい方向を選んでくださいネ!
自分のタイプや好みにあったやり方が必ずあるので……!

ふう……。いただいた相談に沿って、ラブストーリーの書き方語ってみました。10年くらい熱心に取り組んできたことなので、言語化するのが楽しかったです。
あくまでわたくしたちの方法ですが、参考になればハピハピです!

楽しく創作活動ができるように、応援していますワ~~!!

おCM
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稼働したての今はおnoteや創作活動について、「コンスタントに月何万字執筆、元気に書き続けるための戦略として、日々何をしているか」を語っています♡

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このお記事はLOVE要素だけまとめてあります。
さらに「こういうイベントが起きる」というオジョ式プロットづくりについては以下の過去記事と組み合わせてくださいネ!

短編プロットの作り方

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