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【サンプル】地の文講座Q&Aを15000字公開

地の文の書き方……全部教えます!

約10万字の実践的地の文テクニック講座、完成しました!
年末年始期間に限り、追加質問を読後アンケートで受付中です!

本編はこちら

■採用質問&サンプル

地の文講座の執筆にあたり、事前におツイッターなどで「地の文についての質問・お悩み」を募集していました。ご協力ありがとうございました!
おかげさまで実用性のある講座ができました!

似ている内容は統合するなどして、ほぼほぼ採用できたかと思いますが、一応「質問の回答を期待して購読したら、非採用だった」というガッカリを防ぐために、質問一覧を掲載しますネ!

【サンプル公開】がついている4つは、質問だけでなく回答も一緒に載せています。


※言葉に正誤はなく、「違和感が弱い」か「違和感が強い」か、「公募で足切りされるかどうか」など、そういう視点の判断基準になっています。
あくまでも「わたくし個人の主観・好み」に染まった内容なので、アレ?と思ったらご自分でも調べてみたりセカンドオピニオンをゲットしたりしてくださいネ!

◎隣の比喩は青い

Q.私は読みやすさ第一を心がけているのですが、尊敬してる作家お嬢様はきらびやかな地の文を書かれますわ。漢字と比喩が多く、読んでいる間はまるで都会の夜景を満喫しているかのよう……。
しかし、読みづらい。さらっと読めないのです。ですので、読むのにそれなりの覚悟と時間を要します。
評価の多い文章は、作家お嬢様のような文章の傾向があるようにも感じられます。
その作家お嬢様のような比喩たっぷり、漢字たっぷりの文章を書きたいと思っている一方で、今のあっさりとした読みやすい文章(他人にも褒められました)でありたい気持ちもある……そんな悩みですわ。

◎行動説明より情緒的な文を書きたい

Q.地の文の悩みについてなのですが、どうしても「○○が~~した」のような人物の行動説明に終始してしまいがちなのをなんとかしたいです。もっと情緒的な文を書きたいのに…!(傾向として登場人物が多くなれば多くなるほどそういう風になりがちです)

◎一人称冷静やろがい問題

Q.わたくしはエチエチの最中の視点にいつも困っております。
一人称で書くと、「こんなに状況説明ができる時点でまだまだ冷静なのではないかしら」と思ってしまいますし、かと言って三人称一元視点だと、なんだか没入感が薄れてしまう気がして……

◎視点人物の知らないこと問題【サンプル公開】

Q.三人称一元視点で話を書いていたのですが、これは「カメラが潜り込んだ人物が見聞きしていないことは描写できない」という認識でよいのかしら…? それとも神視点としてなら描写可能なのでしょうか? 前提として「ひとつの章につきカメラが潜り込むのは一人だけ」ルールを採用しておりますの。 (地の文の主観度しだい、という気もいたしますが…)

オジョフォーラムより

【原則】
>「カメラが潜り込んだ人物が見聞きしていないことは描写できない」
三人称限定(一元)視点の書き方としては、おおむねそうですネ!
これを守ると初心者でも迷うことなく安心安全に書けるし、サスペンス的にも物語が面白くなるので、よく推奨されています。

一般的には「別室や別の国のこと、視点人物が知りようがないことを書くのはナシ」ですネ❣ ここまでは一人称と同じルール。

ただ三人称は、もうちょっとカメラマンが自由に動けます。
よくある書き方として、「カメラがその場で引いて、視点人物の背中や周辺を写す(客観/全知に寄る)のはアリ」。ごんぎつねなど、色々な小説で「カメラが数メートル引く」描写は散見されます。(【特級】で後述)
これは同じシーンでもOK度が高い。

また、「キャラが知らない(かもしれない)一般的な知識も書ける」ことがあります。
川端康成の「雪国」では「あんた二月の十四日はどうしたの」と言われたシーンで「二月の十四日には鳥追い祭りがある。雪国らしい年中行事で……」と祭りの説明がさしこまれます。
主人公たちが新しい街に来たとき、街の特徴がさらっと地の文で書かれる描写も結構見ますよネ。
これは……違和感が出るどうかは書き方次第カナ。
極めて一人称に近い主観寄りの書き方だったら違和感が出るけど、客観寄りの書き方なら大丈夫。「その情報を読者に知らせることで読書体験がよくなるかどうか」も判断材料になるでしょう。
「雪国」だと「祭りの頃に来るっていったのに来なかった! うそつき!」と責められているシーンなので、そんなときに当事者たちがセリフで「鳥追い祭りとは……」と説明しだすのは極めて不自然なので、地の文で説明するのはOK判定です。

さらに「神」に寄って、「一方その頃ブラジルでは…」と大胆にTHE神の視点(全知視点)をまじえるのは、シーンを変えるならOK寄り。(温度差が大きいので、同じシーンでやるのは難しい)(映画を素直にノベライズしたらこうなりそう)
ただ、やるからには効果的な意味を持たせるなど、違和感ないように書く必要があります。
視点人物の変更とも似てて、たとえばA視点9割B視点1割の小説で、そのB視点が読書体験の向上に寄与していないのであれば、「じゃあずっとA視点でよくない?」となるからです。
映像と違い、特に小説は「主観が強い」媒体なので、なんでもアリの神の視点を書くときはウソっぽくなる、没入度が低くなるリスクをはらむので、繊細な注意が必要です。

基本的には「幽霊カメラマンが視点人物にとりついていて、心の中に入ったり、数メートル引いたりする」という感じでOK!
その場にいる幽霊なので、過去や未来にタイムスリップすることもありません。実況中継スタイルです。

これは「多くの場合そうだよ」「多くの読者には違和感ないよ」という書き方で、実際「正誤」はありません。
小説の視点の取り方は、文学畑では実際ものすごく自由です。

【例外】回想スタイル
例外として、「僕たちは知らなかったのだ。この先あんなに恐ろしいことが起こるなんて……」という未来視点(今の視点人物が知らないはずのこと)のモノローグが入ることもあります。シャーロックホームズシリーズのように、「過去を回想している体」の書き方ならこれでもOK。

現代では実況中継スタイルが主流ですね

視点変更は、指導者によっては「初心者が下手にやるとNG率が高まるから、あえて厳しめの基準でやめろと断言している(安全策をとっている)」場合があります。(子供に交通ルールを教えるときと一緒)
ここらへんの感覚は文の書き方✕人の感じ方の数だけ変わってきますね。

結局違和感があればダメだし、違和感がなければOK!という風にわたくしは思っています。

逆のビギナー質問として、「主人公は知っているが、読者が知らないことをわざわざ説明するのはヘンでは?」もあります。とくに一人称だと違和感が出ますよね。
お約束だけど「俺は高校生探偵・工藤新一!」「この世界には人間の他にエルフやゴブリンなど多様な異種族が存在する!!」みたいに「明らかに読者を意識して説明してるよね!?」というのは、お話のジャンル(と視点)によっては違和感カモ。

とはいえ読者向けの説明は必須ですよネ。
非「お約束」の小説では、「説明のみを目的としたTHE説明の文でなく、『ついで』のようにさらっと描写する」とGOOD!
たとえば「仙台の名産はずんだで人口は百万人ちょっとである」とストレートに書くのではなく、「里帰りした主人公が、東京に比べてコンパクトな街並みにほっとしつつ、ずんだ餅の店にできている行列を見て『土産はあれにしようかな』と思う」など。
エンタメ長編講座の「退屈でない説明を」でも語っています)

◎表現ワンパタ問題

Q.いつも似たような言葉表現になり、他の方と比べるとワンパターンすぎる気がするため、表現を変えたい。

◎言う系のワンパタ問題【サンプル公開】

Q.セリフの後の「言った」の使い分けに悩む
(こぼした、とかつぶやいた、とか、なるべく同じ表現連打しないように気を使ってますが難しい)

Q.キャラクターのセリフとセリフが続くとこれは小説らしいのだろうかと不安になり、他の小説も参考にしつつ
毎回セリフの間に、「○○はそう言った。」「○○は頷いた。」など入れてしまうのですが、くどい表現になってしまいますか?

永遠の悩みですわね……。
助けて!会話シーンが単調になりがちなの!というのはどのジャンルにも共通していて、映画や漫画でも「単調にしない工夫」のおTipsが語られています。映像ジャンルだと「カメラワークを工夫する」のも定番ですが、小説ではなかなか難しいですわよネ。
好きなプロ作家お嬢様の真似をするのが安牌だと思いますが、一緒に考えていきましょう。

まず「くどい表現になってしまいますか?」の質問ですが、どの程度「毎回」かしらん?「すべてのセリフの後に必ずつける」はちょっと……日本語ならくどいカモ;;
おそらくそうしているであろう、「数行に一回」なら全然OKでしてヨ!
大丈夫、「言った」は「言った」だから、正しく意味が伝わればOKです。あくまでも「表現の多彩さ」は加点にはなるだろうけど、逆の場合減点条件にはなりづらいです。

・類語を活用

加点を目指す方向けに、多彩にする手立てとして「言う」の類語を引いてみましょうか。

ウェブリオより

いっぺえある!
「告げる」「囁く」「語る」「吐き捨てる」とかは、全然違うニュアンスよね。
「頷く」など他の動詞と違って「言う系」は表現が多彩なんです。きっと、昔からそれだけ需要が大きかったんですね。細かなニュアンスを使い分けたいから、ここまでの語彙が生まれた。必要は発明の母。

他の動詞は頑張って類語を引かなくてもいいけれど、ここまで言い換えが多い動詞は、先人の知恵として、ありがたく類語を活用してもいいと思うワ!
まずは、キャラの感情や文脈や行動に合わせて使い分けましょう。

・話者を特定させる方法

言う系で迷ったとき、参考になるのは翻訳小説です。(※自論)
日本語は聞こえた音をそのまま書けるので、同じセリフでも全然違う感じに書き分けられるし(例「オーケイ」「おっけー!」「おーけぇ」)、一人称や語尾が人によって違いますよネ。だから、「Aは言った」を抜いてもかなり「話者の推測」が成立するんです。
対照的に、一人称やセリフの言い方でバリエーションをつけづらい言語だと、都度「Aが言った」「Bが言った」と主語を明示しないと厳しい……のカナ~?と思います。「主語は省略しない」という大前提のせいかもしれませんが。お国柄とかもあるので全然一概に言えませんが!

翻訳次第ではありますが、ためしにアメリカの小説を見てみましょう。
ミステリの名手ジェフリー・ディーヴァー先生お嬢様の短編「ロカールの原理」から、「言う系」の動詞を引っ張ってくるわネ。

(略)ライムは(略)うなるように応じた。「セリフ」
「セリフ」ライムは相手の言葉を繰り返した。
「セリフ」トムが応じた。
「セリフ」(略)ライムは続けた。「セリフ」
「セリフ」トムがセリットーに言う。
「セリフ」ライムはむっつりとつぶやいた。

ジェフリー・ディーヴァー「ポーカー・レッスン」ロカールの原理より

三人の会話シーンからポンポンと抜き出してきた文ですが、どうでしょう。「言う系」動詞が多彩ですよネ!
実際にはこれらの間に、言う系じゃない動詞の文や説明なども入っています。(抜き出した箇所が連続しているわけではない)

誰がどう言ったか誤解させない書き方としては、お手本ではないでしょうか。抜き出してない箇所ですが、セリフの中で他者に呼びかける表現があるときは、誰が誰に話しかけて応答したかが明白なので、話者特定を助ける地の文が省かれてるな~とか、見てて勉強になります。
(主語が省略されている場合は、オッ!翻訳者が和訳にあたって不自然にならないように翻訳したのカナ!?なんて思ったりします)

ただやはり、わたくし個人の感覚からすると、なんか話者特定のための地の文が多いなあ……と感じることもあります。

※注意
英米文学に詳しいお友達から、作家によって個性は違うし、翻訳は必ずしも直訳じゃないし、原文のニュアンスを汲んで翻訳できているかどうかは定かでないから、断定的に語るのは危険だよ~とアドバイスいただきました。
すみません!サンプル数の少ない恣意的な主観であり、ちゃんとした調査とかではありません。わたくし個人が本棚の本を何冊かめくって、「そんな感じするな~」と言ってるだけです。

日本の小説として、大好きな恩田先生お嬢様の、同じく三人会話シーンを見てみます。
院生のジュン、年配の教授、女子高教師のマリコの会話です。

「ジミーがここにいなくてよかったわ。(略)」
 マリコが小さく溜息をつく。教授が肩をすくめる。
「些かゾッとしない遭遇だったな」
「教授も今回初めて?」
「初めてだよ」
 二人で顔を見合わせる。
「彼は何しに来たんでしょうね。家から出てきたように見えましたが」
 ジュンは、中庭を覗きこむようにした。
「そうか? わしは植え込みから出てきたように思えたが」
「あら、道の向こうから来たんじゃないの?」

 三人で意見が食い違う。

恩田陸「ネクロポリス(上)」374ページより

最後の二つのセリフは発話者が明示されていません。でも年配の教授と女性(マリコ)の発言だと分かりましたよネ。文脈や口調で推測可能なときは、「誰が言った」という補足がなくてもいいんです。

ちなみにAI翻訳で英語にするとこう。
"Is that so? It seemed to me that he came out from the flowerbed."
"Oh, didn't he come from the other side of the road?"

教授かマリコの発言だと文脈からは分かるけど、どちらか特定まではできないでしょう。セリフ内で名前を呼ばせるとか地の文で情報を補うとかの工夫が必要になります。(英訳するときどうしてるんでしょうネ……)

非常に恣意的な見せ方だし、たった一人の作家に一つの言語の代表を背負わせるつもりはありませんが、興味深い例の紹介でした。


また、上記例にも多く登場しますが、話者を明示可能なのは「言う系」の動詞とは限りません。
手っ取り早いのは、何かさせること。行動と一緒にセリフを書けば、「言った」と書かずに「こいつが言ったんだな」と分かります。

下は、三人以上の会話シーンで、話者特定可能な動詞について色づけした例です。赤色が「言う系」、青色が「言う系じゃない動詞」になっています。


ジェフリー・ディーヴァー「ポーカー・レッスン」340ページより
有川浩「明日の子供たち」321,322ページより

……青の、「言う系」じゃない動詞の方がなんとなく多いですネ!

恩田先生の例もあり、日本語の小説は「言う系」が少ないのかもしれません。(恣意的サンプル個人の感想)
(日本人作家でも伊坂幸太郎先生お嬢様は、海外小説に寄せてる?ような書き方で、セリフの間に地の文があったり、「言った」も多かったりの印象があります)

・「言う」は省略されがち

特に「言う」が少ない理由の一つとして、「かぎかっこがあれば言ったのは明白だから」があります。以下の3通りの例文、どう思いますか?

①「うん、まあ」と言った。
②「うん、まあ」と言って、頷いた。
③「うん、まあ」と頷いた。

①はプレーン。②③は「頷いた」という情報が増えた。
そして、②は「頷いた」という動詞さえあれば文が成立する&わざわざ書かなくても言ったことは分かるので、「言って」を省略した文が③になってます。有川先生お嬢様の例は③です。

言い換えでも書きましたが、「言う」が無色透明すぎて、他のニュアンスを含んだ「尋ねる」「答える」などの動詞や、別の行動の動詞の方が使われやすいのカモしれませんね。

情報量を増やす&分かることは省略する、という原則に従うと、「言う」は省略されやすくなります。(それを推奨している作家もいます)
もちろん使っちゃダメというわけではありません。結局「言う」は「言う」だし、リズムや修飾詞の関係でぜひ「言う」を使いたい!というときもあるので。(もちろんプロも普通に使います)

もし「言う」が続いて、「ああ~表現を豊かにしたいんじゃあ~」と思ったら、言い換えを検討してみてネ!

オジョ・コラム「三人以上会話」のテク
例が三人以上のシーンばかりなのは、特に主語を明示する必要が出てくるから。(二人のシーンは、「視点人物かそうでないか」だけ分かればいいので書きやすい)
三人以上の会話では、全員平等に喋らせると、いちいち「Aが言った」「Bが笑った」など、発話者を示すためだけの文が必要になってきます。書く方も読むほうも大変になりがちなので、そういうときは、メインで喋る二人+おまけの三人目にするのが書きやすいです。
メインの二人が交互に喋っているときは主語の明示は最低限でよく、三人目が口をはさむときだけ主語が入ってくる感じ。
AB+Cの会話において、Aが必要な情報を喋り終えたら、次はBC+Aのように、メイン話者がリレー式に変わるやり方もGOODです。

◎地の文セリフ意味被り問題

Q.小説ってこういうところ、ありませんか?
例:
「なんてことをしてくれたんだ!」
太郎は花子を非難した。

……どういうことかというと、
「なんてことをしてくれたんだ!」というセリフが、すでに『非難』の響きを含んでいるのにどうして地の文でもう一回『非難した』と重ねがけて【補強】しているのか、という点です。
素人じゃなくてプロの小説でも、そうなっているのをよくお見かけしますわ。
それが小説のお作法ならいいのですけれど、この【補強】がない文も、一冊の中に混在していますの。

わたくし、どういったスイッチでその【補強】をオン・オフしているのかわからないのですわ……。自分で書いていると、「ここに【補強】は必要なのか必要ではないのか」迷子になってしまうのです。
つまり、【補強】がありすぎると文章がくどくなるというのは分かっているのに、オン・オフのスイッチの定義がわからないので困っているのですわ~~!!!ここには無くてもいいのかしら、必要なのかしら!?他のお嬢様たちは何を見て決めていますの!?ぐわ~~~っ!

◎書く情報ない問題

Q.地の文の書き方のアンケートですが、私は「これといって情景もなく五感の描写も必要ないロケーションでの会話(たとえば会議室で2人きりで話すシーンなど)での地の文の書き方」にいつも悩んでおります。
私は三人称一元視点で書くことが多いのですが、上記のようなシーンの場合だと、会話の合間の地の文に相手の表情や語り手の心情を挟むようにしています。
ですが相手がクールキャラでそこまで表情豊かでない場合や、会話自体がさほど起伏のある内容ではない場合(読者への情報開示のためにキャラが現状を喋っているなど)のときは、地の文のレパートリーが尽きてしまいがちです。

◎セリフと地の文の順番問題

Q.地の文と「会話文」の順序についてよく迷いますわ。
先に対象者と行動を書くべきか、それとも「会話」の後に書くべきか。
どちらにどのような効果があるのか。
とか、他のお嬢様たちの思考回路と処理の仕方が気になります。

1.
生徒がAに手を振る。
「さよなら、先生!」
2.
「さよなら、先生!」
生徒がAに手を振る。

2の場合”手を振った”にしたほうが収まりがいい気がしてしまうので、語尾の処理に迷ったとき、軽率に「」と地の文を入れ替えることもあります。
たぶん文章のリズムとか余韻とか違うんでしょうけれど……。

◎「過去話」の時制問題【サンプル公開】

私、長編おBL作品を書いているのですけれど、そこでAがBを好きになったきっかけを描いたお話(いわゆる過去話)がありまして
それがほとんど「〇〇だった」と全部「~だった」「~た」で終わってしまうのですわ
現在を絡めた過去話に関しては「~だった」「~た」ではないのですけれど、その過去話だけはほとんどが「~だった」「~た」になってしまいます
この過去話だけ自分では気に入っていなくて、その理由というのが
「全部完了形で終わってしまっている」のでどうも地の文があっさりしすぎているのですわ
できれば「~だった」「~た」で文章を終わらせたくないのですが、その方法がわからなくて困っております

お嬢様はならどのようにして、「~だった」「~た」から脱却させますか?

過去話って……どんな感じ……かしらん!?
「数行の回想」のように、短いなら全部タ形でも大丈夫!
そうでない、ある程度長い想定で書きますネ。

多分「独立した話」カナと思うのだけど、せっかくなので「回想の書き方」について、色々なパターンを書いてみますネ。

・独立した話の場合

たとえば1~4話で2024年4月の話を書いて、5話は2019年のお話、6話から2024年4月の続きに戻る、という捉え方でよろしいかしら!?

だったら5話だけは、地の文を実況中継している語り手も一緒に2019年にタイムスリップして、基本ル形(終止形)で書いちゃってもいいと思うワ……!
冒頭に「2019年、冬」とか書いてればOK。これが一番書きやすい!

・現在から思い出した「回想」の場合

独立させるほどの長さでない回想は、徐々にル形を増やせば違和感は減るんじゃないかしら?
キーは、「時制の影響を受けない表現」「主観がどこにあるか」です。
「わたくしならこう書く」というやり方を解説しますわネ!
(解説画像がメインなので、テキストは読み飛ばしてOK)

 からん、とグラスの中で氷がとけた。ウイスキーの香りと共に、十年前の光景が蘇る。

「またボウズか。ったく、ここは託児所じゃねえんだよ」
 酒で焼けたがらがら声に、日焼けした。ニヒルな笑みをまだ覚えてい
 師匠は映画から抜け出してきたような老カウボーイで、いつもスキットルを持ち歩き、ウイスキーをちびちび飲んでいた。
 子供の頃の俺はいつも暇を持て余し、何かと「よろしくない隣人」である師匠のところに遊びに行っていた。同世代の友達がいなかったわけではない。悪い大人というのは、いつだって男児が憧れる。そういうものである
 あれはイースターの頃だった。俺はいつものように隣家のガレージに不法侵入し、車いじりをしている後ろ姿にがなりたてた。
「今日こそ牛の捕まえ方教えてもらうからな! ジジイ!」
 いつものように追い払われるかと思ったが、そのときばかりは違った。きっと、師匠の方も暇つぶしをしたかったのだろう
 顔に油汚れをべったりつけた老人は振り返るなり、ニヤリと顔を歪める。ホラー映画の悪役みたいだった。
「んじゃ投げ縄でもやってみるか?」
 ――やった! カウボーイ修行だぞ!
 
片手を高く突き上げ叫ぶ。もちろんイエスだ。
 天井の豆電球が激しく点滅している。何かが変わる気配がした。
(略 回想が続く)

 はっと息を吸い、まばたきを繰り返す。目の前には氷のとけけきったグラスがあった。
 どうやら、バーカウンターでうたた寝をしていたらしい。俺は固まった関節をほぐすべく、大きなのびをした。

即興で作った例文なので、少し急なのはご容赦くださいまし
解説

【文末のタ形ラッシュを回避可能な表現】
・日焼けした肌……【体言止め】
・まだ(現在でも)覚えている……【現在にいる主観のモノローグ】
・"いなかったわけでは"ない……【否定】
・男児が憧れる/そういうものである……【一般的事実】
・だろう……【推量】
・――修行だぞ!……【当時のモノローグ】

時制の影響を受けないものが多い

補足「ル形の一般的事実」
「男児が憧れる」というのは、語り手にとっての一般的事実を表しています。
用法の一つとして、ル形(終止形)は一般的事実や真理にも使えます。
・サッカーボールは丸い。
・日本は島国だ。
・人は死ぬ。

マリアビートルとプロジェクト・ヘイル・メアリーをささっと読み返し、ル形の出し方を観察し、回想の書き方はこれでいけるんじゃないかな~と思いました。

語り手の主観(意識)がいる場所は、移動してもいい!
この例の場合は、はじめは「現在から十年前を思い出している書き方」だけど、回想が本格的になるにつれて、徐々に語り手の主観が過去に戻っていきます。
映像化するなら、バーで大人が黄昏ているシーンから始まるけど、徐々に子供時代の映像がフェードインして、濃くなって、ついには画面を占領するイメージ。

さらに調査のため書籍や論文を複数あたった感じ、「過去回想のはじめはタ形が多い」というのはポピュラーな事象のようでした。
それから徐々に、「視点人物の知覚を示す」「臨場感を出す」(「文末表現を豊かにしたい」)ときにル形がまじってくる感じ(詳細は【特級】で後述)。

例文に戻って、「何かが変わる気配がした」のあと一行開けて、次のシーンからは、あまり時制を気にせず書いてもいいと思いますワ。
完全に意識が子供時代に戻るのか(主観が完全にタイムスリップ)、それとも大人目線のモノローグを入れたい(あくまで主観がいるのは現在)かは、お好みで。

時制については視点の問題と似ていて、短いスパンであっちゃこっちゃいくと不自然で、徐々に書くなら違和感は少ないです。(たぶん)
視点と同じく、ビギナーさんが失敗なく書きたいなら、同じシーンに混在させず、章区切りなどを挟んで完全に分けて書くと安全です!

・体験談を話す場合

キャラが体験談を話す「過去話」「過去語り」の場合。
これもある程度長いエピソードだと想定しています。

回想とバリエーションをつけるため、話すのはサブキャラ、聞くのは主人公=メインの視点人物、三人称限定視点とします。

①全部会話形式で書く
②すべてをセリフにせず、地の文でも語る
③空行を挟んだ地の文の中で、一時的に視点人物が「過去のA」になる
④章を区切り、独立した話のように書く

①④はイメージしやすいですよネ

②③の例
 真面目な話のようだ。主人公はごくりと喉を鳴らした。
 何度も苦しげに顔を歪めながら、タカシはぽつぽつと語る。
「俺んちさ、結構おカタイ感じだった」
 ユーチューブやニコニコ動画など、他の子供が自由に見ていた時分に、タカシの家は動画単位で視聴許可が必要だったという。【②地の文でも語る(聞く)】
「だから、恋愛とかチャラチャラしたものも、みんなまとめてアウトだったんだ」
 タカシは震える息を吐く。
 最初の異変が起きたのは、十歳のときだったそうだ。【②地の文でも語る(聞く)】
「夜、聞いたことないような、甲高い声で目が覚めたんだ」

【↓③一時的に視点人物が「過去のタカシ」になった↓】
 幼いタカシは、恐怖よりも「正体を確かめなければ」という思いに突き動かされてベッドを出た。裸足のまま廊下をぺたぺた歩き、音の発生源を探す。
 ――はたして、そこは両親の寝室だった。
 部屋の明かりが漏れていて、小さな話し声もする。どうやらテレビを見ていたらしい。
 ほっと胸をなでおろしながら、タカシ少年はドアを開けた。
【↑③一時的に視点人物が「過去のタカシ」になった↑】

「……親父が、ありえない格好をしてたんだ」
 かちかちと歯が鳴るのが聞こえて、驚きと共に主人公はタカシを凝視した。
 彼は両手を組んだまま小刻みに震えていた。顔が真っ青だ。
「もういい、無理するな」
「知らなかったよ! 二人がカップルユーチューバーだったなんて!」

「すべてをセリフとして、説明臭くならないように書く」のは結構大変なので、長ければ長いほど、①全部会話形式はおすすめしません。

伝えたい情報量やどのくらいの臨場感が必要かによって、使い分けてみてネ!

◎情景描写の書き方問題

Q.建物や景色の描写を言葉で表す時にすごく苦労します。原作や類語辞典ももちろん参考にしますが、それ以外に参考になるもの等ありましたら教えていただきたいです。

◎情景描写の必要最低ライン問題

地の文が長いほうです。
なんでも地の文で説明しようとするうえに、情景描写が好きなため、地の文が延々と続いてしまいます。例えば一万文字くらいの短編だと台詞が一度もないまま終わることもあります。そういう作品があるのは勿論問題ないのですが、毎回これではちょっと……味変がしたいです。
ですが地の文を減らすと伝わらないのではないかという心配があり、地の文ばかりになってしまいます。
地の文でなんでも説明しないようにする方法が知りたいです。

◎音の書き方問題

※大人向けの話題です(直接的な描写はないのでRはつきません)。

Q、地の文の悩みといえばズバリ『最近の大人なシーンで使える「音」の状態、「響く」「満ちる」以外ない説』(※)ですわ!

 わたくし音描写フェチの書き手です。最近、いろんな大人小説を読んでも、「響く」「満ちる(絶滅危惧種)」以外姿を見せなくなってしまって、それを読むたびに「このお嬢様も苦労されてますのね」と勝手にシンパシーを感じております。

 わたくしはチュッチュ音も肌が打ち合う音も水音も荒い呼吸音もジャンジャン鳴らしたい派ですわ!「とにかくうっせえ野獣みたいなセッが書きたいんじゃ!」ってときに、ふと「響く」が並んでいるのに気づいて我に返るほどには好きなんですの!
 「響く」を散らすために回想シーン入れて、終わったらまた響かせたり。ただの大きな音だったら「鼓膜が痛む」とか「頭にキーンとくる」とかあるのですが、大人シーンだとなぜか「響く」以外のストレートな選択肢がない。
 個人的には「耳朶に/鼓膜に触れる」「くすぐる」も好きだったのですけれど、最近めっきり見かける件数が少なくなりました。難しい単語はやめようとするライトな風潮と、とくにエッなものは難読を排したほうが好まれる土壌なので、「響く」以外の単語の退場に拍車がかかっているように思います。
 これはエッな妄想の妨げにならないだろうか、音を熱や痺れに変換したらどうだろう、いっそ脳に到達したときのドーパミンの感じで……などなど。悩んで迷って他のお嬢様のご本を開いても「響く」しか見かけなかったり、行為もあっさり&回数を減らしていたり、わたくし時代に置いていかれている気がしてさびしいのかもしれません。
(音の描写が多くてオススメな作家お嬢様または作品があるお嬢様がたのご助言もぜひお伺いしたいです)

※「鳴る」もありますけれど、これは心臓の音や喉のゴクリ音として使われることが多いせいか、水音や効果音にはあまり使われていない印象がありますわ。「鳴る」には「鳴る」の職場があるというか、「胸が高鳴る」とか「喉を鳴らす」とか「他の音が聞こえなくなる」とか、「鳴る」がふさわしい単語にゆずっていることが多いように思います。個人の感想です。

◎一文の長さ問題【サンプル公開】

Q、わたくし「文章はできるだけ短く切ったほうが良い」と言われても、切れない文章だらけになってしまいますわ。「、」を2つ使って3つの文章をつなげるパターンがやたら多くなってしまいます。(例文)
もともと理系畑の人間なので、読み返すたびに「わたくしの文章って小説じゃなくて説明文みたいですわね……」と凹みます。

※例文「~~の場合~~ので、~~とき、~~こともあります。」

わかりゃいいです!!!!OKOK!!
基本的には短文、というのは確かに気持ちいいけど、無理に従う義務はありませんわ。
例文もちゃんと分かるので、このままでOKですヨ!

「短く切れ」というのは、初心者が長すぎる複文を書きがちだから生まれた教えだと思います。
(複文……主語と動詞の組が複数ある文)

長い複文の例
龍田はにやりと笑うと、カードの山を持ち上げ、素早くシャッフルしながら、カードにまつわる全てが龍田の管理下にあると、万能感に浸り、「狙ったカードは何でも出せる」と強く感じて、大きく息を吸い、目の前の女を見据えてカードを広げた。

山内リリ「チキンタツタ変奏曲 6. 1文をなるべく長く」より

これは……文を分割したほうが読みやすいわネ!

リリ先生より
個人的には、普段は1文を50字くらいに抑えておいて、ここぞというところで、めちゃくちゃ長くしたり、かなり短くしたり、短文を連続させたりといった緩急を付けるのがいいんじゃないかなあ、と思います。
今回は原文の主語が「龍田」「トリシャ」で固定されていて、1文の中で主語が変わっていないので、文を長くしても文法的なエラーは発生しにくいですね。
1文の中に節が3つあり、それぞれの節で主語が全部違うのにそれらの主語が明示されていない、みたいな文章はビギナーあるあるかな、と思います。

主語が違うのに……明示……しない……!? こんな……感じ……!?

トリシャが首を傾げつつもカードを抜き取ったのを見て、(龍田が)勢いよく告白し、(ギャラリーが)大いに盛り上がったが、(トリシャが)告白を断ったので、場が白け、豪華客船も沈んだ。

やりすぎ例。主語がたくさんある~

どれも「塩梅」だけど、「ふつうの文の書き方」レベルなら、「主語と動詞の組が分かりやすい(誤解なく伝わる)」でOK!
ただ、特にシーンのはじまりなどは、「小説っぽく」するなら短く切るとなんとなくいい感じになります。

【主語と動詞の組が誤解なく伝わるのでOK】
龍田はにやりと笑うと、カードの山を持ち上げ、素早くシャッフルした。

【「小説っぽいはじまり」は、短文だとなんかいい感じ】
龍田はにやりと笑った。
関節の目立つ長い指でカードの山を持ち上げ、素早くシャッフルをする。

よって、「短文だとなんかキャッチーでいい感じ」というだけなので、「短文にしなければいけない」わけではなくってヨ!
名文と言われる文豪の小説も、スーパーベリーデラックスゴージャスソーロングだったりするので。。。気になるなら青空文庫へGO!

・主語と動詞の組を明白に

上記を踏まえたうえで、短文を作る練習をしていきましょう。
以下の文を、分かりやすい短文に分割してみてください。

【笑ったのはどっち?】
東谷が爆発的なサーブを打ち、そのボールを素早く西峰が受けると、にやりと笑う。

「と」の後に主語を変える・主語を変えない…どちらの用法もOK

【西峰が笑った場合】
「東谷が爆発的なサーブを打った。西峰が素早く受け、にやりと笑う。」
→この場合、西峰がボールを受けて笑うので、スムーズに書けますね。

【東谷が笑った場合】
「東谷が爆発的なサーブを打った。西峰が素早く受ける。東谷はにやりと笑う。」
→悪くないが、短いスパンで主語が往復するので若干読みづらい。
動作主が三人以上なら、こんな感じでもOKかも?

「東谷が爆発的なサーブを打った。西峰が素早く受けるのを見て、にやりと笑う」
→悪くないが、「西峰が素早く……」まで読んだタイミングで「西峰が主語なのかな?」という予想をし、後から「あっ、東谷が主語か」と脳内で訂正するので、少しだけ読解コストが上がる

「東谷が爆発的なサーブを打った。素早く受ける西峰を見て、にやりと笑う。」
→主語が東谷のままで進行するので、誤読のおそれが少ない

視点や前後の内容などケースバイケースですが、スムーズに読める◎の書き方がオススメです。

特に三人称限定(一元)視点だと、カメラ位置は視点人物に寄せて書いていくのがやりやすい。最後の文の連体修飾「素早く受ける西峰」は、効果的な小技です。

視点人物以外の行動を連体修飾で表すことで、主語が変わらない
→カメラ位置がおのずと視点人物側で固定される
→そのままスムーズに心理描写もできる。

という嬉しい効果があるそうです。(byリリ先生)

連体修飾については、ぜひリリ先生の激熱コラムもご覧ください♡

※もちろん「主語を変えてはいけない」とは言っていません。
 必要なだけ適切に変えていきましょう。

・「説明」は長い。「描写」は短い。

THE説明をすると、一文が長くなる印象があります。(自論)

【THE説明】
翌日の朝、昨日の敗北に打ちひしがれた日山は暗い気持ちに覆われていたが、家族の前では明るく振舞い、いつものように学校へ向かった。

【改善案1】具体的行動
敗北の翌日。
日山は暗い気持ちを押し殺し、いつものように「いってきます!」と明るい声を出した。心配そうに顔を見合わせる家族を残し、学校へと向かう。

【改善案2】具体的行動&心情こってり
「いってきます!」
 努めていつも通りの声を出し、日山は学校へ向かう。家族には、負けたことは言わなかった。言えなかった。
 昨日の試合を思い出し、胸が重たくなる。鼻の奥がつんとして、顔を隠すようにマフラーを引き上げた。
 ――悔しい。俺、届かなかった。
 まだ、どうすればいいか分からない。ただただ練習がしたかった。

「打ちひしがれた」「暗い気持ち」とは直接書かずにその心情を表現。

……「説明」を「描写」にすると、短文になりましたネ!(自論)

さらりと流すシーンなら、案1くらいあっさりでもOKです。
映像化したとき数秒で終わらせるシーンなのか、それともズームインしてじっくり尺を使うのに値するシーンなのかで、心情の「あっさり」と「こってり」を使い分けましょう。
このシーンは、おそらく主人公の成長の要となる大事な場面なので、登場人物に共感させよう派のわたくしなら案2でいきます。

いろいろ小技はあるけれど、基本は「伝わればヨシ!」なので安心してくださいネ!

◎成長のタイミング問題(プロットへの質問)

Q.全体的な構成についての質問です。
『○○な主人公が、☆☆のイベントを経験し、精神が△△な性格に成長して、大きなことをやり遂げる。』
といった構成で執筆したことがあるのですが、
 実際に書く時には☆☆のイベントに達するまでの小さなエピソードが思いつかない。書いたとしても物語を引き延ばしているような違和感があり、どのようなエピソードを挟むのが適切かわからない。
 ☆☆のイベントを通った後の葛藤のシーンが精神の問答ばかりで、個人的にあまり面白くないものになっている。
といった2点の問題にぶつかりました。この後どうなっちゃうの?と盛り上がるような内容にするにはどうしていけばいいのか、宜しければお答えしていただきたいです。

質問募集でいただいたお便りです。
地の文ではなくプロットの質問ですが、一緒に回答しました。
一応プロット編ともいうべきエンタメ長編講座のお記事にも、同じ内容を追記します。

☆0131追記 追加質問への回答

◎言い回しのこだわり問題

Q、お話を書いていてふと気づくと、不思議ではない、問題ない、あり得ない、隠しきれない、遅くはない、これ以上ない、限らないのような、「〜ない」の単語ばかり使ってしまいますの。自分でもわか

◎文の繋がり問題

Q、プロットを軽く立てるにしろ、私は思いついたことをそのまま打ち込んでいくことが多いです。理由は、早く打たないとこれだと思ったフレーズや言い回しをすぐに忘れてしまうからです。その時しか覚えていられませんの。結果、できあがった文章はどこか繋がりが悪いというか、しっくりこないというか……。こちらも自分でわかっているので、文と文の内容がなるべくあっちこっちいかないように、トンボで土ならしをするような感覚で考えてみたりもします。でも一度何となく形になってしまうと、どう文の間を繋げれば滑らかに読めるかがわからなくなってしまい、あまり上手く修正できませんの。

◎クール系人外一人描写問題

現在書いている小説は大衆文芸寄り(ライトになりすぎないけど読みやすい程度)の文体を目指しています。
主人公の設定をざーっと列挙してみると、「人外(人間の価値観が薄い)・感情薄い・論理的・客観的・社交的ではない・真面目・朴念仁・クールビューティー…!」というような感じでございます……
あまり主人公的ではないのは承知なのですが、そういうキャラが成長していくのが描きたいのです…!
ただ……その主人公が……一人でいるときの描写に困ってしまって……!!!
クローズな空間で、登場人物数も少ないのでそういう場面がどうしてもできてしまいます。(というか、一人きりで活動する場面が一切ないのはどうなのかしら?とも思う)
独り言をあまり言うキャラでもなく、考え方も共感を誘いづらく、動作がアクティブなわけでもなく、感情の揺れが大きいわけでもなく……文体の方向性的にラノベほどの砕けた表現で雰囲気を緩和するのも難しく……となるので、淡々とした面白くもない地の文が続いてしまうのです……こういった場合、どう処理すべきなのでしょうか…??
やはり主人公の設定を見直すほかないのか、悩んでおります。。

◎効果的な視点選択は

追加質問がなかったら語ろうかなと思っていた話題です。

■山内リリ先生にご協力いただきました

本記事執筆の際、日本語アドバイザーの山内リリ先生に、ハチャメチャにお世話になりました!

サンプルの中に出てきた「チキンタツタ変奏曲」は、短い小説を「ビギナーがやりがちな例」や「純文学風の例」などさまざまかたちに書き直してくださった試みで、ものすごく勉強になる「教材」です!

ぜひご覧ください♡

■ほかの目次

サンプルとして、目次も全部掲載しますネ!

目次
■このお記事のターゲット
■有料記事の説明【100万view記念価格】
■更新履歴☆0131追記
■「小説っぽくない文」ってなぁになぁに?
◎お題文
■【初級】超ビギナーは「分ける」「削る」
☆0107追記 主語&文末アンケート
■【中級】「小説っぽく」する過程を全部見せ
◎「主語がくどい」対策
・代名詞への言い換えと省略
・無生物主語で表現を多彩に
◎「思った」「感じた」「考えた」は要注意
◎文末表現に気を配ろう
◎受身文と能動文の使い分け
◎情報量を増やして厚みを出そう
・外見描写
・回想や思い出語り
――ここまで無料――
◎小説っぽくした例
・他の方にも添削してもらいました
■【自論】没入感アップで「体験」させろ
◎補足 視点の基礎
◎三人称限定視点で主観度を上げる法則
◎心理描写の書き方例
■お悩みQ&A
(省略)
■【上級】表現を豊かにするには
◎レトリックで名文メイキング
・レトリック(修辞法)の代表例
・共感覚法でうまみのある文を
・換喩(メトニミー)・提喩(シネクドキ)の違い
【小説での言い換え例】
・プロから学ぶ具体例いろいろ
・おまけ「無限の剣製」はなぜカッコいい?
◎言葉選びでムードを作れ
◎好きな表現紹介コーナー
・小説部門
【リズムがいいね!!最高だ!!】
【直喩がいいね!!最高だ!!】
【換喩がいいね!!最高だ!!】
【反事実がいいね!!最高だ!!】
・面構えが違う「コピー」「歌詞」
◎表記ゆれと漢字のひらき方
◎漢字のひらき方の基本
◎「あえて」の表記ゆれ
◎読むリズムをコントロールするには
・句読点
・三点リーダとダッシュ
・軟派な記号
◎「言いさし」でリアル&エモ
■全体への仕掛け
◎同じ文のリフレイン
◎一貫したモチーフを使うオシャレ
◎成長のタイミング問題(プロットへの質問)
Q.成長イベントまでのエピソードが書けない
Q.葛藤のシーンが精神の問答ばかりで面白くないと感じる
オジョ・長余談「作中ツッコミ」
■【特級】実は知られていない!? ディープな視点の話
◎研究者視点と編集者視点の違い
◎これって混在?
◎「主観寄り」と「客観寄り」
◎カメラ位置を意識しよう
◎主語を早めに確定させると親切
■小説の歴史と「た」「る」ルール
・現在なのに「た」?
・過去なのに「る」?
■検索・調査にオススメ
・文の書き方
・コロケーション(共起例)探し
・校正
・外国語はAIを手掛かりに(時代考証サポート)
☆0131追記 小説向けAI活用講座
【ブレストは準備含めて極めて有効】
【アイディアのたたき台~結局作るのは自分~】
【詳細化は時短可能】
■【番外編】ダメと言われたら
・基本は保留/セカンドオピニオン
・ダメだと分かる場合
・何がダメなのかよく分からない場合
・解決策は一つじゃない
■おまとめ
■スペシャルサンクス
■おフィードバックのお願い

本編はこちら

☆0131本編に追記しました

本編に「いただいた追加質問への回答(10000字)」「小説向けAI活用講座(5000字)」を追記しました!


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