メキシコ世界幸福度ランキング2位に思うこと
ニュースでメキシコが2024年世界幸福度ランキングで2位になったとの事を知りました。
1位は納得のオランダ。
治安が良くて社会福祉が充実していて教育水準も高い先進国の国。
対して2位がメキシコ、、?って思われる方多いと思います。
治安が悪くて貧富の差が激しくて政治も汚職まみれで教育水準が低いメキシコ?って。
でもメキシコに住んでいる私からするとそうかもなあと納得。
そこでなぜメキシコより100倍くらい快適の生活している日本の人々より幸福度が高いのか、私なりに考えてみました。理由は大きく3つあると思います。
①期待値が低い
修理や配達など時間通りに来る事はほぼない。
メキシコ人のahorita (今)はだいたい数時間後までを指す。
また家だってそもそも欠陥住宅ばかりだし停電、断水も当たり前などなど。
ここで生活しているといい意味で期待値が下がります。デフォルトが諦めている状態なのでたまに物事がスムーズに進むとラッキー!となり、普通で何事もない状態が既に有難くなる。
②頑張らない、無理しない
メキシコ人は好きな事はやるけど嫌な事を我慢しない。
将来に必要だから今我慢して何かを続けるとか、本当はやりたくないけど人から悪く思われたくないからとか、そういうのがない。
日本人からみたら根性がないとか中長期的な視点に欠けているという事になるのだが、皆自分に甘いので人にも寛容だ。カリカリしている人がいない、これは素晴らしい事だと思う。
③家族の絆が強い
これが間違いなく彼らが幸福感が高い最大の理由。
近年ではメキシコでも核家族化が進んでいると言われているが、私の住む地方都市では親戚一同が毎週末集うのはまだまだ一般的。
お昼ご飯の時間の3時から4時くらいに集まって大体夜の9時とか10時とかまでずーっと一緒にいる。
毎週毎週集まってしかも長丁場なので、そんなに座が盛り上がっている様子でもないのだが一緒にいるのが当たり前。別に何してる訳でもなくとにかく輪になって座って喋っているだけなのだ。
そもそも日本と違ってお金を払って楽しむイベントや娯楽施設が少ないので他にする事もない。
しかしこの何する訳でもなく一緒の時間を沢山過ごしている事が間違いなく彼らの家族同士の愛着に繋がっているのだ。
特別なご飯もイベントも議論もいらない、ただただ時間を共に過ごす、それが家族にとって重要なのだと彼らから教えてもらった。
また毎週末このように3世代、4世代で集まるので異年齢交流が彼らの中に自然にある。
子供達は自然に小さい子の面倒を見るし、お年寄りも孫の世話をする。日常に多様性が存在するので、自分と違う他者への寛容さが自然に身についてるように見える。
世代別に完全に棲み分けが進んで世代間に軋轢がある日本との大きな違いだろう。
と以上が私がメキシコが世界幸福度ランキング2位になった理由なのですが、このランキングには私に大きな示唆を与えました。
というのは先進的な教育がなくても社会は幸せになれるではないのかという事です。
オランダなどのいわゆる進歩的と言われるような子供中心の教育が日本でも注目されていますが、私はどうもそれがしっくりこないのです。
子供達が生き生きと自主的に学んで個々のの能力を伸ばして行く、確かに素晴らしい考え方です。
でもそれって結局発展していく事が良いとされている西洋的な価値観に基づくものではないのだろうか、、。
中長期的視点もない教育レベルの低いメキシコで育った人々の幸福感が高い事に改めて教育の意味とは、、と考えさせられたのでした。