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記憶を呼び起こす,チリメンモンスター

こんにちは。仮説社のルーキー,宮本です。
今日も慣れないお仕事に右往左往し,時間だけが過ぎていくことに焦りながらこの記事を書いています。


仮説社に初めて出勤した日,1階の売り場にある商品についてザッと説明を受けました。全部を細かく聞いていると時間がいくらあっても足りないでしょうし,私のキャパシティも軽く超えてしまいますので,本当にザッと。

説明を受けながら,商品や関連するトピックスについて
「〇〇は知ってる?」
と聞かれるのですが,知らないぞ……ということがたくさん。これから勉強しなければならないことがいろいろありそうです。

そんな中で,
「チリメンモンスターは知ってる?」
という話が。

これについても私の返答は,
「いえ,知りません……。」
でした。


「ちりめんじゃこ」や「しらす干し」は,カタクチイワシという魚の稚魚をゆでて干したものですが,たまにそのカタクチイワシの中に,漁のときにカタクチイワシたちと一緒に網にかかってしまった生き物が混ざったままゆでられて干されていることがあります。製造の途中で取り除いているのでしょうが,たまにそのままスーパーなどで売られている製品の中に残っていることがあります。
それを見つけたときはなんとなく嬉しい気持ちになるのですが,それらの混ざった海の生き物のことは,「チリメンモンスター」と呼ばれたりしています。その正体は,イカやエビやカニ,サバやタイの仲間などの稚魚だったりします。まれにタツノオトシゴなんかが見つかることもあるのです!

仮説社note/2023年3月9日の記事より

ちりめんじゃこやしらす干しに入り込んでいる,カタクチイワシ以外の生き物のことを「チリメンモンスター」と呼んでいると!

これを題材にした実習をしている方々がいると!

それを何の生き物だか同定できる図鑑があるのだと!

海のミクロ生物図鑑/仮説社



この話を聞いたとき,何年か前に起きた出来事を思い出しました。

◆◇◆

私が小学1年生の担任をしていたときの話です。(前職は小学校の先生でした)
給食の時間は毎日戦場で,食べる時間を確保せねばと,配膳は特に注意深く給食当番の子供たちを指導していました。

そんな配膳覚醒状態の私に,もう給食が配られた子が話しかけに来ました。

「先生,給食に虫が入ってる。」

1年生はいろんなものを見間違えたり勘違いしたりすることが多いので,私は配膳に気を配りつつも,見間違いじゃないかなと軽く答えました。

すると,その対応に納得いかなかったのか,その子は今度はお皿を持ってきて,私に再チャレンジしてきました。

「ほら,これ!虫でしょ!」

それを見て,私はフリーズ。足がいっぱいあって,明らかに給食には入っていることがなさそうな……私の目から見ても虫のようなものだったからです。

異物混入事件。

私の頭にはそんな言葉が浮かびます。

動揺を隠しつつ,ちょっと確認してくるからみんなまだ食べずに待っていてねと笑顔で伝えます。そこから,お皿を持って職員室にダッシュです!

焦りすぎて,頭の中では既に異物混入事件の謝罪会見が始まるところでした。

職員室で管理職に話をし,栄養士さんを探しましたが,配膳の時間は各教室を回っているので不在でした。すぐに放送で呼んで確認してもらいます。

「これ,エビか何かの生き物ですね。時々しらす干しとかに混ざってることがあるんですよ〜!」

答えてくれた栄養士さんの笑顔に,どれだけホッとしたことか。

栄養士さんはそのまま教室まで来てくれて,子供たちにも話をしてくれました。異物かと思われた虫のような生き物は,教室内のちょっとしたヒーローに。見せて見せてと子供達が集まっていました。

◆◇◆


あの頃の私が,チリメンモンスターのことを知っていたのなら。
海の生き物について,環境について,生物多様性について……子供たちの世界を広げる楽しい時間が作り出せたかもしれません。

知っているって,大事ですね。

どこかで困ったり悩んだりしている人,先生や子供たちに,必要な情報をお届けする手伝いが少しでもできればいいな……なんてことを,チリメンモンスターから考えさせられたのでした。

(宮本)



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#私が見たのは恐らくウオノエの仲間
#トップ画は海の中の小さな生き物たち研究所ブログより

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