【海のナンジャラホイ-20】うに絵本がデビューします!
うに絵本がデビューします!
「海のナンジャコリャーズ」シリーズの第3弾「うに:とげとげいきもの きたむらさきうにの ひみつ」が完成しました! もうすぐ発売になります。今日10月1日から東京・九段下の科学技術館で始まる「博物ふぇすてぃばる!8」では、お手に取って見て頂くことができるはずです。
あまりよく知られていなくて、見かけからして「なんじゃこりゃー!」と思うような生物、もしくは、日常生活の中でよく知られているはずなのに、生活史や生態などをよく調べてみると「なんじゃこりゃー!」と驚くような生物、を取り上げてゆくのが、「海のナンジャコリャーズ」シリーズの基本コンセプトです。いずれの本でも、研究者である作者や監修者が研究者出身の画家とタッグを組み、わかりやすく、でも、できる限り科学的に正確な内容になるように努めて、絵本づくりに当たってきました。
絵本ですから、子供たちは、はじめは読み聞かせで本文を読んでもらって、内容のあらましを知るでしょう。やがて、本文をひとりで読むようになれば、情報ページ(付録)の面白そうなところを拾い読みするようになるでしょう。そして、大人に近づく頃には、本文プラス付録を、1つのまとまった本として理解してくれるようになるでしょう。最初に接してから、子供が成長してゆくのに伴って、その求めるところに折々にどこまでも答えて行けるような、そんな本であってほしいと、私たちは願っているのです。
退屈な時には、ふと手に取って、中身のあちこちを突き回して、見て楽しみ、読んで楽しんでもらう。そんなおもちゃのような存在でもあると良いですね。人生に沿うことのできる絵本です。
今回、第3弾となった「うに」でも、作者と画家と編集者が、一緒にウニ養殖の現場取材に出かけました。画家は、自宅でウニを飼育して生態を観察し、また、解剖を行ってウニの体の構造や機能の正確な描画にエネルギーを注ぎました。また、ウニに関する情報ページの作成では、北海道~仙台~つくば~東京をつないでのオンライン会議や東京での対面会議を何度も行って、大学での講義レベルに匹敵するような内容をわかりやすく伝えられるように、頑張ってみました。
子供の時にこの本を手に取ってくださった方が、大人になって社会人になってからも「使える」本であると、私たちは信じています。できるなら、次世代にも伝えて欲しいです。
じつは、「海のナンジャコリャーズ」には、シリーズとしての秘密の約束事があります。それを、最後にそっとお知らせしておきます。「前に出た本で主人公になっていた生物は、次の本のどこかに必ず登場する」というルールです。第2弾「わかめ」のどこかに第1弾のワレカラが、第3弾「ウニ」のどこかに第2弾のワカメが登場している、ということになりますね。探してみてください。
みなさんが、「うに:とげとげいきもの きたむらさきうにの ひみつ」を手にとって、長く楽しんでくださいますように!
○o。○o。 このブログを書いている人
青木優和(あおきまさかず)
東北大学農学部海洋生物科学コース所属。海に潜って調査を行う研究者。
*『うに:とげとげいきもの きたむらさきうにの ひみつ』は,全国の書店でお買い求めいただけます。
また,仮説社のHPからもご購入いただけます。
『うに:とげとげいきもの きたむらさきうにの ひみつ』
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