気散じ
行き詰まった時には、週末弾丸一人旅に出かける。
離島の浜辺に寝転がり、満点の星空を見上げながら、宇宙の起源に想いを馳せる。
小さな光が何万、何億と集まって、宇宙は存在している。
あの一つ一つの光の元に、それぞれの星の、それぞれのドラマがあるのだろう。
飛行機の座席は必ず窓側を選ぶ。
機内アナウンスが流れ、周りでカチャカチャとベルトをつける音がする。
ごうごうと大きな音が響き厚い雲を抜けると、そこには東京の夜景が広がる。
どこまでもつづくオレンジの灯り。
小さな灯りが何千、何万と集まって東京は存在している。
あの一つ一つの灯りの元に、それぞれの人生、それぞれのドラマがあるのだろう。
到着が近い。
ぐーっと背筋を伸ばすと、深く息を吐いた。
さあ、また新しい日常が始まる。
私は東京の街に溶けていく。