待ちわびたフィナーレ / shakainu
かつて少女だったバケモノは地を這うように現世に留まる
少女の頃の面影が僅かに残る我が身を憂いていた
いつかは少女性なんてまったく消えてしまうのだろうか
この身体が衰え消えゆくまであとどのくらいかかるのだろうか
少女であったことすら忘れてしまうのだろうか
憂いは尽きない。
例えば映画のような背景を纏っていたかった。
彼女は言わばエンドロールへ辿り着かない悪徳の栄え
物語の中盤を過ぎた辺りから刺激は飽和していくことを知った
モノクロ、汚れの赤、どう転んでもハッピーエンド、終わりが来ればハッピーエンド
大喝采の葬列
ああこれはバケモノのシンデレラストーリーである。
最大の不幸をくれる男を、バケモノを、待っている。
散々に消費されたがっている。
彼女の生という、消し去ることの出来ぬ平穏というものを
自らでは堕ち切ることの出来なかった完結まで、動けない