明転 / 昭架
晴れやかな秋の朝
冷えたひとみをつれて、布団から湧きでる
蒸気の様なわたくし
カーテンの代わりに、あたたかな日差しがゆれる
ゆれる、ゆれる、ゆれ る
おはよう。
かすれた我が声に経過を知る
魔の池に咲いたスイレンもほほえむ
昨晩、
ノートの内側で光るなけなしの白いページへ、
戦いに慣れて、無理に掻き立てた殺意を0.3ミリ芯のボールペンに込め、書いて、
書いて、書いて、そして消した
さようなら青い身体よ、あの人にくれてやるのだ
目を瞑るかのように
全ては世界の内側へと還る
名も体も忘れる、生も死も忘れる、1秒も1年も忘れる
晴れやかな秋の朝
ふくらんだ希望を
白米にうめこみ、血肉へと結ぶ
わたくしは自由に生きる