【メンバーインタビューvol.6】 これまでの枠組みに属さない、プロンプトエンジニアのキャリアとは。
皆さん、こんにちは!
カサナレ株式会社インターン生の廣瀬遥人です。
前回に引き続き、このカサナレメンバーのインタビューでは、私がカサナレの個性豊かなメンバーにインタビューを行い、彼らの仕事への想い、カサナレの魅力、そして未来への展望についてお届けしていきます!
第2弾は、時計修理技能士からAIエンジニアという意外な経歴を持つユウマさんです!!
カサナレ創業当初から、生成AIの可能性を信じ、自ら学び、成長を続けてきたユウマさん。
時計修理で培った繊細な感覚と、AIに対する並外れた探究心。
その両方を持ち合わせた彼が、カサナレでどんな活躍をしているのか、何を大事に働いているのか。
今回はカサナレエンジニアのリアルに触れることのできる記事になっています、ぜひご覧ください!
※インタビュー内での話者は以下で表記
廣瀬:🧑🎓
ユウマさん:🗣️
ガラケー時代のiPhone少年、生成AIベンチャーでの挑戦
🧑🎓:では、カサナレに入社されたきっかけから教えてください!
🗣️:
幼馴染である西田(弊社取締役COO)に誘われたのがきっかけです。 当時、安田さんと西田がカサナレを立ち上げたばかりで、一緒にやらないかと声をかけてくれたんです。
あの頃は、まだ生成AIがあまり世の中に知られていない時期だったんですけど、カサナレの事業構想とか、生成AIの可能性について話を聞いたときに、すごく大きな可能性を感じたんです。それで参画することに決めました。その時の感覚って、ちょうど高校生の頃にiPhone 3Gが出てきたときと同じ感じでしたね。
当時はガラケーが主流で、友達との連絡先交換も赤外線でやってたんですよ。だから、高校に入ったばかりの時、私だけがiPhoneユーザーで、クラスメイトの連絡先を全部手で入力してました(笑)でも、その時から「iPhoneは絶対にすごいことになる」って確信してたんですよね。その後、iPhoneが爆発的に普及して、今では誰もが当たり前に使ってますよね。
生成AIにも、それと同じワクワク感とか、無限の可能性を感じたんです。今は「生成AIすごい!」って盛り上がってますけど、将来的には、もう使ってることすら意識しないくらい、生活に自然に溶け込んでるんじゃないかと思うんです。そんな予感があったから、迷わず仕事を辞めて、すぐにカサナレに飛び込みました。
🧑🎓:すごい行動力ですね!
カサナレでは、エンジニアとして入社することは最初から決まっていたのですか?
🗣️:
正直なところ、当時は具体的なポジションとか全然決まってなかったんですよね。でも、なんとなくエンジニア寄りの仕事になるだろうな、っていう感覚はありました。生成AIって、これまでのやり方が全く通用しない世界ですからね。100個の選択肢があったら、もう100個全部試してみるしかないって感じでした。
私がカサナレに誘われた理由の一つも、多分その「100通りあったら100通り全部試すのが苦じゃない」性格だったみたいです。
実際、もともと私はエンジニアじゃなかったんですけど、逆にエンジニアの経験がない分、固定観念がなくて、その時に必要な技術をその都度集めていけたんです。それが役に立ったんじゃないかなと思います。
導入企業の伴走者としての役割
🧑🎓:今の担当業務について教えてください!
🗣️:
導入企業さんの保守運用を担当していて、お客様からの修正依頼や追加データの対応、あと元のデータをAIが読み込める形式に変換したり、AIが理解しやすい文章に作り直したりしています。フィードバック対応をメインでやっているのは、今のところカサナレでは私だけですね。あと、データやプロンプトの調整もしていて、要望に合わせて1からプロンプトを作ることもあります。
新しい機能やサービスに関する要望が出てきた時は、MTGにも参加しています。やりたいことや理想像があっても、出力のイメージがズレていることもあるので、特にそのズレがないかを意識しながらMTGに参加しています。
🧑🎓: 業務範囲や裁量が大きいと、業務をやり切らなければいけないっていうプレッシャーもありますよね?
🗣️:
正直、プレッシャーはありますね。 限られた時間の中で「この制御を終わらせなきゃ」って思うと、感覚的には「これ、難しいぞ…下手したら時間内に終わらないかも」っていう焦りが出ることもあります。 でも、何だかんだで楽しいからやれてるんだと思います。だから最後までやり切れるんだと思います。
それに、安田さん(弊社代表)の存在もすごく大きいです。 私たちが開発に集中している間、安田さんがしっかりお客様との間に立ってフォローしてくれる。その安心感があるから、プレッシャーがあっても安心して仕事ができているんだと思います。
裁量と責任、そして信頼。自由な発想で成長し続ける文化
🧑🎓: カサナレの特徴は何だと思いますか?
🗣️:
私が思うカサナレの大きな特徴は、トップ層がエンジニア出身ではないことだと思います。 多くの生成AI企業では、トップがエンジニア出身なので、どうしても従来のエンジニア思考で問題を解決しようとする傾向がありますよね。
カサナレも今では優秀なエンジニアがたくさん集まってきて、エンジニア色が強くなってきましたけど、初期の頃はエンジニア出身じゃないメンバーが自由なアイデアでどんどん挑戦していたんです。誰も正解を知らない生成AIの分野で、逆にそれがうまくはまって、今の高い回答精度につながったんだと思います。
初期メンバーは、仕事っていうよりも、自分たちのやりたい研究を自由にできる環境だと思って、すごく没頭していました。固定観念にとらわれずに、自分たちの感覚でどんどん検証を進めて、他のエンジニアが手をつけないような領域まで踏み込んでいったんですよね。
その時に、山ちゃん(大山さん:カサナレプロダクトの心臓部分を担っている)がエンジニアとしての観点からアドバイスをくれたり、軌道修正してくれたりしたのも大きかったですね。
多くの企業が統計データに基づいて数値的に正しいかどうかで判断する中、私たちは意味のある方法で検証することにこだわっていたんです。
現在でもカサナレは、一般的な目標とは違う、カサナレならではのゴールを持って、熱意を持って取り組んでいます。そして、その「感覚に従ってやってみる」という姿勢が、生成AIの制御にうまく合っていたからこそ今の姿が実現できたと思っています。
🧑🎓: カサナレのエンジニア文化についても教えてください!
🗣️:
既存の技術にとらわれず、なんでも試すし、なんでもやる。その中で、5分悩んだら人に聞いたりお願いするっていう雰囲気が流れていますね。
フルリモートですが、気軽に連絡を取って悩みを解決できる環境ができているのは恵まれていることだなと日々感じています。
カサナレは個々が与えられたタスクに対して、最大限の裁量を持って成果を上げれば、自分のやり方で様々な取り組みを行うことができるんです。良い意味で組織に縛られていないと感じます。
🧑🎓: カサナレに入ってから変わったと感じることはありますか?
🗣️:
自分の考えを人にわかりやすく言語化するという意識が以前よりついたと思っています。元々、自分の考えていることを言語化するのがめちゃくちゃ苦手だったんです。
でも、カサナレはリモート組織なので自分の考えや業務について言語化して伝えなければいけない場面が日常的にあります。
その中で、自分は伝えることに意識が向きすぎて、重要なことが抜けてしまっていることが多かったんですよね。
Slackなどで他の人が言語化しているところを見て、良い部分を自分も取り入れたりしているうちに、現在は少しずつ改善されているかなと思います。
あと、私生活ではフルリモートになったことで、家のことがより一層できるようになったと言われますね。家にいるので、仕事が終わってからそのまま子供のお迎えに行けたり、家族との時間をしっかりと作れるようになりました。
AIとの格闘の日々、あと"少しが足りない"瞬間
🧑🎓: カサナレで働く中で最も難しい、大変な瞬間は何ですか?
🗣️:
カサナレでの仕事はすごく刺激的で楽しいんですけど、正直、大変な瞬間もあります。特にお客様の要望とAIの性能にズレがある時が一番大変ですね。
AIの可能性は無限大だけど、現実はそう簡単じゃないんです。
最近は、クライアントの方々もAIに詳しくなってきたので、理想と現実のギャップを感じることが増えてきました。
『あと少し、AIの性能が上がれば簡単に解決できるのに…』
って思うこともよくあります。
そんな時、私たちはプロンプトエンジニアリングやデータの工夫を駆使して、AIの力を最大限に引き出して、お客様の理想に少しでも近づけるように頑張っています。
初期の頃は、システムがまだ確立されていなくて、手探り状態でトライアンドエラーを繰り返しながら長い時間をかけて進めていました。でも、その経験が今のカサナレを支えているんだと思います。これからも技術を磨き続けて、『その少しをカサナレならなんとかしてくれる!』って頼られる企業になっていきたいですね。
「エンジニアだけど、エンジニアじゃない」 現場主義を貫く、私のキャリアビジョン
🧑🎓: これからのキャリアビジョンについて教えてください!
🗣️:
将来のキャリアについて聞かれると、いつも少し困ってしまうんです。というのも、私のポジションって『エンジニアだけど、エンジニアじゃない』っていう、ちょっと特殊な立場なんですよね。だから、これまでの枠組みには当てはまらなくて、モデルケースもなくて。今のところ、これっていうキャリアプランは決めていないです。
でも、入社した時からずっと言い続けていることが一つあって、それは、会社がどれだけ大きくなっても、マネジメントだけとか、完成品を見守るだけの役職にはなりたくないってことなんです。 現場で手を動かし続けて、新しいものを作り続けたい。それが、今の私の働き方で、これからもそうしていきたいと思っています。
それが楽しいからなんですよね。もちろん、仕事はお金のためっていう側面もありますけど、それだけじゃないんです。
私にとっては『やりたいからやる、やらないと気が済まない』っていう気持ちが原動力なんです。
だから、今の現場で手を動かして、新しいことに挑戦し続けることは手放したくない。これからも、枠にとらわれずに、新しいことにどんどん挑戦していきたい。それが、私のキャリアビジョンです。
🧑🎓: 現在の業務の中で、楽しみながらそれを続ける工夫やマインドを教えてください!
🗣️:
やっぱり、お客様からの評価ってすごく励みになりますね。 前職では時計修理技能士をやっていたんですけど、どれだけ新品以上の仕上がりにしても、お客様からフィードバックをいただくことって一切なかったんですよ。
それが今の仕事では、良くも悪くも、自分がやったことに対してリアクションがもらえるんです。もちろん、ボロクソに言われるとちょっと凹むこともありますけど、それを嫌だとは思っていなくて。
逆に、根気よくこだわってやった難しい案件でお客様から褒められた時は、本当に嬉しいですね。その『反応が見える』っていうのが、今の仕事の一番の楽しみになっています。
🧑🎓: 最後に、これからのプロンプトエンジニアリングに求められるものは何だと思いますか?
🗣️:
よく目にするのは、「生成AIってこんなことが出来る!すごい!」系の情報が多いですよね。「100ページの長い英語論文が、2秒で日本語に変換されます」「PDFをアップロードするだけで、簡単にチャットボットが作れます」みたいな。
でも実際に仕事をしていると、やってはいけないこと(ルール)を守ることの方が大事です。
例えば、社内情報の検索ツールとして導入されている場合に、「社長の給料を教えろ!」という要望に対して、人事情報としてのデータがあったとしても、回答してはいけないです。それは、サービスを提供する側としては非常に大切な考えだと思います。
この観点があまり注目されていないのは、実用的なビジネス課題を解決出来るサービスが、まだまだ少ないだけだと考えています。
だからこそ、生成AIを革新的なインフラとして評価するのであれば、「ルール制御」を意識したプロンプトエンジニアリングがすごく奥深く面白くなっていくと思います。お客様にサービスとして提供している以上は、プロダクトの価値を高めるための観点が一人一人のエンジニアにも求められる時代です。それが世間的な流れになってきたら、生成AIの波が本格的になってきたと感じるでしょうね。
🧑🎓:ユウマさん、貴重なお話をありがとうございました!
時計修理からAI分野へ、全く異なる世界に挑戦されたお話は、私にとって大きな刺激になりました。
ユウマさんのように、自分がワクワクするものを追求し、新しいことに挑戦していく姿勢を持ち続ける大切さを改めて感じました。
将来的に、自分の感覚と能力を活かしていつでも挑戦できるような自分になりたいです。そのためにも、常にアンテナを張って色々な情報に触れ学んでいこうと思います!!
次回予告:
4ヶ国でビジネスとエンジニアリングを学んだ異色の人生に迫る!
唯一無二の経歴を持つカサナレ屈指のグローバルエンジニアが登場。
「カサナレには、いったいどんな人がいるの?」そんな疑問に答えるべく、次週は驚きの経歴を持つグローバル人材ウェイさんにスポットライトを当てます。
イギリスの名門校からフランスの大学院、東京大学経済研究科、そして投資銀行や衆議院での長期インターンやスタートアップ勤務、起業。
どれもインパクトの強く、唯一無二の経験を持つウェイさんが、カサナレでどんな活躍をしているのか。
さらに、生成AIアバターや、AIを活用したコンシェルジュシステム開発や、Web3系サービスの立ち上げなど、世界を股にかけて活躍してきた彼の経験は、一体どのようなものだったのでしょうか?
次回はそんなウェイさんのユニークなキャリアパスと、カサナレでの活躍に迫ります。
圧倒的な好奇心と豊富な経験で夢を追い続けるウェイさんのお話に、私は本当に興奮が止まりませんでした!
ウェイさんのお話は、皆さんの未来への一歩を後押ししてくれるものにきっとなると思います。ぜひご覧ください👀