ホラーリスト(簡易版)
noteを休んでるあいだに何をしていたかというと、ホラーにハマっていた。
急激に、唐突に、特にこれといった理由も無くいきなりブームが来たのでむさぼるように毎日せっせとホラーを摂取していた。
一応これまでもホラーと名の付くものは漫画やゲームや映画などある程度通ってきた方だと思う。でもそれは、例えば「作者のファンだから」とか「友だちに勧められたから」とか「有名だから」とかいう理由で触れてきたに過ぎず、自ら積極的に摂取してきたわけではない。どちらかというと怖いのは苦手だ。
ホラー映画を嬉々として観に行き、渇望するかのように小説を読み漁る人の気持ちは理解できない、とまでは言わないにしても「すごいなあ」という感じでいわば「管轄外」のものと感じていた。だってなんか暗い場所とかお風呂場とか妙に怖く感じたりするじゃないですか、ホラー小説を読んだ後って。怖い映像が頭に残ると夜寝付きが悪くなる気がするし。君子危うきに近寄らず。苦手なものは苦手なものとして割り切るべき。というのが私の基本方針なのでした。
んが、
夏にかけて唐突にやってきたホラーブーム。ホラー小説を読みあさり、ホラー映画を観まくり、ネットロア怪談や都市伝説について調べ、ホラーゲームに興じる日々が始まります。まるで水を得た魚。あれほど遠ざけていたはずのホラーが楽しくて仕方無く、来る日も来る日もホラーづけ。今後これほどホラーに入れ込むことは無いんじゃないかと思うくらいホラーを渇望する状態に突入。それこそ何かに取り憑かれた有り様でした。いまだに何がきっかけでこんなにハマったのかはよくわかりません。ただ、読んだことの無い・観たことの無いホラーの名作がまだあること、それ自体にひどく胸が躍り、嬉々としてホラーを吸収していたのです。それはもう刺激的で、楽しい、充実した時間だったわけでありまして。
で、せっかくなので個人的に好きなホラー作品リストを作ってみることに。一言感想も付けてみたけれど長くなりそうだから作品数は適当に絞って書いてみる。
念の為、怖いのが苦手という方は注意。ただの簡易リストですが、字面見るだけで怖いものって怖いですもんね。
映画
『シャイニング』
有名な作品なので映画好きならだいたいみんな見てると思う。原作小説を読んでみたら結構内容が違くて驚いた。トニーのシーンを友人と真似して遊んだ思い出。
『ゲット・アウト』
おばけも怪物も出てこない新しいタイプのホラー。ジョーダン・ピール監督の作品はどれも面白い。
『エイリアン』
SFホラーの傑作。傘籤はだんぜん「1」推し。
『哭声/コクソン』
辺境の村に行く系の話。國村隼の顔を良い具合に有効活用してる。
『ミッドサマー』
これも辺境の村に行く系のホラー。明るい場所の映像ばかりなのに異様に怖い。
『悪魔のいけにえ』
夕陽を浴びながらチェンソーを振り回すレザーフェイスがすごく綺麗。
『黒い家』
大竹しのぶに注目しよう。すごいから。あと、ところどころ意味不明な台詞があって笑えばいいのか怖がればいいのか反応に困る。
『悪魔とよふかし』
浮遊感漂うテレビ番組風のモキュメンタリーホラー。徐々にスタジオがめちゃくちゃになっていくのが楽しい。
『キャビン』
予想の斜め上にぐんぐん進んでいく様が気持ち良いしスカッとする。その分ホラー成分は薄め。
『REC』
低予算のPOV×ゾンビパニック×室内ホラー。撮影者のパブロがイケメンで惚れる(顔映らないけど)
などなど。以下の作品も好きなやつ。
『ゾンビ』『死霊のはらわた』『遊星からの物体X』『CURE』『サイレントヒル』『貞子VS伽倻子』『ヘレディタリー 継承』『エクソシスト』『死霊館』『スクリーム2』『死霊館 エンフィールド事件』『コンジアム』『Us』『チャイルドプレイ』『マリグナント 凶暴な悪夢』『来る』『イットフォローズ』『死霊館のシスター』『ジェーン・ドゥの解剖』『テリファー』
漫画
伊藤潤二作品全般
どれかひとつだけ作品を選ぶとしたら「長い夢」になると思う。
『青野くんに触りたいから死にたい』
ラブコメちょいエロオカルトホラー。愛と呪いの二重螺旋。
『コワい話は≠くだけで。』
人から聞いた怖い話を漫画にして紹介するエッセー漫画、という体裁の漫画。作者がおかしくなる終盤が見物。
他、『栞と紙魚子』『僕が死ぬだけの百物語』『感受点』なんかも好き。
小説
『ミッドナイト・ミートトレイン』
5つの話を収録した短編集でいずれも良作。中でも表題作と「丘に、町が」は圧倒的。地獄をこんなに禍々しく鮮烈に描けるだなんて!
『淵の王』
二人称でありながら語り手が自我を強く押し出してくる小説。闇をぶん殴る方法とそれを成し遂げる勇気を教えてくれる。
『夜市』
エモーショナルなホラー。怖さよりも切なさが勝る。
『エクソシスト』
大筋は映画と同じだけど小説版のが好き。愛と愛と愛についての物語だ。
『口に関するアンケート』
アンケートでびびったのは初めてでした。
『玩具修理者』
表題作もすごく怖いけど、同時収録されている「酔歩する男」はループSFとして見てもすごく面白い。
『拝み屋怪談 花嫁の家』
関係なさそうなエピソードが突然繋がる場面が特に怖かった。
他、『フランケンシュタイン』『インスマスの影』『霧が晴れた時』『深夜百太郎』『裏世界ピクニック』『アイ・アム・レジェンド』『夜の声』『丘の屋敷』『パラサイト・イヴ』『首無しの如き祟るもの』『青蛙堂鬼談』『夜行』『シャイニング』『近畿地方のある場所について』『禍』『オフシーズン』『懲戒の部屋』などなど。小説だと想像力が働いてより怖く感じることが多い気がする。
ゲーム
『バイオハザード』
ゲーム的に見ると「2」か「4」が面白いのだけど、ホラーとして見ると「1」がおすすめ。
『サイレントヒル2』
PS2版はPS2版で、登場人物たちのいまいち噛み合ってない会話とか、クリーチャーのカクカクした動きとかがキモくて良い。
『SIREN』
いままで遊んだ中で一番怖かったゲーム。そして一番難しかったゲームでもある。
他、『ゆめにっき』『LIMBO』『8番出口』など。なんかもっと他にも遊んだ気がするけど思い出せない。思い出したら追記します。
???
分類しにくい作品。ジャンル不明の作品たち。
『戦慄怪奇ファイルコワすぎ!』
モキュメンタリーホラー。なのだけど、少年ジャンプの能力バトルみたいなノリで口割け女や河童と戦ったりする。インフレ具合が最高に楽しく面白い。大好き。
『忌録: document X』
電子書籍のみで販売してる本で、YouTubeや個人サイトへのリンクを用意してるのが特徴。すごく怖いのでもう読みたくない。
『雨穴さん』
WEBライターでありYouTuberでもある謎の人。『変な家』や『変な絵』はまず動画で見るのが吉。
他、2chの洒落怖、SCP財団、フェイクドキュメンタリーQ、The Backroomsなどにハマってました。
※ ※ ※
というわけで夏にかけて楽しんだホラーおよび傘籤が好きなホラーの紹介でした。ざっくりしてますが。
ホラーって素敵ですね。SFともミステリーとも違う、このジャンルでしか味わえない栄養・興奮・切なさ・笑い・奇妙さ・凄み・文学性・エンタメ性・静けさ・昏さ・愛・強烈さ・光・闇・願いがあるなあとしみじみ感じます。その中心にある「恐怖」とは人間の根源的な情動であり、読むことで、観ることで、触れることで、日常生活において普段は見ていなかった部分にまで何かを見出してしまうような、そんな視界が開いていく興奮がありました。
まあ正直に言うと、小説は10冊くらい読んだあたりから、映画は10本くらい観たあたりから、よっぽど強烈な作品でない限りほとんど「怖い」とは感じなくなってきていて、ああ、恐怖って案外簡単に慣れるんだなあとも思ってましたが。ホラーは短期間で摂取しすぎると食傷気味になりますね。なんでもそういうものですけど。
なんにせよ、ホラーのことをより深く知ることができたこの期間はとても素敵なものでした。
小説と映画については後でもっと詳しく個々の作品についての記事を書くかも。書かないかも。