家守綺譚 炉辺の風おと
以前投稿した中で、私が繰り返し読んだ本として椎名誠さんが書いた「パタゴニア」を挙げましたが、もう1冊繰り返し読んでいる本があります。
主人公の綿貫征四郎は駆け出しの物書きで、行方不明になった友人宅の守をすることになりーサルスベリ、ススキ、ブドウなど28の植物を題材にした短編集で、竜や小鬼、そして亡くなった友人なども出てきます。1つの物語が短いので読みやすいです。そんなに多くない文量ですが、日々の生活の中で季節や自然を慈しむ描写に心惹かれる、梨木さんの思いが詰まった作品です。自然や植物が好きな人におススメです。山寺の和尚と囲碁を打つ場面もあるので囲碁を打つ人にも。
私は主人公とその生活に憧れていて、自然の豊かな場所で、質素でも毎日を大切に生きたいと思っています。noteを始めたのも物書きを生業とする主人公の影響かもしれません。
梨木さんの本は、小説だけでなくエッセイも多く読んでいます。文庫版の表紙が目を引く「春になったら苺を摘みに」を読み、理解はできないが、受け入れるーという寛容ではあるが自分の意志を持つ、今の時代に必要な相手との適切な距離の取り方を学べました。
9月19日に梨木さんのエッセイ最新作「炉辺の風おと」が発売されるので、連休中にゆっくり読もうと楽しみにしています。皆様も良い連休を!
参考文献
家守綺譚/梨木香歩/新潮社/2004年 春になったら苺を摘みに/梨木香歩/新潮社/2002年 炉辺の風おと/梨木香歩/毎日新聞出版/2020年
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