#61 Salaryの謎 〜塩だけに、しょうがない話〜
Salaryが「塩」saltと何らかの関係があることは、高校生の扱う英文にもよく出てくる。実際、英語語源辞典を見ると、salaryの項目には以下のように述べられている。
Etymonlineでも、Lewis and Short (1891)のA New Latin Dictionaryの中の、"salt-money, soldier's allowance for the purchase of salt"を紹介している。つまり、salaryは塩と関連のある言葉と言える。
しかしながら、雑誌「英語教育」の7月号p.53に、単語salaryについて、「塩が給料そのものだったからという説明が多いが本当だろうか」と疑義が掲載されている。そして、逸見氏の下記のサイトのコラムを紹介している。
逸見氏は、時代や文献を丁寧に説明し、「塩との関連あり」ということが、いつの間にか「塩を支給」「塩代を給料とした」などの通説、俗説となった可能性を示している。
では、辞書ではどうなっているのだろうか。Merriam-Websterは上の逸話氏とほぼ同じ論考をNoteとして掲載している。
ここまで考えると、salaryについて、給料自体が塩または塩代だったというのは、多くの辞書等にその由来として掲載されているが、実際には、通説である可能性もあるというのが妥当なところだと感じた。塩だけに、しょうがないなと思ったとかなんとか。
今日はこんなところです。
今日のWords of the day. さまざまな辞書から。
castigate (v) 激しく叱責する。 ラテン語castus "pure" (see caste) + agere "to do"から。印欧祖語*ag-へと遡れる。
align (v) 古フランス語のalignier = à "to" (see ad-) + lignier "to line"から。
(眠いので、続きはまた明日。)
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