WD#34 jun6
今日、慶應の堀田先生のVoicyを聞いていたら、Xの意味の社会学意味の変遷についての話題で、聞きながら、ふとniceの意味の変遷を振り返りたくなった。時として、善悪の意味を持つ単語はその意味が逆転したりする。niceもその1つであり、もともとはラテン語のne- "not" + scire "to know"で「無知な」と言う意味だが、フランス語を経て英語に入り、中英語では「愚かな」という意味が中心で、それからだんだんと変化し、「親切な」→「良い」となった歴史もまた、堀田先生のBlogに載っている。
それが逆に良い意味から悪い意味に変化したのがsillyだ。
最近、このniceやsillyと同じような意味変化をしているのに出会った。普段から、Voicyで瀬沼さんの放送を聴いているが、昨日の放送では、"sick"について、slangとしての「いいね」という意味が紹介され、今日は"killing it"で「殺す」ではなく、「(仕事などを)片っ端から終わらせる」などの意味になっていることが紹介された。調べてみると、MWにも同じように"She killed the audience."で「彼女は観客を魅了した。」という意味になっており、意味変化が生じているのが分かる。善悪のどちらが優勢になるかは他の単語との関係等もあり、凡人には計り知れないが、ゆっくりとした変化は常にその兆しを我々に垣間見せる。
つまり(in a nutshell)、何を言いたいかというと、意味が良い、または悪い単語は常に意味が逆の方向に触れる可能性があるということだし、普段からもその変化にたまに出会うということだ。最近、そんな瞬間に出会う機会があり、喜ばしい(nice!)と感じた。
今日のWords of the day. さまざまな辞書から。
moxie (n) 活力。MWのWDだが、元は飲み物から転じて現在の意味に。nerve、verve、oeuvreの3つの「元気」ネタが紹介されていて、楽しかった。
ecotecture (n) ecoな建設デザインの家などのこと。環境シリーズだが、一応googleで画像検索したら、自然いっぱいの家などが検索された。
arid (adj) 乾いた。昨日のWDがadriftだったので、a+ridかと思ったら、そうではなく、ラテン語arere "to be dry"から。
ooze (v) 滲み出ること。ギリシャのお酒のウーゾも同語源だっけ?と調べたら全然違った。