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#183 【WD】今週のWords of the day. 辞書の「今日のことば」たち

早いもので、また1週間が過ぎた。振り返ってみると、今週のチャレンジは、何といっても、Stand.fmを始めたこと。まだまだ不慣れなので、少しずつアプリ操作などに慣れていきたい。

さて、今週の辞書の「今日のことば(Words of the Day)」。前回の続きの1月26日〜31日の「ことば」を集めた。

OED

OEDは26日から順に、以下の単語だった。相変わらず面白く、そして誰がなぜ下の語句を選んだのか気になる。例によって、気になったいくつかの単語についてコメント。

purpurascent(紫色の)
haggis bag(胃袋)
kibitzer(トランプなどで後ろから余計なことをいう奴)
galbi(カルビ)
Brigadoon(ブリガドゥーン)
omniverbivorous(言葉中毒)

OEDのWD(Jan 26-31)

haggis bag:haggisは古フランス語 $${\textit{hacheiz}}$$ 「ミンチ肉」由来のようだが、転じて腸や内臓の意味とも。G6(英和辞典ジーニアス第6版)には、スコットランドの用法としての「ハギス 《刻んだ羊や子牛の臓物を胃袋に入れて煮込んだ料理》」と掲載されている。haggisの愛好家は多いようで、検索すると多くの投稿や記事が見つかる。

kibitzer:etymonlineによると、イディッシュ語の動詞 $${\textit{kibitsen}}$$ 由来。Kiebitzという(きっと鳴き声のうるさい)海鳥の名(英語ではlapwingと呼ばれる)から転じてドイツ語に入り、さらにイディッシュ語「部外者として不当な助言をする」と変化した。英語に入った後、上の意味からさらに転じ、G6では「いらぬおせっかいをする人」と一般化した意味が掲載されている。トランプなどで後ろから余計なことを言う人がいるので、名前がついていたのかと一安心(?)。ついでに車の運転やPC操作している時に、後ろからあーだこーだ言う人の名前もつけてもいいかも。しかし元の鳥も勝手に色々と意味をつけられて迷惑だと思う。


Brigadoon
日本語に訳せないですが何か? という単語。ながーーーーーい話を短くすると、100年に1度しか出現しないブリガドゥーンというスコットランドの街に関する恋愛ミュージカル劇、あるいは街そのものを指す。詳しくは、英語版Wikipediaにあらすじが掲載されているので参照されたい。言ってみれば、この語を日本語にするのは、「dumbledoreを和訳せよ」に近いのかもしれない。

なぜ、この単語がOEDの「今日のことば」に選ばれたのかは本当にナゾ。

omniverbivorousomnivorousが「雑食性の」転じて「何にでも興味のある」。途中にverb(言葉)を挿入することで、「言葉なら何でも興味のある」になる。まさに語源中毒ことetymholicを指す言葉と言えるだろう(なぜか鼻高々)。

MW

MWことMerriam-Websterには、1月26日〜31日に以下の6つの単語がWDとして選ばれた。MWの場合は、各語のエントリまたは「今日のことば」に、"Did You Know?"の項があり、単語の由来などについて書いてある。

circuitous(回りくどい)
edify(啓発する)
sward(草原)
facetious(ふざけた)
audition(オーディション)
encroach(侵害する、侵食する、制限する)

MWのWD(Jan 26-31)

facetious:"Did You Know?"に掲載されているのは、この語の語源ではなく、この単語では母音がアルファベット順に全て1回ずつ使われていることである。同じ種類の語として、 abstemious(禁欲的な)、arsenious(ヒ素の)など、そして、逆順として subcontinental(亜大陸の)などが紹介されている。語源中ことetymholicだったら、覚えていても損はない語だ

sward: 皮といえば、現在の英語でも、leather, fur, hide, bark, rind, peel などいろいろあるが、古英語では、現在のbaconの皮rindに意味が近い sweard / swearth もあったとされる。それが転じて、地球の皮=「草原」の意味になったとのこと。ちなみにKDEEには、swarthも掲載されており、意味も「[OE]皮、草原」と完全にswardと二重語である。

encroach:もともとはen "in" + croche "hook"だが、クロシェ編み(かぎ針編み)で知られる crochet にその意味が残っている。幼い頃、この編み方で作られたテーブルクロスを母親の実家でよく見ていたのを思い出す。

まとめ

今週のOEDとMWのWDについてまとめた。今週、個人的に気になるのは、Brigadoon、omniverbivorous、facetiousだった。Brigadoonは、70年ぐらい前、つまり20世紀中頃に映画化およびテレビドラマ化したようなので、Netflixなどで現代風にアレンジして復活もあり得ると感じた。売れそう。

今日はこんなところです。

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