#115 ローマのJuno Monētaの丘
ふと、moneyの語源は何か調べていないことに気づいた。語源に関する「あれ!?」と不思議に思う瞬間はいつも突然に来る。今回もその一例となった。
すぐに英語語源辞典こと、KDEEで調べる。まず語源については、以下のように掲載されている。
Capito line hillは、ローマの7丘と呼ばれる丘の中で、最も高い丘であり、カンピドリオ (Campidoglio)と呼ばれている。現在では、ローマ市役所があるところだ。最初のcampのところは、印欧祖語*kaput- "head"に由来するので、capitalとも繋がりのある語(c.f Capitol Hill)。
ここに女神Juno Monēta を祀る神殿があり、その神殿でお金が作られたと言われている。やがてそこで造られる青銅貨を monēta と呼ぶようになった。なお、KDEEによれば、ラテン語からフランス語に入った時にtが落ちたとのこと。
Juneの由来となったJunoの姓または通称のMonētaについては、諸説ある。そのため日本語版のWikipedia(クリック)と英語版(クリック)でそれぞれ説明が異なり、興味深い。
tが落ちなかった二重語
実は、tが落ちなかった語もある。それはmintという語で、現在は造幣局や大金といった意味である。このため、mintとmoneyは二重語となる。ただ、いわゆるミントチョコなどのミントとは異なり、古英語では、minteとmynetと綴りも異なる(後者がお金のほうだ)。
money for jam
ところでKDEEには、money for jam 「あぶく銭」というフレーズが載っている。1919年に初出で、第1次世界大戦中に、軍隊 でジャムをふんだんに使ったことに由来するという。
ちょっと調べただけでも、このフレーズに関するさまざまな由来がでてくるが、「簡単に入手できるものに対するお金」のことであり、Easy come, easy go.をも思い出すフレーズである。
今日はこんなところです。