#89 まだあるイタリア語関連(あるいは誕プレはどうするか問題)
イタリア語ネタでどこまで引っ張るのか・・・という声が聞こえそうだが、これで最後。今日の投稿はかなりDad jokeに過ぎるとお叱りの声も聞こえそうなので、真面目な方は静かにブラウザをそっと閉じていただければこれ幸い、である。
誕プレのことを思いついた経緯
いつもの通り退勤時間が近づき、筆者がソワソワしていると、同僚はもっとソワソワしていた。そして、おもむろに「今日は早く帰ります」との宣言が同僚が出された。いつも退社が遅めの同僚のその発言に少々驚いたが、よく聞くと家族の誕生日らしかった。
皆がすぐに、今日持って帰るべきものは、花だケーキだ現金だと述べ出す中、筆者はおごそかに宣言した。ソースを持って帰るべきだ、と(誰も聞いていなかったが)。できれば、サルサソースを持ち帰るべきだ、と(やっぱり誰も聞いていなかったが)。その時、筆者の中でどどーんと溢れ出た誕プレを渡すシーンを解説したい。
ここでおさらい
イタリア語の男性名詞は、語尾 o が複数形では i になる。ちなみにソースはイタリア語で sugo である。男性名詞!
ソースを誕生日プレゼントにする時の手順
さて、何がなんだかと思われていると思うが、誕プレを渡すその手順である。ここまできたら最後までお付き合い願いたい。
(1) BGMとして、Ofenbach & Nich Waterhouseの今は懐かしいKatchiを用意しておく(筆者の好みである)。
(2) KALDIで、ソースを2種類買う。KALDIがなければ、スーパーでヘルメスソースとサルサソースがよい(ヘルメスは美味しい)。とにかくソースを2種類買う。味にはこだわらない。買うことが大事だ。
(3) 家に帰り、いよいよ誕プレを渡すシーン。花とか大事なものをまずは渡す(大事)。そして、「ポチッとな」と言いつつ、BGMスタート。BGMにあわせて(合わせられるものなら)、「ドゥルルル・・・」と口でドラムビートを奏でつつ、ジャン!と言って、ソース1種類目をおもむろに出す。家族からの凍てつく波動。刺さりすぎる冷たい視線。でも負けてはいけない。
(4) 再度「ドゥルルル・・・」と口でドラムビートを奏でつつ、ジャン!と言って、ソース2種類目を出す。誕生日に机の上に置かれた2つのソース。シュール。そして、家族の?マークいっぱいの顔。
(5) その瞬間に「解説しよう!」と少しだけ大きな声で言う。ここで負けたらダメ。100%の笑顔が必要である。ここが1番の見せ場だ!そして、宣言する。「ソース1つではイタリアではスーゴ(sugo)!、2種類あるとスーギ(sughi)。私にとって、いつもあなたはスーゴスーギ!」そういって、拍手をする。
(6) 最後に、家族からもらいたい言葉はただ1つ!「ソースか。」やったね!
・・・ぜひこの手順で誕プレとしてソース2種類を渡してほしい。一生で一回しか試せないが、試した人はぜひ結果を教えていただければと思う。筆者にはできない(おい!)。
サルサソースについて
サルサソースを用意すると、言語学的には非常に素晴らしい感じになる。なぜなら、サルサはスペイン語でソースという意味だからだ。つまり、サルサソースならソースソースとなり、おっと、1個なのに複数?というボケも可能である。なお、ここまで来ると、家族の誰もついてきていないと思われるが、最後までやり切ることが大事である。寂しくなったら、ガルシア=マルケスの百年の孤独を読めば少し癒される。
最後に
このままでは、英語史と関係なくなるので(本当に関係したいのか?)、sauceの語源を確認するとKDEEこと「英語語源辞典」では、ラテン語salsus (salted) → VL salsa → 古フランス語 sause, saulse → フランス語 sauceを経て、1340年ごろ中英語に入ってきたらしい。もともと「塩味のつけられた」ぐらいの意味だったことがわかり、興味深い。ちなみに形容詞saucyの項目を見ると、1828年ぐらいに「気の利いた、いきな」という比喩的な使用も見られ、長年に渡る言葉の変化についてしみじみ思いを馳せることも可能だ。
・・・もう、これ以上は何をどうすればまとまるかわからないので(^^)/、今日はこんなところです。