ニ長調
鹿児島で今日(5/11)、梅雨入りの発表があった。
なんとも早い。春が駆け抜けていってしまったようだ。
ヨーロッパ。特にドイツ語圏の5月は希望に満ちた、これから春が始まる季節だというのに。
シューマンの「詩人の恋」は美しい5月にという曲で始まり、
失恋の悲しみに満ちたシューベルトの「冬の旅」 の1曲目にも、5月は優しく私を迎えてくれたという歌詞がある。
ようやく長い冬が終わり、光と新緑が溢れてくる5月…
光溢れる音楽といえば・・・ニ長調っていいですね!!(強引)
ブラームスの2番、マーラーの1番(9番もだ!)、シベリウスの2番、ハレルヤ、威風堂々、歓喜の歌、宗教音楽のサンクトゥス、有名なヴァイオリン協奏曲から恋するフォーチュンクッキーまで!!
弦楽器が明るく輝かしく響くのは開放弦に共鳴するからだろうか。
D線はヴァイオリンからコントラバスまで全ての開放弦にあり、かつ一番端ではなく共鳴しやすい太さ。
チェロを弾いていても、D線のFにはシャープを付けたくなる。
ヴァイオリンのE線なんてハーフにしないとFは取れないからもっとなのかも。
調性を色に例えるとき、ニ長調が黄色とよく言われるのは分かる気がする。
原色よりも真昼の太陽の光のような淡くて強い黄色。
個人的には、ハ長調がまっさらな紙の白、ト長調が空の青、イ長調が赤、ヘ長調に黄緑を感じる。
Esは自然の色でなくて人間社会。
ニ短調がニ長調に変わる瞬間のFisが好きすぎる!
メンデルスゾーンのトリオのラストとか光が差し込んでくるような!!
・・・そして逆に、最も哀しいニ長調を書いたのはシューベルトかな。
ふつう、叶わない恋を24曲使って描くなら楽しい時期もちょっとは書きません?
でも冬の旅は1曲目から失恋して去っていき、残り23曲でひたすら未練を歌いつづける。最後は私が神になろうとか言い出す。
1曲目。愛はさすらいを好むものと歌い、愛しい人よおやすみなさいと告げた後ニ長調のppになって、君の夢を壊さないように、門におやすみと書き残して足音を立てず青年は旅に出る。
最も明るいはずのニ長調で涙モノすぎる。天才とはいえ、20代の人間がこんな表現を。。。
酒のことしか書いてこなかったnoteに急に音楽のことを書いてしまった。
最後まで読んでくれた人ありがとうございます。
たまにはこんなことも考えてます。