「第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで生きてる」(横浜美術館)
タイトルにつけられた「野草」というのは中国の小説家である魯迅の散文詩集のタイトルより。前回は確か夏頃の開催ということもあり、「楽しい」という印象も強かったのですが、今回は昨今の世相を反映し、シビアな話題に触れた作品が多かったように感じました。「楽しむ」を目的に美術館に行くと面食らう作品が多いかと正直思いますが、かつてジェリコーやゴヤがそうしてきたように、同時代を生きる現代芸術だからこそできることでもあります。
印象に残ったのは、複数箇所に展示されていたトマス・ラファの映像シリーズ(2)。中央ヨーロッパの民族系デモ隊と警官隊との衝突を通じ、両者に共通する目的以上の熱狂、キャプションの言葉を使えば「暴力への陶酔」にスポットを合わせたもの。若干カメラアングルの近さはあるにせよ国際ニュースで観るレベルのそれですが、立ち止まってしまう映像作品です。また、丹羽良徳による、展示室の壁を覆うようにして足場が組まれ、映像や絵画のインスタレーションをされていた作品も印象的でした(3)。言葉としての主張・メッセージというより、そのパッションに惹かれる作品です。割と有名どころでは、坂本龍一がナム・ジュン・パイクの追悼ライブで使用したバイオリンなんていうものも(4)。まぁ、画像の通りです(笑)
割と穏やかならざるテーマも多い今回でしたが、それだけに縄文土器(8)と、岡本太郎の撮影した写真のインスタレーションが優しい回でもあったと思います。児島善三郎の《長崎風景》も素敵な一枚(1)。
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