言いたいことを言う(2021.12.4付)
BBCニュース・日本語版の記事によると、「米政府は12月2日、ドナルド・トランプ前大統領が導入し、ジョー・バイデン大統領が就任後に撤回した移民政策「メキシコ待機」プログラムを再開すると明らかにした。
この政策は、亡命を希望する移民を、申請手続きを行う間メキシコ側に待機させるもので、治安の悪い環境に移民が置かれることが問題となっていた。再開をめぐり、バイデン氏を非難する声が上がっている。
移民関連団体は、「メキシコ待機」政策の復活は、国境にある移民キャンプでの犯罪や暴力行為を誘発しかねないと指摘する。
バイデン氏は1月の大統領就任後、この移民政策を「非人道的」だとして撤回する大統領令に署名した。しかし連邦裁判所はこれを認めず、同政策の再開を命じていた。
アメリカとメキシコの両政府は、この政策を再開させることを認めた。
バイデン政権は、トランプ政権時代のもう1つの主要な国境政策「タイトル42」を維持している。これは、公衆衛生上の理由があれば移民を迅速に追放できるというもの。
なぜ「メキシコ待機」が復活するのか
トランプ前大統領は、当時「移民保護プロトコル」と呼ばれていたこのプログラムを導入し、6万人以上の亡命申請者をメキシコに送り返した。メキシコ側で待機する亡命希望者は、時には犯罪組織の餌食になることもあった。
慈善団体ヒューマンライツ・ファーストによると、メキシコに戻された移民に対する誘拐やレイプ、拷問、そのほかの虐待行為の事例が1500件以上報告されている。
バイデン氏はトランプ氏が打ち出した強硬な移民政策を撤回するという選挙公約の一環として、大統領就任後すぐに同プログラムを停止する大統領令に署名。アレハンドロ・マヨルカス国土安全保障長官が6月に終了させた。
ところが連邦裁判所のマシュー・キャズマリク判事は8月、政策が不適切に取り消されたとの判断を下した。同判事はトランプ氏によって任命された。
バイデン政権はこの決定を不服として上訴している。
ホワイトハウスのジェン・サキ大統領報道官は1日、同プログラムによる「不当な人的損失」に関するバイデン氏の考えは、過去の主張と変わっていないと説明。
「ただ、我々は法に従うことにもなる」とした。
「メキシコ待機」政策は、メキシコの懸念に対処するため、亡命申請1件あたりに費やす時間を6カ月に制限するなど内容を修正したうえで、来週からテキサス州とカリフォルニア州の入国地点で再開される。
「暗黒の日」
「メキシコ待機」政策の再開の動きをめぐっては、移民支援団体やバイデン氏率いる与党・民主党の議員から非難の声が上がった。
アメリカ移民評議会は、「メキシコ待機プログラムをより人道的な方法で管理できる」というバイデン政権の主張を一蹴し、「今日はアメリカと法の支配にとって暗黒の日だ」と付け加えた。
同プログラムの対象を西半球からのあらゆる移民(ハイチ人など非スペイン語圏のグループを含む)に拡大することで、バイデン氏は「プログラムをトランプ政権下よりもさらに広範なものにした」と、同評議会は指摘した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)もこの動きを非難しており、「メキシコ待機」政策の実施に協力することを拒否した。
米自由人権協会(ACLU)は、この政策の再開は「拷問や強姦、死を含む恐ろしい虐待」につながるとした。
ヴェロニカ・エスコバル下院議員(民主党、テキサス州)は米政治専門紙「ザ・ヒル」に対し、この政策は「国としての我々の価値観をむしばむ」ものであり、「亡命手続きに反する」ものだと述べた。
エスコバル氏は裁判所の命令に対して積極的に法廷で闘うようホワイトハウスに求めた。また、バイデン氏は大統領就任から1年近くたとうとしているのにこのシステムを修正していないと批判した。
ボブ・メネンデス上院議員(民主党、ニュージャージー州)は、「この外国人嫌悪で反移民的な政策を永久に覆すために、あらゆる努力を行うよう」バイデン氏に求めた。
一方、野党・共和党のケヴィン・マカーシー下院院内総務は同政策の再開を歓迎した。
「バイデン政権にこの常識的な措置を適用させるために、訴訟を起こさざるを得なかったのは残念なことだ」」と、あります。
簡単に言うと、バイデン政権は、自身の選挙公約を撤回した。この動きを“人道的に悪”だとして、移民支援団体やバイデン氏率いる与党・民主党の議員が避難しており、バイデン政権は迷走状態」と言うこと。
先の大統領選挙で、アメリカは移民に寛容的な政権になり、国際的な人権問題により積極的にアプローチするのではなかったのか。それなのに、トランプ政権を非難していた人権についての政策も何も変わっていない。
バイデン大統領は、先の主要7カ国首脳会議(G7)において、「アメリカは戻ってきた」と各国にアピールした。この言葉は、嘘だというのか。
つまり、アメリカは何も変わっていないし、アメリカへの過度な期待はしない方がいいということだ。
アメリカは、欧州大戦後のパリ講和会議で、日本が発議した「人種差別撤廃」の提案を明確に拒絶した。欧州大戦後の国際連盟が全会一致を原則とするのは、日本が提案した「人種差別撤廃」の提案を拒否するために全会一致でなければならなかったからだ。
その結果、国際連盟は全会一致という無謀な条件で出発し、早期に瓦解した。アメリカは、この時も国際連盟を自身で提案したのにも関わらず、加盟しなかった。
TPPもそうだ。TPPは、アメリカを含む12カ国が協定に署名をしたのにも関わらず、アメリカは離脱を突然宣言した。当時の日本が瓦解しかけたTPPをまとめたが、アメリカが抜けた穴は大きい。
人権問題もそうだ。アメリカは、チャイナの人権問題を糾弾した。自身は人権を重視しているというフリはするが、自国ではそのための行動ができていない。これでは、チャイナを糾弾しても説得性に欠けてしまう。
アメリカが本当に人権意識を全体で高める日はいつくるのだろうか。
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