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推しの現場レポの書き方 #3 出発点は"誰にどうなってほしいか"

いざ推しの現場レポを書くとなっても、そのレポは誰に読んでほしいものなのでしょうか?
ご自身のオタ友?推しのことをまだ知らない方々?推し本人?それとも未来の自分?

自分のレポ記事が当初想像していた層ではない方に読まれる可能性もあるとはいえ、特にどんな方に自分の記事を読まれたいかを考え、その層に合わせた書き方をすることが重要です。
そして、時間をかけて現場のレポを記事として仕上げるのですから、読者さんにも推しに触れてもらえたらもっと嬉しいですよね。

そこで本記事では、推しの現場レポを書き始める際に考えるべきこととして、
「どんな方を主な読者層として想定するか」
「記事を通じて、読者さんにどうなってほしいか」

という2つのポイントについて僕の考えをまとめます。

ちなみに「推しの現場レポの書き方」シリーズの別記事は、以下のマガジンからアクセス可能です。


想定する主な読者層は?

現場レポを読んでくれる可能性のある層は色々考えられますが、あなたのレポ記事は特にどんな方に読んでほしいものですか?
想定する主な読者層にとって、レポの文章はわかりやすい書き方になっていますか?

概念的な話に終始してもわかりにくくなるので、手前味噌で恐縮ですが、僕が現在の推しに出会った現場の話を書いた記事を例にします。
(著作権的に自分の記事を出すのがベストなので出します。「最初期の記事ってこんなもんか」と思っていただければ。)

僕が推している宮本佳林ちゃんは、ハロプロの研修生として活動した後にJuice=Juiceというグループの初期メンバーとして活躍し、そこから卒業してソロアイドルとして活動中の方です。
このバックグラウンドを踏まえると、以下のような方々に自分のレポが読まれる可能性がありそうと考えました。

  1. 佳林ちゃんご本人

  2. 佳林ちゃんを推している方(いわゆる「佳林党」)

  3. ハロプロやOGが好きな方

  4. ざっくり女性アイドルに興味がある方(推しの有無は問わず)

  5. 性別やグループを問わずアイドルに興味がある方(推しの有無は問わず)

  6. 推し活自体への興味はあるけれど、現在推している対象が無い方

この例ではざっくり3〜5を主な読者層と想定して執筆しました。
(一義的には佳林ちゃんご本人に向けた位置づけでしたが、人数的には3〜5の方に特に読んでいただきたかったと記憶しています。)

3の方は良いとしても、4,5の方はそもそも佳林ちゃんの存在を知らない可能性があります。
そのため、本題に入る前に「そもそも宮本佳林とはどんなアイドルなのか」を簡単に説明したり、2の佳林党でないとわからない表現は避けたり…と必要な前提知識を共有するための工夫が必要なのです。

また、記事を執筆する自分は言いたいことが全て理解できているとはいえ、読者さんにはあなたの脳内にある全体像が見えていません。
つまり、理解度のギャップは読者さん同士でのみならず、筆者と読者さんの間でも見られます。
話の飛躍を可能な限り避ける、自分の現場での心の動きを時系列に沿って噛み砕いて言語化することが重要だと思います。

このようにして、レポ記事の筆者である自分、主に想定する読者層、あわよくばレポを読んでくれるかもしれない読者層の3者を見渡すイメージを持つのです。
そして、どの読者さんも置いてけぼりになる書き方をしていないか、自分以外には理解しにくい文章になっていないか考えながら書き進めましょう。
(具体例の記事で、佳林ちゃん本人のみを想定した文章が最後に付いていますが、そこは真似しない方がよいと思います。)

正直なところ、執筆時の想定読者層とは異なる方がレポ記事を読んでくださることも全然有り得ます。
そんな場合でも、執筆時に色々な立場の方を想定して自分の文章を点検していれば、局所的に伝わりにくい部分があったとしても記事で伝えたい全体像は共有できると思います。


記事を読んだ読者さんにどうなってほしい?

現場のレポ記事を書くうえで次に重要な視点は、「想定する読者さんに、自分の記事を読んだ後にどうなってほしいのか」だと考えます。

わざわざ記事を執筆してまで推しを熱く語ろうとしているのですから、読者さんに「あ〜面白い記事だった」以上の何かを思わせたいですよね?
(いざ記事を書いてみると、「この記事面白かった!」といった感想を聞くだけでも飛び上がるくらい嬉しいですがね。)
具体的には、

  • 推しの名前や特徴だけでも覚えてもらいたい。

  • 推しの曲を聴いてほしい。動画や配信を観てほしい。

  • 推しのSNSを見てほしい。

  • ライブ等の現場に足を運んでほしい。

のように、(レベル感の違いがあれども)本記事をお読みの皆さんにも推しを読者さんに布教したいという思いがあるのではないでしょうか。
その思いを叶えるためには、自分が心を動かされたポイントを詳細に語るという大前提を押さえつつ、どんな切り口で現場を共有すればよいかを考えましょう。

先に例に出した記事(僕が推しの宮本佳林ちゃんに出会った現場のレポ)を具体例にしますと…
「佳林ちゃんの現場に行ってみようかな」、もっと言うと「自分も佳林ちゃん現場に足を運んで、この記事を書いた人みたいな体験をしてみたい」と読者さんに思わせたいと考えました。

僕の思う佳林ちゃんの良さだけをひたすら書いたとしましょう。
そんな記事も、とてつもない熱量を帯びた素敵な文章だとは思いますが、佳林ちゃんを知らない方や佳林ちゃんを推していない方が読んでも面白い記事にするのは難易度が高いです。
(記事のトピックに対する興味の有無や基本的なスタンスが根本的に異なり、そこのすり合わせがしにくいから。)

そこで、僕が先の記事で掲げた目的を実現するために、
「アイドルに興味が無い状態から、たった35分間で宮本佳林というアイドルにのめり込むまでの一連の体験」を丁寧に描写することにしました。

記事の冒頭で宮本佳林ちゃんの簡単なプロフィールを付し、現場に行く前の心情の描写から本題を始めています。
まだ宮本佳林を知らない読者さんとも基本的な背景情報を共有しつつ、「僕も当時はあなたと同じ立場だった」と筆者と読者さんの目線を合わせようという試みなのです。

あとは僕が「宮本さんっていいな」「アイドルとしての活動にも興味が湧いてきたな」と思うに至った経緯を、その場での出来事とセットで丁寧に言語化していきました。
こうした流れで、僕の体験を記事を通じて読者さんにも追体験していただき、「あなたも佳林ちゃんの現場に足を運んでみませんか?」と手を差し伸べる意識で執筆したように思います。

あなたがレポ記事を書こうか検討するくらいにのめり込む対象なんですから、対象は誰であれ何であれ、あなたの推しが素敵なのは分かっています。
その良さをダイレクトに伝える文章もとても素敵なのだと思います。
しかしそこからもう一歩踏み込んで、現場のレポ記事に説得力を持たせて、読者さんを沼へ手招きしてみましょう(言い方)。


最後に

本記事では、現場のレポ記事を書く際に重要な視点である「どんな方を主な想定読者層とするか」「読者さんに記事を通じてどうなってほしいか」という2点について語りました。

全体を通じてちょっと概念的な話になりましたし、具体的な書き方のテクニックまで踏み込んでいないのですが、記事の大まかな方向性や現場を語る切り口を方向づける重要な視点です。

2点目までを踏まえて逆算して記事を組み立てるのはなかなか難しいと思います。
まずは主な想定読者層をイメージして、必要な補足情報の有無や、自界隈に特有の表現をどこまで使うか等を決めるだけでも、記事を書く際の方針が立てやすくなるはずです。

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