【検証】人間は果たして1週間(8日)で12Lの牛乳を消費しきれるのか
正直、こんな記事を書く日が来るとは思わなかった。
記事タイトルにもあるけれど、私はこの度1週間で牛乳を12L消費することを強いられたのである。
きっかけはそう。フォロワーと一緒に話をしながら作った『Amazonほしいものリスト』である。
腱鞘炎気味な私にサポーターを買うからほしいものリスト作って! と言われてまるで他人事のようだった私は、半信半疑で作ったほしいものリスト。
始めに言わせてもらうが、私は今までほしいものリストを公開設定にしたこともなければ「こんなリスト化を公開しても誰も送ってこんやろ」と本気で思っていた。
せっかく作ったのだから、他にも何か欲しいものはないのかと聞かれ、深夜のテンションで何がいいかなぁ、なんて考え始めていたころ。
「あっ、そういえば唯一こだわる食品あったわ」
と入れたのがこちら。
そう。よつ葉牛乳である。
元々牛乳は好きなのだが、その中でも特に群を抜いて好きなメーカー。
濃厚な牛乳の甘さと飲みやすさが好きで、一人暮らしを始めてからも牛乳だけはずっとこれを貫き通すくらい、この牛乳を愛飲している。
しかしながらこちらのよつ葉牛乳、他の牛乳と比べて高いのが難点。
他の牛乳と比べ約100円近く高いのである。なのでもらえるものでうれしいものの中で筆頭に上がってしまった。
この時話をしていたフォロワーも「よつ葉牛乳美味しいよね」という言葉とともに「これ1箱6個入りだよ? 飲み切れるの?」と半信半疑で問われたほど。
確かに一人で飲み切るのには少し量が多い。おそらくこの商品はファミリー層など、複数人が飲むことを前提にしたものであり、一人暮らしの人間が注文するとはそもそも想定がされていない。
しかしながら、私はこの量を見ても相手にこう言ってのけたのだ。
「えっ……全然いけるでしょ」
その言葉に嘘はない。それくらい牛乳が好きだし、この牛乳に対しての愛はそれほどのものだということを自覚していたからである。
そんな私の勢いに押されたのか、相手も「じゃあ買うわ」とサポーターとともに入れてくれたのである。全く持ってありがたい話である。
しかし、その時の私はまさかあんなことになるなんて思わなかったのだ。
事件はそう。サポーターを送ってもらう相手と購入手続きの最中に起きたのだ。
「あっ」
「えっ?」
突然声をあげた相手に、私は何かトラブルでもあったのかと少しだけ声を震わせた。そりゃそうだ。多かれ少なかれお金のかかっていることで、そこでのトラブルは私としても震えてしまう。そもそも欲しいものリストで物が届くと本気で思っていない魚としては、やっぱり届けられませんでしたという可能性も頭によぎる。
しかし返ってきたのは、その予想を全く外した答えで。
「ダツさんどうしよう、手続き間違えたから一回キャンセルしたはずだったんだけど、牛乳キャンセルされてなかった」
「……と、いうと?」
「牛乳、二回頼んじゃった☆」
衝撃的な言葉を前に、私は思わず固まってしまった。
――えっ、2回? 2個? ……12L??
あまりの衝撃に、我が目を疑う。思考すら疑った。
しかし、その時はまだ一部の望みをかけていた。
そう。まだ私は信じていたのである。
『アマゾン君、ちゃんとキャンセルしてくれている』
と。信じていたんです。私も本当に。
――そして運命の日。
私はただ、絶望の色に染まったのを昨日のように思い出す。
そしてさらに一部の望みをかけた私だったが――
しっかり記載されていた。
【消費期限 4/25】と。
そういうわけで、私は突如として『一人1週間で12Lの牛乳を消費する』ことを強いられたのである。
1.消費するための行動
ということで、まず求めたのは我がフォロワーである。
とにかく人に聞け。フォロワーはたくさんの知識を持っている。
その思いで涙を流しながらこのツイートをしたところ、様々なサイトや知識を教えてもらい、自分でもできそうなものをその日から作り始めることにしたわけで。
ここで簡単に、フォロワーから来たレシピを紹介しよう。
・保存期間と大量消費レシピのサイト
・蘇
・ホットケーキ
・シチュー
・ミルクプリン
・クリーム系のパスタ
・グラタン
・ミルク寒天
・スープ etc...
こんな感じである。このほかにもたくさんあったのだが、それを遡りきろうとすればそれだけで一つ記事が終わってしまうので、ここでは割愛させてもらおう。
とにもかくにも私はひたすらに牛乳を消費することを強いられたわけである。
2.消費するにあたって救世主
ここで私の救世主が同日に到着する。正直これがなかったら達成はできなかったかもしれない、と言う商品が到着したのである。
そう。いつも牛乳を入れて飲んでいるスティックコーヒー。
これもあわせて牛乳を飲みつくしてやろう、というやる気が俄然とわいてくる。というかこれ普通においしいのでぜひご賞味あれ。
そんなわけで、こいつも含め、私の牛乳格闘生活が幕を開けた――
3.消費の始まった牛乳生活
そんなわけで到着し、その現実を噛み締め始めたのが翌日のこと。
このまま遠くから眺めていたところで12Lが減ってくれるわけもないので、その現実と戦うことを決意した私。
……先に言っているが、私は牛乳が大好きである。なので戦ではあるものの、勇んでいくほどのことでもなかった。
その片鱗を見せていたのが、このツイートだ。
そう。こいつは何を隠そうこのくらいの量は平気で飲むのだ。
大抵休日は家に引きこもり、飲み物と言えば基本牛乳かお茶。そしてこのカフェラテであったので、作業をしながら飲んでいると意外とあっという間に1本目がなくなっていた。これにはさすがの自分も苦笑を禁じ得なかった。
そういうわけで息をするように牛乳1本目を消費した私だが、さすがに飲み物だけでは消費しきれる自信はない。フォロワーから募った牛乳レシピを吟味しながら作ったのがこちら。
クリームスープ。使用量を見てわかる通り、これ一つで独り暮らしの腹には溜まりきるレベルのもの。
もともと一汁三菜の概念を捨てている筆者のため、「とりあえず野菜とかぶち込んでおけば十分だろ」という栄養概念の全くないものなのだが、これだけで十分お腹いっぱいになることができた。
単純においしくいただいたし、一緒に入れた具材のチョイスも我ながらよかったためか、割と早めになくなった。そしてこの調子なら12L消費も割と現実味があるかもしれない――とぼんやりと考え始めていたころである。
――そんなことを考えながらの2日目。
王道中の王道、シチューである。
じゃがいもと鶏肉と玉ねぎを入れたそれは、普通においしくいただいた。
しかし何より驚くべきなのが、消費量である。
クリームスープ > シチュー
これは振り返って一番の驚きであった。シチューの方が量としては使うとばかり思っていた私は、思いのほか使わなかったことに驚きを隠せないでいる。おそらく全体量を変えればもっと消費できるのはもちろんであるが、なんせ食べる人は私だけなのである。
これだけならばまだもう少し食べようかとも思えるが、いかんせんこのあとにもまだまだ控えているわけで、ここで飽きてしまったらそれこそ以降が地獄となってしまう。
それだけが一番の危惧であり、この生活においての一番の鍵だった。
というわけである程度に抑えたシチューを美味しくいただきつつ、随時牛乳レシピを募集していたわけだが――
最後まで熱い投票を得たのがこれだった。
その前にフォロワーから『ハーシーのチョコシロップを牛乳に溶かす』という最強の案を貰い、浮かれながら募集をしていたにもかかわらず、やってくるレシピは圧倒的なまでの『蘇』だった。
……ここまで来たら、作るしかない。しかし平日は仕事であり、仕事が終わってから2時間以上フライパンの中にある牛乳と戦えるだけの体力はなかった。
色々と思案を重ねること数時間。意を決した私はこいつを週末に錬成することを決意する。そして何より、結果的に一人でこの蘇を食べきることになるわけだが、それは後述する。
――3日目
マカロニグラタン。
これは実家の母からの案であり、我が家独特のグラタンだということをここ数年で知った。せっかくなのでここで簡単な作り方を紹介しようと思う。
作り方はいたって単純で、市販のホワイトソース(缶つきのものだとベスト)を鍋に入れ、空いた缶にホワイトソースと同量の牛乳を入れる。その際、空いた缶に牛乳を注ぐことで特に分量も気にすることなく入れることができるので、どんぶり感覚の私にもすぐに真似することができた。
あとはこの疑似ベシャメルソースを茹でたマカロニと具材の入った耐熱容器に注ぎ、上にチーズをかけてオーブンで焼けば出来上がり。
分量も何もなく、自分の好きなものを注いだものはやはりおいしく、あっという間に食べ終わった。
――しかし、ここでは一つだけ罠がある。
500㎖の牛乳を消費したわけだが、さすがに一回だけのマカロニグラタンで消費しきれるわけがない。
つまり、翌日へ疑似ベシャメルソースは持ち越しとなったわけだ。
そう、『持ち越し』。翌日の牛乳消費のための料理はお預けとなる。
3日目のため、そろそろ折り返しという地点で起きた小さな悲劇である。差し迫る消費期限を前に、未だ1箱目も消費できていない現在、それを実行するのはかなりためらわれたが、こちらも食べ続けることを前提としているためそこで譲るわけにはいかなかった。
Twitterでは話さなかったが、ここはかなりの分岐点だと思っていた。
そして私は「ベシャメルソースを併用・持ち越し」することを決意。翌日持ち越しとなった。
――4日目
というわけで昨日のベシャメルソースを使用して、中身を変えたドリアを作成。味はほとんど変わらないものの、食感が変わったため割と問題なく食べきることができた。
……とはいえ、この料理に使った牛乳は0㎖。このまま消費をしない一日を作ってしまうのは後半戦にかけてかなりのロスになるだろう。
そこで行った消費方法。それは――
そう。1Lを普通に飲み切る。牛乳を調理するのではなく、単純に飲み物として飲み干してしまおうという魂胆であった。
ここまでくると逆に飲み物としての牛乳が新鮮にすら感じてしまった。
これが本来の使用用途だということを理解しながら、改めて飲んだ牛乳は普通においしかった。ここにきてまさか牛乳の美味しさに触れるとは思いもしなかった私は、その感動に浸りながら飲み切っていた。
4.頭角を現し始めた体調変化と周囲の反応
ここで後半戦へ差し掛かる前に、一つ皆さんにお伝えしておかなければならないことがある。
通常牛乳は大量摂取するとお腹を下す、などの体調面に支障が出始める。
基本的に私もその例に漏れることはないが、特に今まで牛乳にあたったこともなければ、飲みすぎてお腹を下したことはない。どうやら元来胃腸が強い方らしく、それもあって今回のこの検証に踏み切ることもできたというわけだが。
さすがに4日間で5Lを消費すると、体に異変は起こるというもので。
ついに、という具合であった。正直このままゴールまで行くんじゃないかと思っていたが、それはことのほか半分くらいの時点でやってきた。
端的に言って、便通が格段に良くなったのである。
腹痛にまでなるわけではなく、単純に胃腸が活性化してそれに応じて通じが良くなったのだ。
私自身、どこかで腹痛にさいなまれるのではないかと危惧していたわけだが、思わぬ形で好転した身体の変化に驚きを隠せなかった。おかげでこの当時はお腹の調子はすこぶるよく、下手なサプリメントなどに頼るよりずっと燃費の良い生活を送れていたことだろう。
また、フォロワーたちの反応もさまざまであったが、それに対しての私のツイートである程度察することができる。
そう。往々にして追加要請が絶えないのだ。半分冗談とはわかっているものの、この状況下が続くかもしれないという漠然とした恐怖感はぬぐえず、しかし私にできるのは目の前にある残り7Lの牛乳を消費することだけ。その後に来るかもしれないその予感にはひとまず目をつぶることしかできなかった。
このように、私の牛乳との格闘はフォロワーたちから色んな視線を浴びながらも続いていた。当時は目の前のことで精いっぱいだったが、改めて振り返ってみると「かなり面白がられてるなぁ」という感想を抱く。
そんなこんなで続いていた牛乳との日々だが、ここから折り返しに入る。
――5日目
今だから言えることがある。
このあたりから、かなりレパートリーがなくなってきていた。今まではなんとなく浮かんだ過去のレシピやフォロワーからの提案を参考にしていたわけだが、こぞって時間のかかるものばかりで、仕事帰りに作って食べるにはあまりにも時間が足りない。だからと言って何もしなかったらなくならないし……というジレンマの中で生まれたのがこのチーズリゾットだった。
前日、前々日と使用したチーズの余りと前日のご飯の残りを使ったリゾットは、見た目以上に美味しくいただいた。きのこも冷蔵庫の残り物を使用し、ベーコンのみ買い物をした記憶がある。
またこのあたりから牛乳消費の記録はないが、これは概算400㎖ほど使用している。煮詰め水分が飛んでいき、またご飯が吸い込むため分量に対して牛乳を使用することができたのをよく覚えている。
――6日目
はじめに、この日は金曜日であることを念頭に置いてほしい。
つまり晩酌をしても問題がない、というわけである。
そこで至った答えは唯一つ。
『お酒の力を借りればある程度行けるのでは』
※飲酒は二十歳から。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
そういうわけでこの日は通常の料理に加え、リキュールを使用した大量消費を企てる。
そして浮かんだ苦肉の策として出てきたのが、グラタンを作るときに使ったマカロニの残りを使ったカルボナーラ風のペンネである。似たようなレシピをネットで発見した私は、早速帰りに買い物をして作ろうと思ったのだが――
この阿呆、カルボナーラだというのに卵を買い忘れたのである。
帰宅後下ごしらえを始めた時点で気づいた私は、キッチンの前でひとしきり絶望を味わった。しかしここまで来たらそのまま突き進むしかなく、急遽クリームペンネへと内容が変化してしまった。
しかしこれも思った以上に美味しく、故障のバランスとソーセージの塩気がちょうどよく、これ一つでおつまみになってしまった私は特に牛乳を使ったおつまみを作ることもなく、そのまま飲酒フェーズへ突入。
一種類のリキュールだと飽きると踏んだ私は、始めから二種類のリキュールを購入。
左はKIRINさんの珈琲酒。思った以上に呑みやすく、コーヒーの風味も残しながらリキュールとしてのアルコールもしっかりとしており、コーヒー牛乳感覚ですいすいとお酒が進んでいく。同時に消えていく牛乳であり、これだけで正味1L弱は飲んだと思われる。
右は皆さんよく知るカルーア。牛乳割をするならこれ! という感覚で購入。安定感のある味わいであり、これもこれでお酒がよく進み、同じだけの間隔牛乳もまた消費された。
飲み物で困ったらお酒に頼ろう。もちろん、用法容量はしっかりと守って、美味しく楽しくお酒を飲むのが一番であるわけだが。
――7日目
消費期限は【4/25】、そしてこの日は前日の【4/24】。土曜日の中午前中仕事だった私は色んな所に寄り道をしながらも次の日は確定休みだし、ゆっくり時間をかけながらできることをしていこう! と意気揚々と作るものを考える。
そしてこのころにはフォロワーから『そろそろ飽きたのでは』という声も聞こえ始めていたのだろうか、このようなツイートを残している。
そう。【まったくもって牛乳に飽きが来ていない】ということ。
これは現在もそうなのだが、私は今もこのよつ葉牛乳を愛飲しており、他の牛乳への転換はない。むしろこの状況下になって色んな所で意外に使えるんだなと言うことを発見して以来、飲み物としてだけではなく他の部分でも使うことができる可能性を探し始めているほどだ。
そんな私の牛乳への消費は、このあたりから突然の開花をし始める。
そう。チーズを作ろうとしたところ、1パックすべてなくなったのだ。
ここから怒涛の消費行動が始まる――!
そう。三枚目の完成品までの使用量は、本当に1Lだったのだ。
さすがに煮詰める時間はかかるものの、消費に対しての完成品の大きさに目を丸くした記憶がある。フライパンいっぱいにあった牛乳が固まっていく様相は本当に驚きであり、目の前で変わっていく様子は動画で納められなかったのが悔やまれるほどだった。
――8日目
運命の日。この日が消費期限である【4/25】であり、この日を超えると少し誤差はあるかもしれないが、基本的にはアウトとされる日である。
そんな運命の日における残り牛乳はこちら。
ここまでくると、もはや3Lなど取るに足らない数字に見えてくるから恐ろしい。おそらくこの時の私も【もうこの量だったら割とすぐ終わるやろ】と思っていたし、実際問題最後まで使い切ることができたので、この時の感覚は間違ってなどいなかった。
むしろ危惧していたのは、その先のことで――
そう。明日以降の牛乳がないことへの不安の方が強かったのである。
……改めて言っておくが、こいつはこの一週間、ひたすら牛乳と共に夕食を過ごしている。それだけでなく、このツイート軍の合間にも牛乳をそのまま飲んだり、コーヒーに混ぜてカフェラテにしたり、ホットミルクにするなどありとあらゆる方法で飲み食いをしている。
本来であれば飽きてしばらくいらない、と言いそうなものだが、こいつは翌日以降も普通に飲む気満々である。
そして極めつけのレシート。
牛乳、買ったのである。それだけでなく、夕食はしょうが焼きにしようという魂胆見え見えの材料の購入の履歴に、おそらく見ていたフォロワーたちは信じられないものを見たような顔をしていたかもしれない。
でも、こいつはこのままいく気満々だった。これを消化しきる気満々だったのである。
さて、少し話は変わるが筆者は両親――特に母親とは現在も連絡を密に取っている。この牛乳に関する進捗も報告しており、これはその一部の紹介である。
母も無類の料理好きではあるが、さすがにこの状況下には笑うことにしかできないようで、終始笑いの止まらない会話が繰り広げられていたことは紹介だけさせてもらいたかった。
さて。話を戻して、最終日の牛乳への使用履歴を見ていくことにしよう。
・その1:フレンチトースト
作り方はいたって簡単。溶いた卵と牛乳、砂糖を合わせ、そこに食パンを浸す。ある程度パンに染み込んだらひっくり返してもう半分も浸してから、ゆっくり弱火で焼き目をつけて焼いたら出来上がり。
思った以上に簡単にできる・且つ意外と牛乳も消費されるので、手軽に牛乳を使いたい人にはおすすめだ。また、筆者の実家は砂糖を使用しないなどもあるため、色々とアレンジも利かせられる万能なものだと個人的には思っている。
・その2:牛乳寒天
こちらも簡単で、牛乳と寒天を混ぜ合わせ、少し煮詰めたらお好みのフルーツと合わせて粗熱を取り、冷蔵庫で冷やせば出来上がり。
これも消費量に対して手軽にできるため、大量消費には適していると思う。今回はみかんのみでやったけれど、色んな詰め合わせのフルーツでやるとまた違った楽しみ方ができるかもしれない。
――そして、その時がやってきた。
ツイキャスで進捗を垂れ流しながら2時間。フライパンでひたすら煮詰め続けた牛乳は、2Lがこの量にまで変貌を遂げた。
はじめのうちはそれこそただの液体で、これが本当に固まるのかと不安になった。チーズは塩などの調味料を入れていたから固まるのも早かった気がするが、これを作ったときは本当に牛乳のみしか使用せず、ただただ弱火で煮詰め続けたため、想像以上に固まるのに時間を要した。
しかし、1時間が経ったあたりからその様子は一変し、突如として膜を張り始め、みるみるうちに液体だった牛乳が固形へと変貌を遂げていく。そのあたりから変わっていくそれらを感動しながら焦がさないようヘラを動かし続けた私の結晶が、上の画像のそれである。
そしてこの蘇の完成をもっての進捗をお伝えしよう。
ここまでくると愛着も沸いてきた牛乳は、これ以上消費するのではなく味わって最後は飲み切ろう、というところに落ち着いた。
ここまできたらもう特に気にすることもない。いつも通り、1Lを、贅沢に一日で飲み干せばいいだけなのだから。
その痕跡として次の画像が物語っている。
一週間ぶりの、【白くない夕食】。内容としては簡素なしょうが焼きとみそ汁と言うだけだが、ここに来るまでのことを思い返しながら作ったこれは、正直言って感無量の気持ちであったのを今でもよく覚えている。
なんならフォロワーから「久しぶりの白くないご飯!」「おめでとう」という言葉もいただいたほどであり、改めて実感をしたのだった。
――そう。私は【8日間で12Lの牛乳を消費しきった】ということを。
5.やりきった感想
さて、ここまでつらつらと話してきた内容だが、私が言いたかったのは
「牛乳が好きならこの検証実験は意外と成功する」ということだ。
それだけではなく、この検証が終わったと同時くらいに友人から言われた一言に私は戦慄した。
『言ってくれれば、もらいに行ったのに』
そう。こんなに量があるのなら、だれか身近な人におすそ分けすればよかった、と言うよく考えてみれば当たり前の結論だ。
そもそもこんな量を一人で消化するのは些かおかしな話だし、そうなるくらいなら自分の知り合いや家族に渡すのがセオリーだ。何も一人で抱える必要などどこにもなく、誰かに渡せばそれで終わりなお話である。
それでもなお、私がここまで一人で消費することにこだわったのは、『私宛に送られてきたもので、きっとそれは私が消費するのが送り主への敬意』と思っているからだ。
もらったものは人へ譲る、というのも大きな選択の一つ。しかしその中でも、私はやはり自分で消費するのがもらった者の最大の敬意だと思っている。だからこそこんな無茶苦茶な状態でも最後までやりきったわけだし、後半戦は色んな発見をしながらやりきることができた。新たな発見もしつつ、今回の企画は比較的楽しくやることができたのえはないか、と思っている。
しかし、一つだけ皆さんに言っておくことがある。それは――
そう。パックなどの洗い物が思いのほか大変だ、ということ。
1本2本の世界ならまだいい。しかしそれが12本ともなれば相当数の量を日々消化し、片づけなければならない。これを処理するのが大変だし、牛乳を使った料理の洗い物は少しでも放置しておけば牛乳が固まってしまい、こびりついたそれはなかなか取れないのだから困りものだ。
なのでもし、このような場面に立ち会うことがある場合、洗い物には本当に気を付けてほしい。他の料理以上にその後の処理が大変であることを、ここに記させてほしかった。
6.最後に。
ここまで読んでくださった読者の皆様に感謝を伝えさせてほしい。
こんな規格外の状況にさらされることはほとんどないとは思うが、もしあなたがこの場面に立ち会うようなことがあるのなら、どこか頭の片隅に私のことを思い出してもらえたら幸いだ。
最後になるが、私はこの期間を経た直後のツイートで締めくくらせてほしい。
本当の牛乳好きは、こんなもんでは嫌いになることはない。それよりも勝るのは、美味しく飲むだけなら1箱(6L)は問題ないということだ。
私はそれくらい牛乳が好きだし、もっと言えば【よつ葉牛乳】をこよなく愛している。この牛乳は他のものと比べても濃厚であり、飲みやすいのでもし飲んだことのない人がいるのならぜひ一度飲んでみてほしい。いつも飲んでいるものと比較することができる機会になればいいと、思いながらこの筆をおかせてもらうことにしよう。
最後に、筆者のフォロワーより『その欲しいものリストを出してくれ』という声が多数あった。とてもありがたいことで、私としてもありがたいお話なので、ここにその欲しいものリストを置いていくことにする。
ここには件の牛乳もあるが、ここで一つ注意点がある。
筆者の元へ到着した時点で一度このリストから削除させてもらい、消費後に再度リストにあげる、という方針をとらせてもらう予定だ。
今回12Lという量が届いたのはそもそも誤発注から起きた喜劇であり、これを意図的に起こすのはせっかく作ってくださったのにもかかわらず消費されない牛乳への敬意に関わる。それは私自身のポリシーに反するため、このような対応をとらせていただくことをどうか許してほしい。
その他、私の普段作業のお供にしているものや今後頼もしいお供になるようなものも多数そろえているつもりだ。
これは今後も更新を重ねていくつもりなので、気が向いたときに見に来てもらえると嬉しい。
また、筆者のマガジンでは小説による一次創作・及び依頼されたVTuberさんの台本の作成、およびそのss(ショートショート)を書かせていただいている。そちらもあわせて読んでいただけたら幸いだと思う。
簡単な宣伝に放ってしまうが、そちらもチェックしていただけるとありがたい。
それではここまで読んでくださった皆様に最大の感謝を。
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