怪しい世界の住人〈七福神〉第六話「七福神の行法」〈最終回〉
今回は最終回です。宜しくお願い致します。
❿ 守屋の宮のこと
京都の恵比寿神社の参道にはこの摩利支天が祀られています。
——毘沙門天を祀る神社は狛犬の代わりに虎を祀る。
とあります。
京都鞍馬寺の入り口には、さ虎の狛犬が祀られています。
弘長ニ年(1262)頃に書かれた本には、
——守屋の頸ならびに頸切り太刀、着せし所の衣服とを、ことごとく玉造岡の寺の仏壇の下に埋めて堂を造り、供養せしめ給い。
とあります。
守屋公の四十九日にあたる八月二十日にこれらの品を仏壇の底に埋め供養したものと言われています。最初に建てられた玉造の四天王寺は物部守屋公の霊を慰め鎮めるために造られました。
最近の研究資料では、
——日本書紀に記された四天王の加護に謝恩すると言う目的は後世の付会。
とされています。
その後、今の四天王寺が建てられました。
また、今の森之宮は古くは〈守屋の宮〉であり、そこから玉造のあたりに守屋公の屋敷があったと言われています。
丁未の変の直後に、戦死した物部守屋公の霊を慰め祈るため、彼の邸宅があった玉造に簡単な草葺きか茅葺きの草堂を造り、六年後に難波の荒陵の地(今の天王寺)に移され、本格的な伽藍建築が造営されたようです。
つまり、四天王寺は本来は物部守屋公を祀る場所であり、後に毘沙門天を祀ったことになります。
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