楽譜の読み方「音の長さ③」
演奏に必要な情報について
音の長さ①、②の記事で、音符や休符の長さについて考えましたが、この時点では相対的な長さしか分からない状態です。
例えば、下の楽譜を見たとして、どのように演奏すれば良いでしょうか?
この状態では、拍子やテンポといった演奏に必要な情報が不足しており、人によって演奏の拍感やテンポなどが違ってしまうかもしれません。
拍子記号について
上に挙げた楽譜には、拍子記号がありません。
そのせいで楽譜に区切りがなく、見づらくなってしまっています。
また、拍子の設定がないことで何拍子なのかもわからない状態です。
拍子記号というのは、音部記号(🎼など)、調号(♯や♭)の次にある上下2段に分かれた数字のことで、この数字によって「1拍の基準になる音の長さ」と「何拍子なのか」が分かります。
例えば、よくあるのは「4分の4拍子」の曲ですね。これは、「4分音符を1拍として、4拍で1小節」であることを表し、通常は「1,2,3,4,1,2,3,4…」と拍子をとります。
上も下も同じ数字で分かりづらいですが、下の数字が基準になる音符が4分音符であることを表わし、上の数字で1小節の拍数を表わしています。
私は、基準になる○分音符が1小節に○個入るという覚え方をしています。自分で楽譜を書く時に、音符を入れる数を間違わないようにするためです🥳
(最近、自分で楽譜を書くことは全然ないですが💦)
ということで、4分の3拍子はありますが、3分の4拍子はありません。
4分の3拍子の場合、「1,2,3,1,2,3…」と拍子をとります。
(ズンチャッチャッという感じの、ワルツとかでよく出てくるリズムですね。)
4分の2拍子の場合は「1,2,1,2…」です。
もちろん、基準の音符が4分音符以外の拍子記号もあります。
2分音符を基準にするものは2分の2拍子位しか見かけない気がします。これも基準が2分音符になっただけで、拍は「1,2,1,2…」です。
8分音符を基準にする拍子記号でよく出てくるのは8分の6拍子です。
これがちょっと特殊で、基本的には「1,2,3,4,5,6…」とは数えず、2拍子のリズムになります。
こういった理由で、4分の3拍子と8分の6拍子の曲は違う拍子感になります。
リズムの取り方
一般的には、上の数字が「2、3、4」の場合は「単純拍子」といい、数字の通りの拍子感でリズムを取ります。
上の数字が「6、9、12」だと「複合拍子」と呼ばれ、それぞれ基準の音符3つを1拍として2拍子、3拍子、4拍子でリズムを取ります。
他に、5拍子などの一般的にはあまり使われない拍子を変拍子といいます。
テンポの設定
曲の拍感が分かっても、人によって速さがバラバラでは意味がありません。
テンポを数字で表す場合と、言葉で表す場合があります。
言葉で表す事が多いのはクラシック音楽ですね。
Andante(アンダンテ:ゆっくり歩くような速さで)など、速度標語と呼ばれる言葉で表わします。
ポップスやロックなどの曲では数字で表す事がほとんどです。
数字で表す場合、「1分間に何拍打つか」を数えます。
英語では「Beats Per Minute」といい、BPMと略されます。
BPM=60なら、1分間に60拍なので、1秒に1拍です。
BPM=120なら、1秒に2拍ですね。
このように、数字が大きくなるほど速くなります。
ただ、拍子記号によって一応基準にする音符が決まっているとはいえ、1拍に数える音符を間違えると速さが全く違ってしまいます。
そのため、実際には「1拍に数える音符=数字」で記載されることが多いです。
この場合の数字も、1分間に何拍打つかを表しています。
今回のまとめ
文章に表わすとやたらと難しい感じになってしまいましたが、実際はそんなに難しい話ではないと思います。
楽譜を見ていれば、フワッと分かってくると思うので、色々な楽譜を見てみてください😊
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