脚本の話(役の構築と流れの構築編①)

まだです!まだ書いてみよう編には突入しないんですね!どんだけ伸ばすねん!という感じですが・・・
今日は役とそれに伴う、流れの構築編です。

今回は過去に書いた作品を元にして解説を入れていきましょう。

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2016年に書いた作品になります。
これは、今年の1月に作った作品「チョコとちょこっとお菓子な模様」の系列作品になりますね。
1月の作品はこれの続編として書き上げました。

あらすじはこちら

経営の傾くどうにもうまくいかないカフェ、喫茶リテラリーにて起こるある一日のお話。
オーナー兼店長の夏目純怜と、専属パティシエ三島尚也。
デコボコなコンビながらも先代のオーナー(夏目の父)から引き継いだこの店を発展させようと日々
努力をしているが、父の頃のようにはいかず、どんどんと客の足が遠のいている。
そんなある日、店の取材をしたいという連絡が入る。これは一世一代のチャンスだ。
しかし、今のままの店を取材されては困る。
店員の数も少ない、先代の父の頃のようなコーヒーが入れられない今、この状況を打破する方法は??
笑いと、暖かい人たちの織り成すヒューマンコメディ

こんな感じですね。こちらはシチュエーションコメディとして書き上げました。では、まず最初にこれを、前回説明した3幕構成にて話の流れをざっくりと説明しましょう。

設定・・・経営の傾いてるお店を救うべく、今日は食レポで有名なブロガーさんが来るという話を朝、純玲の口から聞かされる

対立・・・傾いてるお店に借金取りがやってくる。「やばたにえん」ちょっとまってくださいよ!この店がブログで紹介されたらこの危機も抜けられる!ってか、ブロガーさんまだですかぁ!?

解決・・・なんとか、ブロガーさんにも、いい店だって言ってもらえて、借金取りのお兄さんにも今日のところは帰ってもらった、フゥ~明日からまだ頑張ろう!

はい、こんな感じのシンプル構造です。正直、これだけ読んだら何がおもろいねん?となりそうな感じです。それでは、次に、幕同士をつなぐターニングポイントを作ってくんですが、その前にまずは大部分を担う登場人物ですね。

まず、カフェでの登場人物、店長の夏目純玲、パティシエの三島尚也、次に借金取りのここでは安さん(やっさん)という名前にしてみました。最後に必要な、ブロガーさんですね。

リテラリー店長、夏目純怜
喫茶リテラリー、店長、父の亡き後、父親の残した喫茶店を任されることになり、早5年、ようやく軌道にのりつつある。目に付いたことをとにかくやりたがる、手を出したがる。とにかく、やってみてから考えるが基本。
洋菓子より、和菓子が好き

リテラリー専属のパティシエ、三島尚也
先代の店長(純怜の父)からのリテラリー専属のパティシエ。
喫茶店といえばコーヒーでしょう、それと、この絶妙な甘さのスイーツとのコラボれいしょん!をコンセプトに日々スイーツ作りに励んでいる。いつも、純玲の唐突な行動に振り回される、文句は言うが基本的にはなんとかしてくれる。面倒見はいい方。
借金取り、安(やっさん)
借金、取り立て屋、ヤクザ。涙もろい。ヤクザっぽいのは格好と顔だけ。
計算ができない、頭の中が緩い
ブロガー(この時点では名前を決めてません)
正体を誰も見たことがない、そのお店に来るという事実はあってもいつ来たのかわからない。(ミステリーショッパーみたいな立ち位置)

登場人物は最低4人で成立しちゃうんですが…さっきも言いましがこれだとつまらない!そして、いろんな面でもう少しキャスト増やしたい!って事で、最初に必要な役の構築からお話してみましょう。あくまで無駄に増やすのではなく、この人がどういう立ち位置で、出てくるのか?を考えて行くのですが。

ではまずは、最初の1幕目設定のところから組み上げていきましょう。

経営の傾いてるお店を救うべく、今日は食レポブロガーで有名なブロガーさんが来るという話を朝、純玲の口から聞かされる

はい実はこの設定段階では、必要な登場人物は実は足りてるんですよね。それじゃあ、次に、あらすじのこの1文を見てみましょう

今のままの店を取材されては困る。
店員の数も少ない、先代の父の頃のようなコーヒーが入れられない

人手が足りていない、って言ってましたね。そうなんですよ。ここで、アルバイトっていう立ち位置の登場人物が必要になります。「今日入れようと決めたんです!」っていうのがいかにもここの店長のやってみてから考えるという唐突な思考回路を演出するのにはピッタリなんですね。

では次に対立を見てみましょう

傾いてるお店に借金取りがやってくる。「やばたにえん」ちょっとまってくださいよ!この店がブログで紹介されたらこの危機も抜けられる!ってか、ブロガーさんまだですかぁ!?

やばい!って人が思ったらまずどうなるのかな?って考えたんですね。あぁあ、居留守使って逃げようか・・・って考えにしてみました。はい、ここで、もう一人必要になってくるんですね。居留守を使わせるには、よく知ってる人ではダメです。もちろん、従業員のパティシエくんでもダメなんです。ここを入れたばかりのバイトくんにするか?それも一つとして面白いので、それも残しつつ、ここで、もう一人投入することにしたんですね。

それが、常連さんという存在です。長年やってるお店ですからね、常連さんがいてもおかしくない

次に、役の設定に注目してみましょう、ブロガーさん正体を誰も見たことがないって所です。

今日来る!ってわかってたらまぁ、、、探しますよね。きっとこの店長なら。それがもし、全然違う普通にふらっと来たお客さんだったら、、、あらら?、、そうですね!ここでもう1人登場人物が必要になってきます。お客さんですね。

この要領で言ってしまえば、役を無数に増やすことが出来るんですが、プロット編でも言いましたが、目的意識の無い役は本の中で死んじゃうんですよね。ただこの場合の増やし方は目的を回収するのが非常にしんどくなってきます。あくまでも、観る側の気持ちとして考えた場合、せいぜい後1人お客がいて限界なのかなと思います。(あくまで私の考えですけど)

これで、全7名の登場人物が揃いましたね。ちょっと性別も決めてまとめてみましょう

店長(女)、パティシエ(男)、常連(男or女)、借金取り(男)、アルバイト(男or女)、ブロガー(男or女)、客(男or女)

こう見ると性別の自由度が高いですね。

では、次回は、役の役割を決めつつ、流れを構築してみましょう。その②に続きます。


吉川ひろあき                            1988年1月14日生/0型/ジャスティスジャパンエンターテイメント所属
「ありふれた日常にほんの少しのスパイスを」をコンセプトに作、演出、役者として活動。
少しのスパイスを加えることにより変貌する日常を描き、少しの変化で楽しくなる、笑える、
泣ける。そんな日常作品を小劇場、カフェ公演を中心におくる。
過去に下北沢、池袋等の小劇場で7作品発表のち
2017年11月には初のファンタジー作品「キミとボクとの壊れた世界」シアターモリエールにて上演。

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