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振り返って、初めて気がつく自分軸 〜私がインタビューで大切にしていること〜
言葉で自分を再発見。
散りばめられていた出来事を物語にする
インタビューライターのカリアゲしょうこです。
2024年夏、インタビューライターとしての活動を始めました。私の活動テーマ、動き出したきっかけ、活動に込めた想いなどを、これから何回かに分けてお伝えします。まずは活動テーマから。
◆ブリコラージュ(bricolage)
◆コンステレーション(constellation)
この2つの言葉が、私のインタビュー活動の大きなテーマです。あまり聞きなれない言葉かもしれません。まずは、ブリコラージュから説明します。
ブリコラージュ(bricolage)とは
ブリコラージュ(bricolage:フランス語)とは
日曜大工。器用仕事。
転じて、計画的に準備されていない、その場その場の限られた「ありあわせの」道具と材料を用いてものをつくる手続きを指す。
フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースが著作『野生の思考』で提示した概念とされている。
言葉の意味を書いても、いまいちピンと来ないでしょうか。よく言われるのが「”ブリコラージュ”の対になる概念は”エンジニアリング”である」ということ。
エンジニアリングというのは、
①明確なゴールや目的があり
②その達成に向けて段取りを考え
③必要な材料や道具を揃え
④計画通りに組み立てる(進める)
というやり方で、ビジネスの場においては、基本中のキホン的な考え方ですね。
一方、ブリコラージュはその反対で、
①必要かどうかわからないもの(道具や材料)をとりあえず集めておき
②自分の手元にあるものを観察して
③それらを組み合わせてできるもの(目的)を考え
④試行錯誤しながら組み立てる(進める)
というやり方です。
明確なゴールや計画がなく、その場の状況で進めていくので、途中で方向性が変わったり、思い描いていたものとは異なるものができあがることもあります。具体的な例を挙げて説明します。
エンジニアリングの例:
太郎くんはある日、飛行機のプラモデルを作りたいと思いました。お母さんと一緒におもちゃ屋さんに行き、欲しかったプラモデルを買ってもらいました。箱の外側には完成時の写真があり、箱の中には組み立て方の説明書と部品が全て揃っていて、家庭で用意する必要がある道具(カッターやハサミ)も、説明書に書いてあります。説明書に沿って組み立てていくと、完成品写真と全く同じ飛行機のプラモデルが出来上がりました。
ブリコラージュの例:
次郎くんは、お母さんと公園へ散歩に出かけました。歩いている途中、木の枝、蔓、落ち葉、小石など目についたものを拾っては袋に入れ、家に持ち帰りました。家に帰ってから「なにか工作でもしようかな」と思い、先ほどの袋の中を覗いてみました。それを見て「この材料があれば、海賊船を作れるかもしれない」と思い付いた次郎くん。工作を進める中で、色を付けたいと思い、お道具箱の中から絵具を探し出して塗りました。試行錯誤しながら作り、頭の中でイメージしていた形とは違って、海賊船というよりも宝船のようになりましたが、完成しました。
太郎くんは、
①飛行機のプラモデルを作りたい
②おもちゃ屋へ買いに行く
③説明書にある材料と道具を揃える
④写真や説明書通りに作る
というプロセスをたどりました。
一方の次郎くんは
①散歩へ行き気になったものを拾う
②拾ったものを見て海賊船を作ろうと思いつく
③作りながら必要な道具を足していく
④頭の中で考えながら作る
というプロセスをたどりました。
なんとなく、ブリコラージュのイメージがつかめたでしょうか?
ブリコラージュとインタビュー活動が、どう関係するのか。
私のインタビューでは、最初からテーマありきではなく、インタビューを受けてくださる方に対して私が気になっていることや、日常の何気ない話をお伺いすることから始まります。その中で、なんとなく気になったいくつかのエピソードについて、さらに踏み込んで聞いてみます。
後からインタビュー全体を通して聞き直してみたときに、ご本人でさえも関係ないと思っていた出来事が組み合わさって、その人の生き方や考え方を形作っていたものだと気がつくことがあります。それをひとつの物語として紡いでいく。
そんなインタビュー記事にしたい、というのが、ブリコラージュというテーマに込めた私の想いです。
目標や計画通りにいかないのが人生
若いうちから将来の夢や人生設計を立てて、それに向かって歩んでいく人はもちろんいますし、それはとても素晴らしいことだと思います。しかし、目標や計画があっても、その通りにはいかないことも多いのが人生。無駄足や寄り道に思えるような経験をした、という人も多いでしょう。
でも、一度それらを全部広げて、振り返ってみれば、最初の計画とは異なる別の何かが成し遂げられていた、ということもあるかもしれません。
振り返ってみて、初めて気がつく自分軸
・私には夢や目標なんて何もなかった。
・一貫して取り組んできたことが何もない。
そのように感じている人もまた、いるのではないでしょうか。そんな方でも、これまで取り組んできたこと、歩んできた道をひとつひとつ辿っていくと、それまでは気がついていなかった”自分の軸”のようなものを発見できることがあります。
気づきを得られるインタビューにしたい
インタビューを受けてくださった方が、
・いつの間にか、こんなことを成し遂げていた
・芯がないと思っていたけれど、振り返ってみるといつの間にか自分の軸ができていた
そんな気づきを得ていただけるようなインタビュー、原稿執筆をしたい、そう思っています。
次回は、もう一つのテーマ、コンステレーションについてご紹介します。