にゃんだふるな世界は突然に
ネコ、飼いたいなあ。
全ては、旦那のその一言から始まった。
とはいえ、私は犬しか飼ったことがないし、旦那に至っては動物を飼ったことがない。うちにいるのは、よく食べよく笑いよく泣いてよく遊ぶ怪獣(9歳)のみ。
■そもそも、猫ってどこにいる?
わが家はそこから始まった。
ペットショップにいるのはもちろんだけど、それ以外はどこ?最近は野良猫もあまり見かけないしなあ。そんなことを思っていたら、同僚が「譲渡会」のことを教えてくれた。
恥ずかしながら、「譲渡会」の存在を、この時初めて知った。
同僚はそこで縁があって、現在は2匹の猫を飼っているのだとか。調べてみると近くで近々行われるらしいことが判明。予定があったら行ってみたいなと、そんなことを思っていた。
■ご縁はある日、突然に
ところがそんな悠長に構えていた日々が一変。その日は突然やってきた。
これまた同僚(譲渡会の子とは別の子)が、「そういえばMIKKOさん、ネコ飼いたいって言ってましたよね?」そう言いながら、一枚の写真を見せてくれた。
車の前に立っているJAFのおじさん。そのおじさんの手には―――え?子猫!?しかもギャン可愛い。
どうやら、彼女の友人の車にもぐりこんで出られなくなった子猫ちゃんがいて、すぐにJAFを呼んだそう。なんでも、以前にもそう言うことがあってネコを保護したことがあり(その時の猫はそのまま飼っている)、何となく予感がしたそうな。
いわゆる、「猫バンバン」てやつらしい。
ふわあ、本当にあるんだ「猫バンバン」―――テレビやネットの中だけの出来事じゃないんだあ、と驚きつつ、
「友人はもう1匹飼うのは難しいみたいで、仲間内で誰か飼えないかって、LINE回ってきたんですよー。でも誰も飼えなくて。そこで!MIKKOさんに!見せてみました!」
ほぼ確信犯の同僚。そして、100%カモ状態の私。
でも、救出された子猫は生後1か月ちょっとのとっても小さくてかわいい姿。しかも一時的に預かっている友人にめちゃ懐く、かなりの人懐っこい性格らしい。
「一晩待って」
心はほぼ決まっていたけれど、とりあえず即答はせず、家にもどり旦那と相談し、結果その子を引き取ることに決めた。
■モフりたいけど我慢せよ
そんなこんなで引き取る当日。
トイレやキャットタワー、生活に必要な物などを用意し、勉強し、いよいよ引き取りに。
子猫側からしてみれば、いきなり知らん人が来て箱に入れて車に乗せて連れて行こうとしているわけで。そんな状態で「猫との穏やかな生活」などいきなりスタート出来る訳がない。当然だ。
家に着き、ケージを開けた途端、子猫脱走。ソファの裏側の隙間に入り込み、ソファをひっくり返して救出後、今度はピアノの後ろに入り込み出てこない。
もー、可愛くてかわいくて仕方がないけれど、とりあえずネコが自然に慣れるまで待つ必要がある。涙を呑んで無視していたところ、「ミャ、ミャ」と鳴きながら家中を探検して歩き始め――翌日には(何故か)旦那の膝の上で丸まって寝ていた。超、順応性の高い子だった。
■我が家の中心で猫が愛を叫ぶ?
それ以降、我が家はネコ(ミライ:通称みーちゃん)中心で動いている。
すでにもう2歳近くになるが、すくすくと成長(増長?)したみーちゃんは、現在、私のヘビーストーカーと化して生活している。
ちなみに私が一人きりでいられるのは、家の中だとトイレだけ―――。
みーちゃんがこの2年間に取得したスキルは以下のとおりである。
☆ドアノブを開けて自由に部屋を出入り(学習能力高い)
☆ケージのロックを器用に外して勝手に出入り(高度なピッキング技術)
☆窓のロックを外しベランダでヒナタボッコ(発見しだい捕獲)
☆ママをヘビーストーキング。(え、何でみーの居ないところで過ごそうとしてるの?)
☆構ってほしいので、必ず同じ場所(電話台の上)で物を落とす(デレ率の低い狡猾さ)
☆金魚水槽で金魚をいたずらしようとして、奴らに水で撃退され逃げる(逃げ足の早さ)
ネコを飼い始めてから、家の壁は傷だらけ、手も傷だらけで楽しい事ばかりではなかったけれど、それでもうちのネコは可愛い。可愛い。可愛いぞ!と人様には言えるくらい、にゃんだふるな生活を毎日送っているのである。
ちなみに―――我が家では岩合光昭さんの世界ネコ歩き、かなり視聴率が高い。ネコ視聴率は100%だ。