「大衆ジャパニーズが思っているであろ、芸能界ってこんな感じ☆」の忠実な再現を素直な気持ちで面白がるべし(「コンフィデンスマンJP」第4話レビュー)
芸能業界のメタ視点による細かなネタが大胆に散りばめられた第4話!この回私は大好き!何より佐野史郎、最高に気持ち悪くて最高に面白い。まさに劇薬。ぶっ飛んでました。
今回は好きなネタをつまみつまみご紹介し好き放題に語らせていただきましょう。ネタ元の正確不正確は問わずでよろしくどうぞ。
佐野史郎演じる俵屋勤のプロフィールタイムから笑かせにきている。俵屋学生時代の演劇シーン。
お母さん!僕は今!この現代社会の、薄汚れたヘドロの中の大山椒魚のように、バウムクーヘンを食べています!
佐野史郎に「お母さん」と叫ばせる。是非、やめていただきたい。色々と、腹筋が辛い。
架空の映画人が集まる喫茶店「スワンソン」にて。プロデューサー役のリチャード(小日向文世)と監督役ボクちゃん(東出昌大)が喫茶店に入ってくる際の会話。
リチャード「事務所の売り込みがしつこくてさあ」
ボクちゃん「演技力の無いキャストはいりませんよ」
「演技力の無いキャストはいりませんよ」by東出昌大
何か色々ちょっと思うところがあるのだが、脚本家に意図(悪意)が無いことを祈ろう。少なくとも本作においては「棒な感じが逆に活きていて非常に良い」と評判である。私もそう思う。特に第4話は二世役、非常にハマり役だ。どこからともなく出てくる二世感。
そしてここに来て感じる小日向パワー。漲る芸能界臭。絶妙な胡散臭さと下手に出ているくせに横柄さが残る態度、めちゃくちゃ押しが強いながらも噛み続けるガム。ロバート秋山並の「くーっ、いそーー。」感が凄い凄い。加えて時代劇セットで出てくる撮影スタッフもまたたまらない。「俵屋フーズさんからうなぎのカレー煮、いただきましたあー!」とやけに通る声で叫ぶスタッフ、返しの野太い「あーっす」。この記憶、私たち一体どこで仕入れてきたのでしょう。それともまさか、DNAに組み込まれてる…?
「大衆ジャパニーズが思っているであろ、芸能界ってこんな感じ☆」を完璧に再現、でも決して視聴者をバカにしているわけじゃない。そこにメッセージがあるわけじゃないから、アイロニーでもない。ただただ「テレビドラマ」という芸能による芸能のパロディを楽しませていただいている。最高に面白い。私は大好き。
俵屋による絵コンテ。元ネタの元ネタがあるのかも知れないが、「山田孝之のカンヌ映画祭」において「これが脚本です」と山田孝之が言い放った絵コンテ(脚本らしいが)を引用しておく。ちなみに中央の女性役(裸で狂い死んでいる)は山田孝之が長澤まさみにしつこく依頼したが、過激なシーンが多すぎて断られた役である。これも含めて考えると色々と思うところあり。思うところはあるがやはり意味はなさそうで、いい。
戦闘シーンの撮影にて、ダー子扮するマギー・リンが撮影入りした際の佐野史郎が、やっぱヤバい。
台詞は、「マギーちゃぁぁぁん」。それだけでこれだけキモい芝居ができる。キャプチャでもキモい。凄すぎる。感銘。めっちゃキモい。
台詞は、「ぬぁはっはっはっは」。唾もヤバい。天才なんだと思う。
邪魔モノは、ドロンします。
長澤まさみの「ドロン」が大好きな人、沢山いるよね。
そして突然の、「おっさんずラブ」(放送中)。別に元ネタじゃないかも知れないけど、見てる人なら100%思っちゃうやつ。
と、ついつい反応してしまったシーンを今回は並べてみたが、この回は最終的な結末も美しかった。ターゲットの大好きな映画をダシにしただけでなく、最終決戦の場は映画館、最終兵器も編集された映画そのもの。感動、感激、共感、そんなもの要らないから混じりけの無い「構成美×エンタメ」でバット振り切ってクリーンヒット。素晴らしい美しい。「くぅーっ!」と唸っちゃうような構成美、次回も期待です!