女装こそが男性の魅力を圧倒的に最大化すると証明した『海月姫』と、タイトルバックで毎回白モヘアを着せられている桐谷健太が不憫で仕方ない『きみが心に棲みついた』
2018年1-3月期のドラマがもろもろ最終回を迎えました。爽やかハッピーな後味すっきりドラマあり、もやもやなわびさびという宿題を残すドラマあり、背中蹴りたいっすと言いたくなる終わり方というドラマあり。ただ今回は何だかんだ言わせつつ、最後まで真面目に引っ張る力を持ったドラマは比較的多かったように思います。今回は朝ドラ大河、最後まで行き着かなかった作品も含め7本について独断偏見主観所感を書き連ねます。
▼月曜9:00『海月姫』(フジテレビ系) 主演:芳根京子
蔵子(瀬戸康史)のかわいさがあり余りまくってるで賞
タイトルバックのクオリティが素晴らしいで賞
全力キャストまじお疲れ様で賞
このドラマの魅力を説明しよう。
くらこ、可愛い…
くらこのお部屋スタイル、かわいい…
ドレス姿…可愛い…
手振ってくれた…超かわいい…!
このポーズ相当可愛くないと可愛くないけど超可愛い…
なんて可憐なの…(この後振り向きざまに走り出すシーンなのですが、この振り向きの髪のなびき具合がそれはそれは可憐です)
あっ…!えっ、
・・・
以上。どこかに怒られるんじゃないかというほどキャプチャを繰り返してしまいましたが、とにかく可愛い美しい可憐な瞬間が多すぎる。可愛い子を撮影するカメラマンのテンションの上がりようをそっくりそのまま追体験するような気持ちでバシバシやった。
瀬戸康史に関しては元々さして興味は無かったが、この女装クオリティの異常なほどの高さと、そのままの美しさで男子に戻りよる感じは完全に女子キラー。もちろん、まんまとハマった。おそらく作り手側も撮影中に蔵子可愛さにどんどんボルテージが上がっていたに違いないと思うほど、回を追うごとに蔵子の映され方は美しく可愛くなっていき、蔵之介に戻る瞬間もまた魅力的になっていったように思う。ビジュアルももちろん、物語の展開においても「切ない要素」を蔵子中心に置き表情で魅せていくのは悪くなかった。原作モノドラマはキャラクターやストーリー展開に関して、原作が良いのか脚本の読み解きが良いのか判断できないので、内容についてのコメントが正直難しい。ただ、濃厚なキャラクターをおそらく忠実に再現しているように思えるし、個々の役者の120%マンガ的演技には拍手を送りたい!48グループの松井玲奈の出演についても話題になっていたが、第9話まで一切顔を出さない役で、私はずっとジジ様が松井玲奈だと完全に勘違いしていました。(と、いうか結局蔵子の方が可愛いってバレるのはアレだもんねとか言ったら怒られそう)ともかくアイドル味は一切感じられなかったことに関しては褒めるべき事柄でしょう。芳根京子も冴えない役柄にぴったりで素晴らしいキャスティング。
漫画的な再現性という点で言うと、タイトルバックのクリエイティブが非常に素晴らしかったと感じる。何故かバックでにゃんこスターが出てくるテーマソングに合わせて、ポップなトーンで出てくるキャラクター達、パッチワークのような背景に合わせて踊るクラゲちゃんがとてもとても可愛らしくて明るくて、この作品のトーンが分かりやすく伝わってくるタイトルバックでした。
とはいえ何を言っても結局は蔵子が可愛いことに尽きる!以上。
▼火曜10:00『きみが心に棲みついた』(TBS系) 主演:吉岡里帆
タイトルバックがダサすぎで賞
ラストの結婚式シーンは0点で賞
典型的「少女漫画ドラマ」からは一線を画しているで賞
TBS火10枠、通称火ドラはここ最近は高評価ドラマが続いた。視聴率そのものが振るわなかったものでも『カルテット』『あなたのことはそれほど』『監獄のお姫さま』と来ているのを見れば、何となくドラマファンに好評なものが並んでいるイメージはつくだろう。そんな中、『カルテット』「目が笑ってない」有朱役で好評を博した吉岡里帆の初主演となればもちろん見ます、見ますとも。
個人的には「イントロがダメな曲は何やってもダメ」的な感じで「タイトルバックがダサいドラマは何やっても駄目」価値観を持っているのですが皆さんはいかがでしょうか。悲しいかな、吉岡里帆は今のところタイトルバックには全然恵まれていないように思われる。準主役を長瀬智也と演じた前作「ごめん、愛してる」も内容が韓国輸入のものだからなのか知らないが、90年代ドラマかよ、という酷く時代遅れなタイトルバックでみんな草生やしてました。
とにかく何がアレって、完全に桐谷健太の完全白モヘアが完全にアレ。何で?何で白モヘア着せようと思ったの?似合うと思ったの?白のモヘアってまあそうそう男性が着ることのない生地ですけど何でこのタイトルバックで着せようと思ったの?ねえ何で?とスタイリストの肩を揺り動かしたい。誰がどう見ても「何で桐谷健太が白モヘアw」って草生えます。よくあんなキメ顔でいられたよ桐谷健太偉いよ。対して向井理は白シャツという安泰ぶり。差別なの!?、というかどちらかと言えば逆パターンの方がスルーできた気がする。
タイトルバックって結構大事で、10話あったらきっちり10回必ず入ります。当たり前だが連想シーン以外は同じシーンはドラマで流れない中で、必ず毎回出て来る一瞬が重要でないわけがなく、結局そのドラマが何をテーマにしてどんなトーンでやっていくのかを視聴者に強く印象付ける、つまり「ブランド」を共有するとても大切な場所なんです。それが、何故、白モヘア。同じTBSでも塚原あゆ子チームの『Nのために』のタイトルバックはあんなにも素晴らしいのに…。今回の『アンナチュラル』もクールなタイトルバックでそこそこ良かった。トーンが違うとは言え漫画原作なら『海月姫』を見習え!と小さな声で言わせていただきたい。
勢いに任せて書きなぐったTwitterを引用しておきます。繰り返すが、「全員揃わせたいためだけの結婚式ラスト」は本当に最悪。確かに演出上、どこかに出演者全員を揃えさせたい時、結婚式、卒業式、葬式、とか式系になりがち。それは学園ドラマであれば確かに最終回に必要かもしれないし、それぞれのドラマによって必要なシーンになる場合もあるのはよく分かるが、実際のところ「何となく締まった感じになるやん」という投げやりな集め方をするのは本当にナシofナシ。
今回で言えばもう間違いなくありえないのが飯田(石橋杏奈)の存在。新郎吉崎(桐谷健太)とは別の男、星名(向井理)の取り合いのようになり、今日子(吉岡里帆)を物理的に突き飛ばすやら盗撮するやら、とんでもなく醜い(でも面白い)争いをしていた女が結婚式に来る、はずがない!
呼ばない・来ない・ありえない!の三拍子。
かつての束縛男がこれまた苦笑モノの「キョドコのくせに」メッセージ付きのお祝いを送るのも相当どうかと思ったが、これは少女漫画ということで笑って流してもいいとして、飯田がいるのは本当に解せなかった。
内容全般で言えば、自己肯定感低すぎ&わけのわからない束縛男子にいつまでも何とか、という主人公の設定には共感ポイントが個人的にゼロだったので心動かされる部分は無かったが、ただ全体を通して裏切りと醜い心の連鎖ドロドロなストーリーではなく、同僚の女性たちは最初から最後まで真っ当で明るく優しいキャラクターだったりするのはリアリティを保っていて良かった。ドロドロドラマと自ら括って全てをドロドロにしにいくドラマは結構多いが、そことは違うリアリティがきちんと残っていたのは救い。
あとはもはや作品に対して浮いてしまっているレベルにいい演技をするムロツヨシにも賞を贈りたい。「ぼかぁー」と繰り替えす自意識過剰な鈴木先生が出てくるだけで作品のサイコ感がぱっと晴れて救われた気持ちにさせられた。そもそも癖の強いキャラクターとして変人ぽさを出しつつも、変に真面目なこだわりや絶妙な性格の悪さをきちんと持ってるキャラクター設定がかなり魅力的、『勇者ヨシヒコ』で培った?抜群の演技力が光っていた。