犯罪白書2024から考える護身の立ち位置
犯罪予防(護身)のキモは犯罪のパターンや手口を知ること。いま何が一番危ないのか、犯罪の流行を知ることが大切です。
10年前の常識は非常識。犯罪傾向は時代により変化しており、一昔前の常識で考えていては新しい犯罪に対応できません。やり方も巧妙になっています。
2024年末に法務省の犯罪白書(令和6年版)が公表されています。
犯罪白書は400ページもありますがAIに読ませて、犯罪の傾向と移り変わりをまとめてもらいました。
50年前(昭和)の犯罪と現在の犯罪の違い・移り変わり
1970年代の犯罪は、窃盗・暴力事件・暴力団犯罪が多く、対面型の犯罪が主流でした。現在はサイバー犯罪・特殊詐欺・薬物犯罪(特に大麻)・児童虐待・DVが増加し、非対面型や巧妙な犯罪が目立ちます。また、1970年代は若年層の犯罪が中心でしたが、現在は高齢者や女性の犯罪が増加し、再犯率の問題も深刻化。技術の発展や社会構造の変化が、犯罪の手口やターゲットの変化に影響を与えています。
いままで被害者であった高齢者や女性が加害者として増加している点や、日本の法整備が遅れているのが原因で弱点になっているサイバー犯罪とドラッグ犯罪が急増しているのが気になります。
昔も今も「50年前の若年層 = 現在の高齢者」が加害者となっている様子が見て取れ、人口ボリュームの多い団塊の世代が加害者に多いことが分かります。
2000年以降の凶悪犯罪の傾向
2000年以降、日本では無差別殺傷事件や家庭内殺人、少年犯罪の凶悪化が目立つようになりました。特に「秋葉原通り魔事件(2008年)」や「相模原障害者施設殺傷事件(2016年)」など、不特定多数を狙う無差別犯罪が増加しました。
団塊の世代の政策ミスにより、受験戦争・就職氷河期で「勝ち組/負け組」の抑圧を経験した団塊ジュニア世代の、社会への不満や孤立、精神的な問題が関係するケースが増えていることが特徴です。
犯罪先進国からやってくる犯罪
有益な技術も犯罪も、欧米から数年後には日本にやってきます。先進国の犯罪を観察しておけば、数年後の日本の犯罪傾向を予測することができます。
犯罪白書には書かれていませんが、海外ではフェンタニル(Fentanyl)という薬物が昨年から急速に広まっています。普通の大きさの錠剤1錠で400人が中毒死するほどの強力なドラッグで、多数の若者の死亡者が出ています。日本でこの情報が報道されないのが不思議。
欧米で有害認定されて禁止されたタバコを日本では売っていたりと、
危機意識が低い日本は、麻薬ディーラーの次のターゲットにされそうです。
また、これも日本では話題になっていない「3Dプリンタで作れる拳銃(ゴースト・ガン)」はアメリカには大量にあり、日常的に犯罪に使用されています。拳銃現物の密輸が必要なく、インターネットから3Dデータをダウンロードすれば手元で拳銃が作れてしまうので、これから日本国内にも出現してくるでしょう。銃器に対する護身も考えなくてはならない時代に突入していきます。
手口を知る・警戒する・相談する
犯罪白書にまとめられている傾向から護身を考えると、クライシス管理(犯罪現場対応)よりもリスク管理(防犯)が大切なことは一目瞭然です。目に見えない犯罪手口から身を守るには、被害ターゲットにならないように「事前に気をつける」ことが大事です。
どの犯罪も「手口を知る」「警戒する」「相談する」が防御の基本。
犯罪の手口を知り、日常生活で少し警戒して、違和感を感じたら知人に相談する。それだけでリスクを大幅に減らすことができます。
以下はChatGPTが犯罪白書をまとめてくれた内容です。
傾向と対策を今一度、確認しておきましょう。
直近10年間で増加傾向にある犯罪(犯罪白書2024より)
1. サイバー犯罪(フィッシング詐欺・不正アクセス)
特徴・背景:
SNSやメールを利用した詐欺・ハッキングが増加
情報漏洩や不正送金被害が多発
防衛手段:
・不審なリンクは開かない
・パスワードの使い回しを避ける(長く複雑に)
・二段階認証(2FA)を設定
・ウイルス対策ソフトを導入
2. 特殊詐欺(オレオレ詐欺・架空請求)
特徴・背景:
電話やメールを使った金銭詐取が多発
高齢者を狙った詐欺が主流
防衛手段:
・知らない番号は出ない&留守電を活用
・家族を装う電話は本人に確認
・「お金が必要」と言われたら詐欺を疑う
・迷ったら「#9110(警察相談)」へ連絡
3. 児童虐待
特徴・背景:
通報件数が増加(社会の関心が高まった影響も)
ネグレクト・身体的虐待が深刻
防衛手段:
・近所の子どもに関心を持つ
・不審な様子を見たら「189(児童相談所)」に通報
・学校・地域と協力し、子どもの安全を守る
4. 配偶者からの暴力(DV)
特徴・背景:
コロナ禍以降、DV相談件数が増加
精神的・経済的支配を伴うケースも
防衛手段:
・「#8008(DV相談)」に相談
・証拠(暴力の録音・写真)を残す
・シェルターや支援施設を活用
・家族・友人に状況を共有
5. 大麻取締法違反(若者の使用増加)
特徴・背景:
SNSを通じた密売が増加
「海外では合法」という誤認識が広がる
防衛手段:
・SNSの怪しい情報に注意
・「一度だけ」と誘われても断る
・大麻のリスクを正しく知る
6. 少年犯罪(SNSトラブル・非行)
特徴・背景:
SNSの炎上やネットいじめが増加
些細なトラブルが犯罪に発展するケースも
防衛手段:
・SNSのプライバシー設定を見直す
・オンラインでの知らない人との接触を避ける
・夜間の外出を控える
・学校・地域の防犯活動に参加