トイレでの身の守りかた

気が付いていない人が多いと思いますが、トイレは密室で自分の弱点をさらけ出すという、日常生活で一番危ない場所だと思います。特に公衆トイレ。そう理解するだけでも安全意識は変わってきます。

ハワイで日本人観光客が公衆トイレで襲われた事件がいくつかあります。
公衆トイレはホームレスや麻薬中毒者がたむろする場所になっているケースがあり、外から見ただけでは分かりません。観光地だと言われている場所でも事件は起きました。常に管理されていないトイレは安全ではありません。

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じつは私も危ない目にあった事があります。
公園のトイレがホームレスの寝蔵になっていて、そこに私が入り込んでしまったケースでした。放尿が始まった後、大便の部屋から浮浪者が現れたので緊張が走りました。

その頃すでに私は格闘技を稽古していたのですが、あれには対応できない。どうにもできないので浮浪者から目を離さず、相手の目を真っ直ぐに見据えるように牽制して事なきを得ました。「あの浮浪者がナイフでも出してきたら...」本格的に護身を考え始めたのは、あの経験がキッカケかもしれないです。

ここから得られた教訓は「常に誰かがいる事を想定しておく」というもの。
先ほどの例では「トイレの中に誰かが隠れているかもしれない」という前提を持つことです。逆にトイレの中にいる場合は、大便の個室から出る際に周囲が静かでも「外に人がいるかも」と想定していないと、出会い頭でパニックになります。

安全意識の薄い観光客がトイレに入っていくのを見た犯罪者が、出口で待ち伏せしている可能性も考えておきましょう。犯罪者から見れば、金品を持った獲物が自分のテリトリーに無防備に入ってきてくれるのです。

個室から出る時には、誰かがいた場合にどうするかを予定してドアを開けます。開くドアなら、そのまま力強く開いて相手を押しのけるとか、相手の顔を手のひらで押し込む準備をしておくとか。

こういうのってクセをつけるのが一番ですので、私は自宅でも「ドアの外に誰かがいるかもしれない」と想定するようにしています(家族には言ってませんけど)。

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実際に公衆トイレに出入りする際の添付ビデオを見てください。
注意するのは以下のような点です。

<事前の回避策>
・野外でトイレに行かなくていいように安全な建物で用を済ましておく。
・余裕を持ってトイレを利用できるようにギリギリまで用便を我慢しない。

<トイレに入る前の確認>
・公衆トイレに入る前に、その周囲を見渡して観察する。
・ホームレスが住んでいる形跡がないか
・粗雑な落書きがあるなど、荒れた場所ではないか
・時間が許せば、誰か(普通の人)が出てくるまで待ってみる

<入る時の注意>
・死角をチェックしながら人が隠れていないかチェックする
・確認が済んでいない死角には背を向けない
・犯罪者を発見してから対応できるまでの時間が確保できる便器を選ぶ
  ・見通しが効く場所
  ・脱出しやすい場所
  ・有事に必要なのは「距離と時間」の余裕
・なるべく袋小路になっている便器は使わない
・友人と一緒に入るのであれば離れた便器を使う
  ・有事に犯罪者を背後から牽制できるので

<用を足している時の注意>
・大便の部屋にいる間は、外の様子を観察して人の存在を確認しておく
・小便器の場合は少しカラダを斜に構えて、後ろや入口側の様子を確認しやすくする
・数秒に一度は周りの様子を確認する
・誰かがいる場合は、その姿を視界の端っこに入れておき、気配を感じるようにする
  ・相手に「そちらを警戒してるよ」というメッセージを送る意味
・「ズボンを下げた状態でも、誰かに襲われる可能性がある」と想定しておく
・局部を出したままでも戦う覚悟をしておく

<トイレから出る時の注意>
・安全な雰囲気でない場合は、トイレを出てから手を洗うなど機転を利かせる
・死角をチェックしながら出口へ向かう
・外で誰かが待ち伏せしている想定で周囲を見回す
・トイレを素早く出て後ろを確認し、追ってくる人がいないかをチェック
・なるべく早くトイレから離れる

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くり返しますが、トイレは密室で自分の弱点をさらけ出すという、日常生活で一番危ない場所。しかも公衆トイレは犯罪者のテリトリーかもしれないのです。そこに注意するだけでも安全意識が変わってきます。

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