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夜明け前の縁結び

"家族"とは、いったい何だろう?

「俺たち(私たち)は家族なんだから。」

「ここはお前の居場所(ホーム)だから、いつでも帰ってこい。」

子どもの頃に、親からこんな言葉をかけてもらったことがある。

この言葉は、純粋に嬉しかった。

・・・けれど受け取った当時は、心の底から同感できない自分もいた。

本当の家族を、探していた。

"家族"とは、いったい何だろう?

僕は、家族1人1人とパートナーシップを結ぶことのできる間柄を、心から望んでいる。

それこそが、"家族"という間柄だと思っている。

家族だから、何でもOKになるわけじゃない。

長い時間を共に過ごすからこそ、互いのことをより深く知り合う絆が生まれ、関係性を築く土壌が育つ。

その上で、どれだけ互いの理解を深めようとしたか?が、家族にとって大切だと思っている。

僕らは、誰のもとに産まれるのか?を選べない。

だからこそ、その巡り合わせを大事にして、ご縁を結ぶことができるのだと思う。

家族に欠かせない"ご縁"について考えてみると、『地縁』と『血縁』が思い浮かんだ。

『地縁』は、ある種、極めて日本的な間柄かもしれない。(他国にもみられるけれど)

「同じ村に住んでいるから」という仲間意識で、ご縁が結ばれてゆく。

同じ村にいるその間の結束は強いけれど、外へ出てしまえば、いとも簡単にほどけてしまう間柄でもある。ただ、関係にヨリをかける努力をし続ければ、いずれ村へ帰り「錦を飾る」こともある。

一方で、外からやって来た人を「同じ土地で暮らしているから」という理由で、歓迎しやすくもある。

ただし、村の内側のことを「世間のすべてだ」と思い込んでしまいやすくもある。

『血縁』は、ユダヤ人や中国人に見受けられる間柄だ。

世界中のどこに住んでいようとも、世代が違っていても、同じ"血"を分かつ存在だからこその仲間意識がある。

世代を越えて一族の結束が強まり、孤独感は薄くなるけれど、別の血を持つ民族に対して排他的になってしまうこともあるのかもしれない。

また、一族から決別したい時には「ケジメ」をつける必要があるから、より深淵な孤独を抱えてしまう少数な人々を生み出してしまうこともある。

・・・『地縁』も『血縁』も一長一短だけれど、僕にはやはり『地縁』が性に合いそうだ。

この土地に根付きながら、他の土地に会いたい人がいるのなら、郷に入っては郷に従い、豊かな間柄を築きたい。

昔とは違い移動が簡単になったからこそ、地元以外の土地で新たなご縁を結ぶこともできるから。

「俺たちは同じ土地で暮らす仲間だから」という関係性に安ぜず、新たなご縁を結び続けたい。

ご縁をキッカケに、古しい家の縁側に家族が自然と集まるような、そんな喜びと巡り逢いたい。

今の僕が目指すのは、"家庭(ホーム)"を築き、そこで温かなご縁を紡いでゆくこと。

『家庭』とは、「社会的な立場がどうであれ、対等な間柄を築ける場所」であるべきだと、そう思う。

例えば、仕事は社長をしていたり、管理職をしていたり、パートアルバイトをしていたり、学生をしていたり…

家族の1人1人に、色んな立場がある。

けれど、家庭の中に入れば社会的な立場は関係ない。

社長が皿洗いもするし、パートアルバイトの人が家計の切り盛りもするし、学生から発せられた提言が家庭に豊かさをもたらすこともある。

これこそが『家庭』の醍醐味。

そこには、居心地が必要だ。

「どんな自分であってもいい」という心理的な安全性と、「あなたじゃなきゃダメだ」という唯一性、そして、「一緒に何かをやろう」という共同性が重要になってくる。

そして、家族1人1人のことを『自ら必要とする姿勢』が、縁結びに繋がるのだと思う。

ご縁を"結ぶ"には、必要とされることを待ち望むよりも、自らヨリをかける必要があるからだ。

例えばそれは、、、

腕によりをかけて料理を振る舞い、一緒にご飯を食べる時間であったり。

心の距離が離れてしまう前に、駄目なところを直し態度を改め、ヨリを戻そうとする時間であったり。

…こうした、『相手のことを自ら必要とする時間』が、家族にとって大切なんだと思う。

相手をウチの”縁側”へと迎え入れるような心意気を忘れたくない。

ウチの誰かが雨に濡れてしまわぬように。

夜明けを迎えるその前に、ご縁を結ぶことから、まず始めたい。

・・・読んで頂きありがとうございます(*^^*)

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他者の日常を想像し、共に、非日常を創造したい。

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毎週(日)夜に更新しております。

『孤独な夜が明け、いざ朝を迎えようとしている君へ。』

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唐澤俊和
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