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食べごろを見分ける驚異の視力だカー!

読みもの「食べごろを見分ける驚異の視力だカー!」

信号待ちをしている時
小さな家庭菜園の畑に

カラスが一羽、また一羽
舞い降りてきた。

五羽ぐらいになっただろうか。

家庭菜園のミニトマトを
ついばみ始めた。

赤いものは美味しくいただき、
青いものは
茎からちぎって
ボールのように遊んでいた!!

私の実家の父も

夏休みに帰省する孫たちに
スイカを食べさせようと
苗から育て

いよいよ、
明日あたり収穫だな
という頃に
カラスにスイカをつつかて

プンプンしていたことがある。

いい感じに熟すのを
やつらは察知しているのか。

わっさわっさと
サッカーするカラスは

ぱっと見
サッカー日本代表の
八咫烏(やたがらす)のようなビジュアルで

「遊びをする」という
知能の高さを見せつけてきて
通りすがりの人間は
興味深いと思ってしまうのだが

畑の主は大迷惑に違いない。

ところで

田舎のからす日本代表の皆さんは
赤いトマトだけを食べて

まだ若いものはボールにする。

何によって
食べごろを識別しているか気になった。

ニオイ?
柔らかさ?
色?

そういえば
町内会のゴミ出しルールには
「カラスは嗅覚より視覚でゴミをつつくので
生ゴミは新聞紙にくるんだりして見えないようにするべし」
という旨が書いてあった。

そうは言っても

動物は世の中が
カラーじゃなくて白黒に見えている
んじゃなかったのか?

白黒だけど画像がクリアだとか?

調べてみると
びっくりな事実を知ることとなった。

カラスは視覚が優れまくっており

人間が赤・青・緑の3色のミックスで
色認知しているのに対し、
(三原色)

カラスは
三原色プラス紫外線という
4色を駆使して豊かな色彩をキャッチ。

人間が
「七色の虹だ!わー!」
なんて喜んでいるのを尻目に

カラスは虹を
14色以上で認知しているとか!!

何なら
人間より熟したトマトがどれか
見つける能力が高いかもしれないのだ。



そんなに色彩感覚豊かなカラスが
自分自身は真っ黒だというのもまた
面白い。

山田 芳裕氏の漫画
「へうげもの」の中で

黒茶碗を前にした利休は

「なんという黒
一切の無駄がなく、
黒であることすら主張せず…
ただ……ただここに在る」
(↑ふるふる震えている)

と驚嘆する。

さらに利休は信長にこう告げる。

「万事何事も続けていれば、
無駄を見つけてうるさく感じるものです。

その無駄を省いて省いて省き込みますと…
最後はこの色のごときものになるのです。

この黒こそが私の理想とする色であり
理想の生き方なのでございます。」

……

そんな感じで
カラスは

数ある色彩の中から
あえての
至高の黒をまとっているとしたら…?

……
なんてね。




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