食べごろを見分ける驚異の視力だカー!
読みもの「食べごろを見分ける驚異の視力だカー!」
信号待ちをしている時
小さな家庭菜園の畑に
カラスが一羽、また一羽
舞い降りてきた。
五羽ぐらいになっただろうか。
家庭菜園のミニトマトを
ついばみ始めた。
赤いものは美味しくいただき、
青いものは
茎からちぎって
ボールのように遊んでいた!!
*
私の実家の父も
夏休みに帰省する孫たちに
スイカを食べさせようと
苗から育て
いよいよ、
明日あたり収穫だな
という頃に
カラスにスイカをつつかて
プンプンしていたことがある。
いい感じに熟すのを
やつらは察知しているのか。
*
わっさわっさと
サッカーするカラスは
ぱっと見
サッカー日本代表の
八咫烏(やたがらす)のようなビジュアルで
「遊びをする」という
知能の高さを見せつけてきて
通りすがりの人間は
興味深いと思ってしまうのだが
畑の主は大迷惑に違いない。
*
ところで
田舎のからす日本代表の皆さんは
赤いトマトだけを食べて
まだ若いものはボールにする。
何によって
食べごろを識別しているか気になった。
ニオイ?
柔らかさ?
色?
そういえば
町内会のゴミ出しルールには
「カラスは嗅覚より視覚でゴミをつつくので
生ゴミは新聞紙にくるんだりして見えないようにするべし」
という旨が書いてあった。
そうは言っても
動物は世の中が
カラーじゃなくて白黒に見えている
んじゃなかったのか?
白黒だけど画像がクリアだとか?
*
調べてみると
びっくりな事実を知ることとなった。
カラスは視覚が優れまくっており
人間が赤・青・緑の3色のミックスで
色認知しているのに対し、
(三原色)
カラスは
三原色プラス紫外線という
4色を駆使して豊かな色彩をキャッチ。
人間が
「七色の虹だ!わー!」
なんて喜んでいるのを尻目に
カラスは虹を
14色以上で認知しているとか!!
何なら
人間より熟したトマトがどれか
見つける能力が高いかもしれないのだ。
*
そんなに色彩感覚豊かなカラスが
自分自身は真っ黒だというのもまた
面白い。
山田 芳裕氏の漫画
「へうげもの」の中で
黒茶碗を前にした利休は
「なんという黒
一切の無駄がなく、
黒であることすら主張せず…
ただ……ただここに在る」
(↑ふるふる震えている)
と驚嘆する。
さらに利休は信長にこう告げる。
「万事何事も続けていれば、
無駄を見つけてうるさく感じるものです。
その無駄を省いて省いて省き込みますと…
最後はこの色のごときものになるのです。
この黒こそが私の理想とする色であり
理想の生き方なのでございます。」
……
そんな感じで
カラスは
数ある色彩の中から
あえての
至高の黒をまとっているとしたら…?
……
なんてね。
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