7日目、ソーシャルディスタンスって
最強のコロナ詠がある。
両腕を広げてソーシャルディスタンスあなたのことがこんなにも好き/逢
Twitterで一度見かけただけなんだけど、ずっと忘れられなくて、最近とかでもふとしたときに頭に浮かんできたりするので、これは紹介せねばなと。(自分のリツイート遡りまくって元ツイを探し当てました)
「両腕を広げてソーシャルディスタンス」。まずこの上の句がすごい。畳み掛けるリズム、ソーシャルディスタンスの違和感のなさ。フレーズとして最強。この部分だけで「好き!」って思ったんだけど、それに続く下の句は
「あなたのことがこんなにも好き」。正直この下の句があの上の句に対する最適解かどうかは分からない。でも確かな正解ではあると思う。
普通、誰かに向かって両腕を広げたらそれは抱擁の合図だ。でも作中主体はそんなことはしない。「ソーシャルディスタンス」と言って微笑むのだ。
あなたのことがこんなにも好き、というのはバッと広げた腕で愛の大きさを示すと共に、あなたに抱きつかないことがコロナ禍の今においてなによりの愛だ、ということを示しているのだろう。ソーシャルディスタンスって愛だ。どんなCMのキャッチコピーよりも確かなリアリティをもってこの歌は教えてくれる。
逢さんのツイートではこの短歌の背景に観覧車の写真が添えられていた。観覧車の巨大な車輪は、よく見るとひとつひとつのゴンドラに向かって四方八方に腕を伸ばしているようにも見える。面白いなと思った。