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12日目、八咫烏より②

お待たせしました(?)八咫烏編の第二弾です!

私も所属する短歌ユニット八咫烏(やたがらす)のメンバー、々(のま)の好きな短歌を今回は紹介していきたいと思います。身内贔屓というやつです。

関係ないけど々フォロワーめっちゃ増えてて意外と活動してるなって思ったりしました

静けさを分け合う僕らお互いの口をふさいで眠るアサガオ/々 (2020/3/8 「静」)

2020年のからすまぁ的ベストを勝手に選んだときにも載せた歌です。というか々、さいきんうたの日に出してないから探すのがめちゃくちゃ大変だったですという愚痴。筆名で検索しようとすると繰り返し記号を含む筆名すべてがヒットするんじゃい……

沈黙の意味、というのは去年の末のわたしが考えていたテーマのひとつで。沈黙も許せるような関係っていいよなっていう歌をいくつか詠んだりしました。

この二人も恐らくそんな関係なのでしょう。「分け合う」とあるので、黙ってはいるけれど、一緒にいるということを常に意識している。そんな素敵な時間を過ごしている。

そして3句目以降。そんな二人を表す比喩が続きます。とても好きです。夜、しぼんでいるアサガオが重なり合っているようなイメージでしょうか。重なり合っている部分をアサガオの口、と表現したのが見事だなと思います。比喩の中に比喩があるけど、全然くどくないし、むしろロマンチック。

口と口、とくればキスを想像しそうになりますが、どちらかというとお互いの唇に優しく人差し指を当てているような印象なのかな、と思いました。君の沈黙は僕が君の唇に手を当てているから、僕の沈黙は君が僕の唇に手を当てているから、と、まるでお互いが黙っているのはお互いの意思によるものであるかのような気がしてきます。ほんとうの時間の共有だなぁ、すごく素敵。

々は植物を詠むのがめちゃくちゃ上手い。自然に囲まれて(?)暮らしているからなのかな……。

アサガオをカタカナにしたのも上手いな、と思う。朝顔だとそのまま流れていってしまう感じがある。しぼんでいる朝顔の様子を表すのにも、カタカナはふさわしい。

前半に情景、後半に比喩を持ってきたことについてだが、黙っているときって色んなことを空想する。後半の朝顔の描写はかなり細かくて、遠い。軽い比喩ではない。その飛躍を、沈黙が可能にしたのかなと思った。




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