掌編小説『アタイを異世界へ連れてって』
ねぇねぇ、ちょっと聞いてくださいよ。
なに? また愚痴かって? いや、まぁ、愚痴と言えば愚痴のようなモンなんですけどね……。いいからほら、座って、座って。
えっと、何だったかな……そうそう、昨日ね、お仕事に出かけたんですよ、お仕事。
何の仕事かって? わたしゃ死神ですからね。そりゃ、人の魂を抜くのがお仕事ですよ。
えぇ、そりゃもう、できる死神ですからね。スッと魂を抜けば、コロッと死んじまうって寸法で。下手くそな死神だと、こうはいかない。魂を抜くのに四苦八苦、抜かれる