短編小説『わたしは花瓶。呪文のように言い聞かせる。』第06話/最終話 ワタシは花瓶。呪文のように言い聞かせる。
やがて男は鼻から舌先を離すと、ワタシをベッドの上で四つんばいにさせた。そして手の平ではなく、肘で体を支えるように命じた。結果ワタシは、高々とお尻を突き上げる格好で四つんばいになった。
男は壁の鏡に頭を向けるように命令すると、自分は後方の椅子に座った。男の位置からだと、高くかかげたお尻の穴が丸見えになってしまう。そう思ったらお尻にむずがゆさを感じて思わず身をよじってしまった。
「動くなと言っただろ」
静かに言うと男は立ち上がり、大股でベッドに歩み寄ってくる。そして大きく拳